ソフトテニスが上手くならない…上達を止めている「スコトーマ」とは?

2020年5月26日

今回は、ソフトテニスの上達が実感できない原因を心理学的な視点で考えてみます。

「いくら練習してもソフトテニスが上手くならない…」

皆さんはこのようにに感じることがありませんか?

場合によっては練習するほど調子を崩し、以前より下手になってしまうということもあります。

本稿のテーマである「スコトーマ」を理解することで、上達の道筋がすっきりと整理できるはずです。

 

ソフトテニスが上手くならない原因「スコトーマ」とは?

ソフトテニスが思うように上手くならない場合、その原因にはスコトーマが関係していることでしょう。

始めに、本章でのポイントを確認しておきます。

 

Point

・スコトーマとは心理的盲点のことで、脳が認識していない情報のこと

・人間の脳にはラス(RAS)と呼ばれるフィルターがあり、情報の選択を行っている

・ラスとスコトーマの働きによって、人は自分にとって重要なもの以外は目に入らない

・「ソフトテニスが上手くならない自分」に慣れると、上手くなる情報が見えなくなる

 

「ソフトテニスが上手くなりたいと思っても、思うようにいかない…」

このとき脳は上手くならない自分を維持するために、変化に必要な情報は見ないようにしています。

このような状況から抜け出すために、上達に役立つ脳と心の仕組みを学んでおきましょう。

 

人間にとって脳は司令塔のような役割を担っていると言えます。

ソフトテニスの上達を実現するためには、その仕組みを知って上手く舵取りをしたいところです。

今回のテーマは「スコトーマ」と、合わせて覚えておきたい「ラス」の働きです。

これらの働きを正しく理解していけば、ソフトテニス上達の情報を脳が勝手に集め、行動も自然に促されるようになります。

それでは順番に理解していきましょう。

 

脳の仕組み①「スコトーマ」

現在ソフトテニスが思うように上達していない場合、「スコトーマ」が原因の1つになっていると考えられます。

スコトーマとは心理的な盲点のこと。

人は脳が重要だと認識している情報しか見えないため、それ以外のものが盲点となります。

ソフトテニスが上手くなる方法が目の前にあっても、スコトーマの働きによって、それが見えなくなってしまうことがあります。

 

もともと「盲点」という言葉は、人間の目仕組み上見えなくなっている点のことを意味します。

目の中には、受け取った光が映し出されるスクリーンとなる部分があります。

スクリーンの一部に神経の通り道があるため、そこには光が当たりません。

人間の視野に盲点があるように、脳にも心理的な盲点があります。

 

 

例えば、「鍵がない!」と焦っている時には、目の前にある鍵でも見えなくなる場合があります。

鍵は映像としては見えているはずですが、脳がその姿を認識していない状態です。

実際には目の前にあるものでも、脳が重要ではないと思っているとスコトーマとなってしまいます。

 

本人には「何が見えなくなっているのか?」に気が付くのは困難です。

見えている物とは違い、そこに無い物に気が付くというのは難しい。

ソフトテニスが上手くなるための方法がスコトーマになっていると、目の前にあっても気が付かなくなります。

 

「そもそも上手くなる方法がないから、見つからないのだ」と思われるかもしれませんが、鍵の場合と同じように考えてみてください。

目の前にあるものでも、脳が「ない」と判断すれば、本人にとっては存在しないのと同じことです。

反対にスコトーマを外せば、成長するために必要な方法が後から見えてきます。

 

脳の仕組み②「RAS」=「ラス」

スコトーマと合わせて重要なのが「ラス(RAS)」です。

ラスは脳が受け取る情報の選択を行うフィルターの役割を果たしています。

人間は目の前の現実をありのままに認識しているのではありません。

私たちは気がつかないうちに、自分の重要性に合わせた情報だけを選択して見ています。

 

ここで言う重要性とは「現在の自己イメージに適しているかどうか」が基準です。

言い換えれば、本人にとって良いか悪いかは情報を選択するための基準ではありません。

 

 

このラスの仕組みをソフトテニス上達の方法の観点で考えてみましょう。

効率良く上達する方法があれば、誰でも知りたいと思うのが当然です。

しかし自己イメージが「ソフトテニスがあまり上手くない自分」に設定されていると、どうなるでしょうか?

ソフトテニスが上手くなる方法を、自分には不要な情報としてラスがカットしてしまいます。

 

「スコトーマ」「ラス」は表裏一体。

ラスは重要な情報だけを選び、選ばれなかったものが盲点=スコトーマになります。

RASの働きを示す例としては、以下のようなものがあります。

 

・男性はパートナーが妊娠すると、街に妊婦が沢山いることに気づく

・欲しい物(靴、バッグetc)があると、他人が持っている物や商品の情報が目に入ってくる

 

対象への関心が高まった途端に関連する情報が目に入ってきます。

それまで盲点だった情報の重要性が上がり、ラスがその情報を集めてくれるようになるからです。

 

 

「フィルター」と「盲点」。

これらは無意識に働くため、普段は自覚がない場合が多いでしょう。

ですが、私たち一人一人が確かに持っている脳の仕組みです。

 

ソフトテニスが上達する人には、上達するための練習方法が見えています。

ソフトテニスが上達しない人は、上達するための練習方法が目に入りません。

 

上達する方法がないのではなく、脳が認識できなくなるのです。

自分が見ているものは「自分の脳(心)のフィルター」を通したもので、そこには「盲点=スコトーマ」があると自覚する。

脳の仕組みが分かれば、本当に必要な情報へとラスを働かせ、盲点だった情報を発見できます。

 

参考:ソフトテニスの練習方法で昔から皆がやっていること=間違い!?

