「心ここにあらず」をやめると上達する!?脳の仕組みから考えるソフトテニス理論

2020年2月15日

 

今回は、ソフトテニスが上達する意識の使い方について解説しています。

一般的なソフトテニスの練習では、打ち方を意識するという方法が多いようです。

しかし、ボレーであれストロークであれ、ソフトテニスのプレー向上に大切なのは意識の働きです。

皆さんが正しいと思って行っている方法も、脳の仕組みから考えると非効率な練習方法かもしれません。

ソフトテニスの練習効果を最大化する方法とはなんでしょうか?

 

「心ここにあらず」とソフトテニス上達の関係

「心ここにあらず」とは日常でも使う言葉ですが、ソフトテニスとは一見繋がりがないように感じられるでしょう。

しかし、心(脳)の働きという面でソフトテニスのプレーに関係しています。

 

日常の体験とソフトテニスを結び付けると、理論が実感を伴うものとして理解できます。

「心ここにあらず」の状態から、ソフトテニス上達の心の使い方を考えてみましょう。

 

 

「会話中に別のことを考えていて、話が頭に入ってこない」。

このような経験は、誰しもあることでしょう。

相手の声は音声として伝わっていますが、内容が伝わってきていません。

 

この状態が「心ここにあらず」です。

目の前の現実で起きていることよりも、想像の世界に意識が注がれています。

目に光として届いていたり、耳に音声として届いていても、脳が重要な情報としてキャッチしなければ認識できません。

 

「カクテルパーティー効果」も、脳による情報の選別という意味では類似しているでしょう。

 

【カクテルパーティー効果】

カクテルパーティーで周囲の騒音に囲まれている中でも、会話をする相手の声だけを判別して聞き取ることができる。このような、感覚器官を通して送られる情報に対する、脳のフィルターの働き。

 

この例が示すのも、脳が重要だと思う情報のみをキャッチし、それ以外はフィルターしてカットしていることです。

脳のフィルター機能をRAS(ラス)と呼びます。

ラスの働きによって、人間は無意識に情報の取捨選択を行っています。

不要な情報としてカットされ、本人の認識に上がっていない情報をスコトーマと呼びます。

スコトーマは心理的な盲点のことです。

 

 

人間の心に盲点があるのは、ソフトテニスのプレー中においても同じです。

脳がキャッチしている情報があれば、キャッチしていない情報もあります。

「情報」は脳にとっては「現実」。

ソフトテニス上達に必要なのは、体を通じて脳に適切な情報を送りこむことです。

 

参考:ソフトテニスが上手くならない…上達を止めている「スコトーマ」とは?

 

「心ここにあらず」をやめるとソフトテニスが上手くなる

ソフトテニスは「心ここにあらず」をやめると上手くなります。

つまり、目の前の現実世界から、別のところへ意識を向けるのをやめること。

 

目の前に存在するものに対しても、脳には認識されていない情報がある。

脳にはフィルター機能があって、心理的な盲点=スコトーマがある。

これが前章で確認してきたことでした。

 

 

ソフトテニス上達のためには、脳がプレーに必要な情報をキャッチすることが必要です。

プレー中に別のことを考えていると、会話での「心ここにあらず」と同じように、目の前の情報を受け取ることができません。

プレーにおける目の前の情報とは、ボールの情報(スピード、回転、角度etc…)や、選手の動きの情報(展開)などです。

 

「フォーム」や「戦術」を頭で考えているとき、プレーから意識が離れています。

フォームなどを考えることは、集中してプレーに臨んでいるように思われがちです。

しかしこれは、プレー以外のことに意識が向いている「心ここにあらず」の状態です。

 

「プレーについて考えること」と「プレーそのもの」とは違います。

人間にとって考えることは大切ですが、目的に合っていないものは雑念です。

目の前のラリーに意識を集中することで、脳は初めて「技術の向上」や「試合での勝利」に必要な情報をキャッチできます。

プレーに意識を向けなければ、プレーの情報は不要な情報としてカットされることでしょう。

 

なので、プレーそのものに意識を注ぎましょう。

プレーに意識を注ぐというと実践が難しいため、「ボール」という一点にテーマを設定します。

プレー中はボールだけに意識を集中します。

集中の対象を定めておくことで、意識を今この瞬間にフォーカスできるのです。

 

 

ボールへの集中をテーマとするのは、ボールの情報がプレー中に極めて重要なことも理由の一つ。

ソフトテニスはボールのところへ行き、ボールを打つスポーツです。

そのためプレーヤーは、常にボールに合った動きをしなければなりません。

 

・前衛のボレーやスマッシュは、ボールのコースを予測してあらかじめ動き、ボールに合うスイングをする

・後衛のストロークは、ボールのところへフットワークで移動し、ボールに合うスイングをする

 

前衛・後衛というポジションに関係なく、ボールに合った動きが大切なことが分かります。

そして、ボールに合った動きをするためには、ボールの情報が不可欠です。

ボールの情報が脳内でカットされないように、プレー中はボールだけに意識を集中します。

 

人間は一点に集中することで、雑念をキャンセルできます。

ボールに意識をフォーカスすると、脳がボールの情報を正確にキャッチし、最適なフットワークとショットが実現されます。

 

参考:ソフトテニスが上手い人が本当にしていることとは?

参考:ソフトテニスが上達する基本的な仕組み

 

まとめ

●「心ここにあらず」とは、目の前の世界から別のものへと意識が注がれている状態

●脳には情報のフィルター機能と、カットされている情報=心理的な盲点がある

●プレー中に「フォーム」や「展開」などを考えるのは、プレーから意識が離れている状態

●ボールだけに意識を集中すると、今この瞬間のプレーそのものの情報を脳がキャッチする