【ソフトテニス×脳科学】ダブル後衛の試合戦術!

2020年2月9日

今回は、ソフトテニスでダブル後衛が試合をする時の戦術を解説しています。

ソフトテニスには大きく分けて2種類の陣形があります。

「雁行陣(がんこうじん)」「平行陣」の2つです。

雁行陣は前衛と後衛に分かれてプレーをする、オーソドックスな陣形です。

並行陣はさらに「ダブル後衛」「ダブル前衛」に分けることができます。

まとめると、「雁行陣」「ダブル後衛」「ダブル前衛」の3つの形の陣形があることになります。

今回はそれらのうちの1つ、ダブル後衛の戦術について考えてみます。

ダブル後衛の戦術を考えることは、雁行陣やダブル前衛の理解が深まることでもあります。

後半ではその点についても触れています。

 

ダブル後衛の技術と試合戦術の基本を押さえよう

ダブル後衛で必要とされる技術と戦術を簡単に押さえておきましょう。

本章のポイントはこちらです。

 

Point

・ダブル後衛の試合戦術にはストローク技術が基礎にある

・ストローク技術で大切なものはボールコントロールの感覚

・試合戦術のベースにあるのは「経験」

・ネットプレーヤーがいないため、より確実なラリーが求められる

 

戦術について考える時に毎回触れているのが技術の重要性です。

後衛の狙ったコースが合っていても、ボールをコントロールするストローク技術がなければ上手くいきません。

 

後衛ストローク技術は感覚

後衛のストロークの技術の本質にあるのは感覚です。

このことは別の記事で詳述していますから、ここでは簡潔にまとめます(【ソフトテニス×脳科学】後衛ストロークが上手くなる練習法とは?

 

ソフトテニスはボールに合ったスイングを行うことで正確なショットが打てます。

ボールは毎回変わりますから、プレーヤーは毎回違うスイングでインパクトを行う。

よく言われるフォームの指導は、ボール毎に微調整が要求されるソフトテニスのプレーとは相いれません。

 

安定したストロークを可能にするのは感覚です。

自転車に乗る時のような体の直観的な判断に任せることでイメージ通りの軌道が実現できます。

その感覚は、これも自転車の場合と同じく、反復練習によって磨かれるもです。

 

このようなストロークの感覚があって初めて、ダブル後衛の試合展開が活きてきます。

 

ダブル後衛の試合戦術の基礎

ソフトテニスの試合戦術で重要なのは経験です。

何度もゲームを経験することで「どこに打てばいいのか?」を判断する直観が磨かれます。

ゲームプランを立てるのはいいですが、ラリーが始まれば瞬間の判断に身を任せましょう。

 

またダブル後衛の戦術を考えるために、陣形の特徴を理解しておきましょう。

ダブル後衛のメリットやデメリットを考えるために、雁行陣を比較の基準と考えます。

 

ダブル後衛は守備に優れていますが、ポイントを決める決定打が他の陣形よりも少なめです。

ダブル後衛での試合は「相手より一本でも多くラリーを続けること」が基本になります。

ダブル後衛には「ペアの前衛が決めるまで」という決定打がないため、特に粘りが大切です。

 

 

ちなみに「ミスをしない」と考えるのは、イメージとしては良くありません。

「ミス」という言葉自体がネガティブなイメージが湧くからです。

 

「確実に入れる」

「ラリーを続ける」

 

これらのような良いイメージが喚起される思考の習慣を身につけましょう。

ポジティブなイメージの方向へと、脳は無意識のレベルで向かいます。

 

参考:【ソフトテニス×脳科学】高速ラリーを実現!速いストロークを打つ方法!

 

ダブル後衛の試合戦術

それではダブル後衛の具体的な戦術を見ていきましょう。

本章のポイントはこちらです。

 

Point

・ダブル後衛はベースラインプレーヤーが2人いるため、守備に優れている

・相手後衛と2人で勝負して、先に崩す展開が理想的

・ローボレーやハイボレーを身に付けておくと攻めやすい

 

それでは順番に見ていきましょう。

 

ダブル後衛の戦術は守備力を活かす

ダブル後衛のメリットは守備力に優れていること。

具体的には以下のような点で有利です。

 

①前衛パッシングが打たれない

②ロブを打たれても走る必要がない

 

ダブル後衛では前に前衛がいません。

雁行陣で前衛が抜かれると相手のポイントになりますが、ダブル後衛にはそのリスクがないということです。

逆に相手が雁行陣の場合、前衛パッシングが通ればポイントできます。

 

また、前衛の頭を越すロブを打たれることがありません。

これは大きな強みだと思います。

 

「ダブル後衛」vs「雁行陣」の場合、雁行陣側の後衛だけが一方的に走らされる形になります。

中ロブと言われる攻撃的なロブが打てれば相手の体勢が崩せます。

上手くいけば中ロブそのものでポイントが取れることもあるでしょう。

 

 

反対にダブル後衛を相手とする前衛の心理としては、中ロブでペアの後衛が走らされることを警戒するでしょう。

ロブに意識が向いてくると、今度はサイドやミドルのパッシングが通りやすくなります。

自陣の陣形が崩れにくいという利点を生かし、ストロークを打ち分けて前衛が自由に動けないようにします。

 

このとき中ロブ系の高い弾道のボールを後衛前に打つのもお薦めです。

「ループ系のシュート」のような感覚です。

高さのあるボールのメリットは、前衛がボレーしづらいこと。

 

前衛がポーチに出て後衛前のボールを追っている場合でも、弾道が高いと先を通せる可能性があります。

相手後衛にとっては余裕が生まれますが、ペースラインからのボールなので対処がしやすくなります。

 