参考:勝てないのは「わざと」?こうすればソフトテニスの試合で勝てる!

 

ソフトテニス上達の鍵はスコトーマを外すこと!

ソフトテニス上達のためには、ラスとスコトーマの仕組みを知ること。

2つの働きで大切なことは、基準が良いか悪いかではなく、自己イメージであること。

本章では、ソフトテニスが上手くなるために方法が勝手に目に入ってくる方法をご紹介します。

 

Point

・本人が「上手くなりたい」と思っていても、無意識は現状維持を優先する

・ソフトテニスの自己イメージを上げると、上達の方法をラスが勝手に集めてくれる

・自己イメージを上げる簡単な方法は「ポジティブな言葉」を口ぐせにすること

 

始めにも書いた通り脳は人間にとって司令塔のような役割を担っています。

ラスやスコトーマという脳の仕組みが分かれば、望む方向に向けて使えます。

ここからは、ソフトテニス上達にこれらの脳機能を活用する方法を見ていきましょう。

 

ラスを味方につける!

前章ではソフトテニスの有益な情報が見えない原因にフォーカスしました。

この仕組みを逆向きに利用すれば、ラスが自然と上達に必要な情報を集めてくれます。

 

まずは、自分がラスというフィルターを通して世界を見ていることを意識しましょう。

簡単に実感できる方法があります。

 

身の回りから赤色が入っている物を3つ探してみてください。

 

…赤色の物は3つ見つかりましたか?

赤に関心を向けた途端、普段目にしている物の中から赤色がどんどん目に入ってくるはずです。

 

それでは次に目を閉じて、青色が入っている物がどこにあったかを思い出してみてください。

 

…目を閉じて青色を思い出すのは難しいと思います。

赤色を探すときには他の色も視野に入っていますが、青色の情報は脳がカットしています。

 

「ソフトテニスが上達する方法はある!」と思って探すだけでも、案外見つかるものです。

これまで見つからなかったのは、情報が目に入っていなかったからです(情報自体が少ないこともあり得ますが)。

ラスは仕組みさえ分かれば、非常に心強い味方として機能します。

 

自己イメージを上げて、スコトーマを外す!

ラスを味方につける効果的な方法は「自己イメージを高めること」です。

脳は自己イメージに合わせて情報の取捨選択を行うのでしたね。

つまり自己イメージが「ソフトテニスが上手い人」ならば、ラスが勝手に必要な情報を探してくれるようになります。

 

高い自己イメージを作るには「これから上手くなる」ではなく「自分はすでに上手い」という思考を行います。

これから上手くなるというのは、今は上手くないということの裏返しだからです。

 

ソフトテニスが上手くなっているイメージを「言葉」「映像」を利用して強化していきます。

簡単な方法は「口ぐせを変えること」です。

 

言葉は記憶とセットになっており、イメージを引き起こす力があります。

習慣的に使っている言葉は自分の効力感に大きく影響します。

ネガティブな口ぐせをやめ、ポジティブな口ぐせを身につけましょう。

ポジティブな言葉だけを使うことを習慣化すると、ラスがポジティブな物事に目を向け、盲点だったものが目に入ります。

「私はソフトテニスが上手い!」のようなジティブな言葉を、声に出しても頭の中でもいいので習慣的に使うようにしましょう。

 

また映像としてのイメージも使えると相乗効果が得られます。

自分が理想のプレーをしているところを臨場感豊かに思い浮かべます。

爽快な打球音や、インパクトの感触、ショットが決まる喜びなど、五感や感情とともにイメージしていきます。

 

 

目標を既に達成しているイメージに臨場感を感じると、脳は現在の自分に違和感を感じます。

脳内ではイメージと現実のギャップを埋めるためにラスが働き、スコトーマが外れ、目標達成の方法が見えるようになります。

ソフトテニス上達のために必要な情報が自然と目に入るようになり、必要な行動が促されます。

 

自分が見ているものは「フィルター」がかかっていて、「見えない部分」がある。

このことを頭に入れておいてください。

ソフトテニスだけではなく様々な分野に活かせる脳の重要な機能です。

 

参考:ソフトテニスで前衛にも後衛にも不可欠な「エフィカシー」

参考:ソフトテニスで上達し試合に勝つために必要なゴール設定とは?

 

まとめ

●人間には「心理的な盲点」=「スコトーマ」がある

●「ラス」は脳のフィルター機能で、常に情報を取捨選択している

●ラスとスコトーマの働きによって現在の自己イメージに合う情報しか目に入らない

●「ソフトテニスが上手くらない」というイメージを維持する限り、上手くなる方法は盲点になる

●脳の仕組みを理解し、自分にプラスの情報が目に入るよう調節する

●ソフトテニスに対する自己イメージが上がれば、上達するための方法は後から目に入ってくる