本記事では、ソフトテニス上達のマインド理論から導かれる理想形を解説しています。
『ブレイン・テニス』のソフトテニス理論はマインドの働きを重視しています。
ここではマインドを物理的な脳と情報的な心の2つの面を合わせた認知の働きとして捉えます。
前衛・後衛・シングルスなどでプレーは動きは異なりますが、マインドの理論はその全てに通じます。
ソフトテニス上達のマインド理論とは?
ソフトテニスのハイパフォーマンスのために重要なマインド理論。そのマインド理論から導かれる極地点を見ていきます。
練習という行動を引き起こすのもマインドの働きですし、試合で力を発揮するのもマインドの働きです。
行動を引き起こすのもその裏には脳の働きがある。
このように考えれば、マインド理論の重要性はソフトテニスという枠の中だけではなく人間のあらゆる活動に関わるものだと言えそうです。
ソフトテニスの効果的な練習法というのは、突き詰めると人間のパフォーマンス向上という点で全ての分野に通用するものに帰着します。
理論①目標達成のマインド理論(コーチング)
ソフトテニスに役立つマインドの働きはソフトテニスの試合に勝てるマインドの使い方まとめ!でも説明しています。
私はソフトテニスに取り入れるべきマインド理論はコーチングだと考えています。
コーチングでは「現状の外側のゴール」と「高いエフィカシー」がハイパフォーマンスの鍵となります。
エフィカシーとは自己能力の自己評価のこと。
脳の働き方を考えたとき、人間はエフィカシー通りになると考えられます。
現状の自分のままでは達成できない遥か遠くにゴールを設定し、そのゴールを達成できるという高い自己評価を維持する。
自己評価が上がれば脳はイメージの自分に心地良さを感じ、現在の自分に対しては違和感を持つため、自然とイメージの方へと脳が移ろうとします。
理論②脳と心のコントロール法
ソフトテニスで優れたプレーをするためには、技術だけでは不十分です。
自分自身の心のコンディションを整えることが高度なパフォーマンスのために必要な要素です。
いつもはできているプレーも試合で緊張するとできなくなりますが、このような例からも心のコントロール能力が力の発揮に繋がっていることが分かります。
心を落ち着けることは様々な場面で大切です。
スタートは「悩みや不安は自分の心が生み出した幻想である」と理解すること。
私たちが生きている「現実」は脳の「情報」の世界であり、自分の心が生み出している世界です。
自分が生み出しているということは適切な方法でコントロールの可能性があるということまずは知ってください。
「悩みは幻想」と頭で理解しても、自分の中に湧き起こるマイナスの気持ちが消えるわけではないでしょう。
そこで実践によって、心のコントロールを体感として感じることを行います。
具体的には「自己観察」=「現在の自分の心身の状態をモニタリングする」という方法を取ります。
例えば、自分の呼吸や体の状態に意識を向けること。いま自分が行っている体の活動に意識を向けます。
また自分の考えについて「なぜこう考えたのだろうか?」と観察する方法もあります。
「今の体の状態に意識を向ける」「自分の考えを観察する」。
これらの方法を続けるうちに現実の「問題」と心が生み出す「解釈」とを分けて整理することができ、ニュートラルな心の状態になっていきます。
以上の内容をまとめます。
①人はエフィカシー=自己評価を上げると能力が上がる。常に高いエフィカシーを維持することが重要。
②人が生きている世界は自分の心が生み出した情報の世界。自己観察という実践を行うことで、そのことが理論だけでなく体感として理解される。
参考:【無敵のメンタル】ソフトテニスの試合で勝つ「メンタル理論」
ソフトテニス上達のマインド理論から辿り着く極地点
前章ではソフトテニスのマインド理論を大まかに確認してきました。ここからはマインド理論から導かれる極地点についての解説です。
ソフトテニスのマインド理論の極地
結論から言うと、ソフトテニスのマインドの理論から導かれる極地点とは絶対的な「自己肯定」です。
まず、エフィカシーを上げるとソフトテニスは上手くなります。