ダブル前衛のデメリット&対策

次にダブル後衛のデメリットをまとめます。

メリット・デメリットの両面に向き合うことで対処がしやすいでしょう。

ダブル後衛のデメリットは以下の2つ。

 

①攻撃力が低め(決定打がない)

②相手がミドルやショートに打ちやすい

 

デメリットということは、これらが克服できれば隙のないフォーメーションに近づきます。

 

攻撃力が低めになる

まず1つ目の「攻撃力が低め」という点についてです。

ダブル後衛はネットプレーヤーがいないため、ボレー・スマッシュという決定打を打つ機会があまりありません。

ダブルスでベースラインからのストロークでエースを取るのは難しいでしょう。

 

そこでダブル後衛の基礎に戻ります。

ラリーの早い段階で決定打を狙うより「一本でも多くラリーを続ける」という前提です。

勝負を急がず、ラリーの中で中ロブやミドルが打てるチャンスが訪れるまでラリーを行いましょう。

 

相手がミドルやショートに打ちやすい

次に2つ目の「相手がミドルやショート」に打ちやすいという点。

こちらも前衛がいないことに関係していますね。

 

相手側の後衛から見れば、前衛を気にする必要がなくラリーできるというメリットがあります。

雁行陣同士の試合では多用できない「ミドル」や「ショート」が狙いやすくなります。

 

特にミドルはどちらの後衛が取るか迷う(=お見合い)になる可能性があり、対策したいところです。

ミドル対策の定石としては「フォア側が取ること」です。

ただし実際の試合では、その時々の感覚に任せるのがベストだと思います。

 

ゲームでは状況が変わり続けますから、直観的な判断が求められます。

それを磨くのが先ほど触れた試合の「経験」です。

 

経験による直観的な判断は、日常生活でも使われている一つの能力です。

道で歩いているとき、人とすれ違う度に毎回ぶつかることはありません。

複数の人が行きかう道を歩きながら、音楽を聴いたり隣の人と話しながら歩くことを楽々こなしている。

 

私たちの体には、人類の歴史から見ても数万年、生物の歴史からすると数億年の生存を可能にしてきた本能が刻まれています。

感覚に任せるべきところは感覚に任せた方が上手くいきます。

 

一歩進んだハイブリッドなダブル後衛

ダブル後衛のメリット・デメリットを考慮した上で、一歩進んだハイブリッドなダブル後衛ができれば理想です。

簡単に言えば「後衛でもネットプレーができる、オールラウンドなプレーを目指す」ということです。

 

実際トップレベルの選手のプレーをみると、ダブル後衛を基本としていてもネットプレーもできます。

雁行陣が基本で、ダブル後衛、ダブル前衛を織り交ぜる場合もあるでしょう。

 

ダブル後衛のデメリットとして「攻撃力が低め」で「決定打がない」ことを先に挙げました。

ダブル後衛を基本の陣形としながら、相手を崩せるときには前に詰めてハイボレーやスマッシュでポイントする。

ネットプレーはダブル後衛のデメリットを積極的にカバーできます。

 

また、ネットプレーはショートボールを打たれた後の対応としても有効です。

ボレーやスマッシュの動きを一定以上のレベルで身につける必要がありますから、難易度としては高くなります。

ストロークでのラリーを中心としたオーソドックスな戦術を身につけた上で、さらにレベルアップしたい方は取り組むと良いでしょう。

 

参考:ソフトテニス史上最強!?超一流前衛&後衛の動画でイメージトレーニング!

 

ダブル後衛を考えることで雁行陣のプレーが分かる

始めにも触れたように、ダブル後衛を学んだり体験すると、雁行陣やダブル前衛などの陣形の特徴がより分かりやすくなります。

本格的にダブル後衛として練習し試合に出る必要はありませんが、遊び感覚でも取り組んでみると思わぬ発見があるでしょう。

というのは、先ほど挙げたダブル後衛のメリット・デメリットは、雁行陣(やダブル前衛)との比較で初めて浮かび上がるものだからです。

 

ダブル後衛が守りに向いていて、攻めの面でやや弱いという評価は、そもそも雁行陣という陣形があるからこそ成り立ちます。

雁行陣の評価はダブル後衛やダブル前衛があって初めて成り立つものだとも言えます。

前衛がいない状態で試合をいかに有利に進めるかという視点を実際に体験してみることで、雁行陣を基本としているペアも自分たちの戦術の長所・短所に気が付くことができます。

 

これはゲシュタルトという考え方と親和性があります。

ゲシュタルトとは、部分が双方向に繋がり統合された全体像のことを意味します。

ちょうどパズルのピースと完成形の関係のようなもので、一つ一つのピースからは伺えない全体の絵が、組み合わされることによって浮かび上がります。

外国語を学ぶことで日本語の特徴が見えたり、歴史を学ぶことで公民がよく分かったりします。

多くのピースを集め、高い視点から全体像を見つめることで、部分がより深く理解できます。

 

参考:より大きなゲシュタルトを作るとソフトテニスは上手くなる!

参考:ソフトテニスの練習メニュー「前衛・後衛入れ替えゲーム」の効果!

 

まとめ

●ストローク技術の本質は反復練習によって身に付く感覚

●ダブル後衛の試合の基本は「相手より一球でも多くラリーを続けること」

●ダブル後衛の2つのメリット

①前衛パッシングを打たれない

②ロブを打たれても走る必要がない

●ダブル後衛の2つのデメリット

①攻撃力が低め(決定打がない)

②相手がミドルやショートに打ちやすい

●ハイボレーやスマッシュなどのネットプレーができると理想的