本記事では、ソフトテニスの試合という枠を超えた「本物の強さ」を身につける方法を解説しています。
ソフトテニスが上手くなることは、それだけで嬉しいものです。
しかしスポーツをする以上はスポーツマンとしての振る舞いもまた大切です。
スポーツを通じてスポーツという枠組みを超えた学びが得られることは理想的です。
生きていくために役立つ、本物の強さとはどのようなものでしょうか?
「ニーバーの祈り」から読み取れる2つの力
皆さんは「ニーバーの祈り」をご存知でしょうか?
それはこのような言葉です。
「主よ、変えることのできないものは、それをそのまま受け入れる平静さを、
変えることのできるものは、それを変える勇気を、
そして、この二つの違いを見分ける英知を、私にお与えください。」
日本語訳にはバリエーションがあります。
歌手の宇多田ヒカルさんが「Wait & See~リスク~」の中で似た文言を用いているように、様々な場所で引用される有名な言葉でもあります。
ニーバーの祈りの中には、人生における2つの重要な要素が示されていると思います。
それは「変える力」と「受け入れる力」です。
これら2つの力を「勉強」の例で理解してみましょう。
これから目標を立てて実際に勉強し、自分の成績を上げるのが「変える力」。
これまでの成績や、これから勉強に取り組んで得らる結果を、心を乱さず落ち着いて引き受けるのが「受け入れる力」です。
目標を立てて自己評価を高め、実際の行動に移す。
このようなプロセスによって、私たちは過去の延長線上になかったはずの自分へと変わる可能性を持っています。
その一方で、「四苦(しく)」=「生老病死」と言われるように、数千年も昔から私たちの生涯は変えられないものとともにあります。
このような事実と向き合ったとき、やはり「受け入れる力」もまた必要なのだと考えられます。
ソフトテニスで「本物の強さ」を手に入れる方法
「変える力」と「受け入れる力」。
別々のものとして取り上げたこれらの2つは、実は1つのものであると私は考えています。
2つが統合された、1つのものとは何でしょうか?
それは「自己コントロール能力」です。
正確には「自分の心をコントロールする能力」のことです。
現実の物事を変えるためには行動が必要ですが、行動は自分の意志の働き=心によって引き起こされます。
そして、変えられないものを受け入れるということは、自分自身の心の持ち方そのものです。
自分を観察することから変化が始まる
自分の心のコントロール能力を高める方法は「自己観察」です。
自覚のある癖は「やめよう」と思えますが、自覚がない癖は気が付いていないので治しようがありません。
自分の心をコントロールするのも、まずは自分の状態を客観的に観察し、モニターすることがスタートです。
これから前向きな行動を引き起こしていくにも、現在の自分の思考を観察し、ポジティブな言葉やイメージへと変えていくことが重要です。
また、現在の自分に意識を向けることは、心が生み出す悩みから離れ、気持ちを落ち着けることでもあります。
今この瞬間の自分を見つめることで、過去への後悔や未来への不安を手放し、心がニュートラルな状態になることでしょう。
ソフトテニスの「変える力」
ソフトテニスの試合における「変える力」は、どうすれば手に入るのでしょうか。
「インターハイ優勝!」などの長期的な変化。
あるいは試合中に、次のポイントをより良い状態で迎えるなどの短期的な変化。
どちらの場合も、まずは自己観察、今の自分の状態に気づくことがスタートです。
セルフトーク(頭の中で行っている、言葉などの自己対話)を観察し、ポジティブな思考パターンに置き換え、望ましい行動や成果へと自分を導きます。
長期的な目標を達成するためには、目標を達成しているようなイメージを脳に刷り込むことが有効です。
現在のプレーの調子を上げる場合でも基本は同じです。
自分の言葉や映像(ビジュアライゼーション)を使って自己イメージを高めます。
肯定的なイメージを作るためには、ネガティブな言葉を使わないことも重要です。
そのために必要なことも自己観察だと言えます。
ネガティブな自己対話をした瞬間にそれに気が付き、修正することがができるからです。
反対に自分で気が付いていないものは、良くない習慣であっても治すことができません。
ソフトテニスの「受け入れる力」
次に、ソフトテニスの試合における「受け入れる力」です。
試合中に既に終わったポイントを引きずったり、これから迎えるポイントに対してプレッシャーを感じることは、プレーにネガティブな影響を与えます。
後悔をしても過去は過ぎ去って離れていくだけですし、まだ起きていないことにプレッシャーを感じてもパフォーマンスは上がりません。
ベストなプレーを実現するためには、マイナスの感情をコントロールする必要があります。
受け入れる力の前提にあるのは「すべては自分の心が生み出している」ということです。
現実に起きる出来事としての「事実」と、事実に対して人の心が生み出す「解釈」とは違います。
今この瞬間の自分に意識を向けることで、全ては自分の心が生み出しているものだということが実感できます。
自己観察にが習慣化すると、「あれこれと思い悩むよりも、今できることに集中した方が良い」と落ち着いた心が維持できるでしょう。
呼吸や体に意識を向ける練習を繰り返すうちに、心の揺れ幅小さくなっていきます。
参考:時間を味方につける!ソフトテニスが上手くなる「超時間術」!
まとめ
●「変える力」と「受け入れる力」はどちらも大切
●2つの力は「自己コントロール能力」=「自分の心をコントロールする能力」
●自己コントロールの基本は「自己観察」
●ソフトテニスで変えられないものを受け入れ、自分を理想のプレーへと導く