これは前章でも触れた通り人間のパフォーマンスはエフィカシー通りになるからです。
エフィカシーを上げるとは自己評価を上げることで、自己肯定の意味合いは始めから含まれています。
エフィカシーの概念に、先ほどの心のコントロールの理論を統合してみましょう。
つまり人間が生きている現実は脳が生み出した内部表現であり、自分の心が生み出しているという考え方です。
そうすると自分自身に対する評価というのは、全て自分の自由な意志で決定するということが分かります。
全ては自分の心が生み出しているのだから当然です。他人からの評価は関係がありません。
情報空間について言えば、自分自身が自分の「世界」の創造主であると言えます(物理的な世界を作っているわけではありません)。
小説の世界を創るのは筆者で、ゲームの世界を作るのは製作者です。自分自身が感じている臨場感の世界は自分の脳(心)が生み出しています。
重要なのは自分が自分にどういう評価を持つか、自己イメージを抱くか、ということに尽きます。
そして自己評価が上がればその分パフォーマンスは上がるのですから、徹底的に自己肯定すれば良いという結論になります。
自己評価は自分で自由に決められるもの
自己評価は自分で自由に決められるもので、自己評価を上げればソフトテニスが上手くなる。
「ソフトテニスのプレーヤーとしての自己評価をどこまで上げられるか」がマインドの働きにおける鍵です。
ソフトテニスでレベルアップするためには「私はソフトテニスで全国優勝する人間だ」のような高いエフィカシーを常に維持します。
過去の成績や現在のプレーのレベルは関係がありません。自分が心から望む姿を自由にイメージします。
脳にとっての現実とは「その時々に最も強い臨場感を感じている空間」です。
映画を見ている時には、それがフィクションだと頭では理解していても物理的な身体に影響がでます。
作品に感動して涙を流したり、恐怖して心拍数が上がったりするとき、脳は周囲の空間よりも映画の世界に臨場感を感じています。
過去は時間が経つほど現在の自分から離れて行くもので、脳内では本人の記憶に対する解釈でしかありません。
旅行では移動手段があらかじめ分かっていなくても、行き先を決めれば後から見てきます。
目標達成も同じこと。先に遠くに目標を設定することで、達成方法は後から見えてきます。
脳にはラスと呼ばれるフィルター機能があり、本人が見ているのは自己イメージに合った情報だけです。
エフィカシーが上がれば必要な情報は後から見えてきますし、行動も高いエフィカシーに相応しいものへと無意識に調節されます。
エフィカシーは他人ではなく自分自身による自己評価ですから、自分の好きなように設定すればいいでしょう。
他人の評価が気になる方がいるかもしれません。しかし自己肯定の意味を理論的に理解しておけば、望ましい方向への軌道修正がしやすくなります。
注意して頂きたいのは、自己肯定とは傲慢な態度や他者の否定とは違うという点です。
他者を否定するのはむしろ自己評価が低い人が取りがちな行動パターンです。
自己イメージが低く不安を感じている人は、無意識に他人を自分よりも低いところへ引き落とそうとしてしまいます。
「自分は他人を否定して優越感を感じようとする人間だ」という自己評価を持つことが、自己肯定であるはずがありません。
本当の意味で自分を肯定できる人は、自分の心が映し出す世界を肯定的に見ることができるでしょう。
自分に対して徹底的にポジティブなイメージを維持していれば、むしろ「周囲の人間を肯定する人間」であることに心地良さを感じます。
ソフトテニスの試合で相手のミスを喜ぶことが自分のパフォーマンスを下げることは、ダブルフォルトを喜ぶのをやめるとソフトテニスの試合で勝てる!でもご説明している通りです。
参考:【ゴルフ】タイガー・ウッズ選手に学ぶソフトテニス上達のコツ!
まとめ
●ソフトテニスのマインド理論は主に2つ
①目標達成のためのマインド理論
→コーチング高いゴールと高いエフィカシー(自己評価)
②心をコントロールするマインド理論
→悩みや不安は自分の脳が生み出している。「自己観察」によって心を落ち着けニュートラルな状態にする
●上記の2つの理論を統合した帰結は「徹底的な自己肯定」