本記事では、ソフトテニスの試合で勝つためにしてはいけないことを解説しています。
実は、ソフトテニスで常識的に行われていることの中に、プレーヤーのパフォーマンスを下げるような行為があります。
常識的に行われていることでも、その内容が正しいとは限りません。
正しい理論を学ぶことで、自分のパフォーマンスを最大化する方法が見えてきます。
ソフトテニスの試合で勝つためにしてはいけないこと
「ソフトテニスが上手くなりたい」
「ソフトテニスの試合で勝ちたい」
皆さんはこのような思いをお持ちではないでしょうか?
思いを実現するためには、マインド(脳と心)の働きを活かすことが重要です。
人の活動は脳によってコントロールされる面が大きいので、その意味ではマインドの働きはあらゆる分野に関わるものです。
前衛、後衛、あるいはシングルスであっても、マインドの働きはパフォーマンスに直結します。
ソフトテニスの試合で実力を発揮するために、気を付けるべきことはなんでしょうか?
試合で勝つためにしてはいけないこと
ソフトテニスの試合で注意するべきことは以下の2つです。
①相手のミスを喜ぶこと
②偶発的なポイントを喜ぶこと
これらを行うと自己イメージ(自己評価)を下げてしまいます。
イメージというと映像を思い描く意味もありますが、ここでは自分にどのような能力があるかという自己評価の意味です。
後に詳しく説明していますが、試合で良いプレーをするためには高いエフィカシーが不可欠です。
人間の体の司令塔は脳ですから、脳内にある自己イメージは現在の自分のパフォーマンスを決定します。
つまり、ソフトテニスのプレーはエフィカシー通りになるのが基本です。
ポイント①相手のミスを喜ばない
相手のミスを喜ぶことの代表的な例はダブルフォルトです。
ダブルフォルトは、ボールを触れることすらなく自分たちのポイントになります。
ソフトテニスプレーヤーの中にはダブルフォルトを喜ぶ場面も見られます。
ルール上は問題ありませんが、お薦めはできません。以下で理由をご説明します。
ダブルフォルトを喜ぶことは「サーブが入っていれば、ポイントを取ることができない」という自己評価に繋がります。
「自分にはできない」という信念を自分自身に植え付けていては、試合で最高のプレーをすることはできません。
その反対に、思い込みでも「できる」と思っていることは本当にできるようになったりします。
スポーツで一人突出した選手が現れると、周囲の選手が同じくらいのレベルにまで引き上げられるということがあります。
これも「誰かにできるということは、自分にも可能だ」という自己イメージの変化によるものと考えられます。
また自分のプレーと関係がない一方的なミスを喜ぶ姿勢は、スポーツの精神に相容れないところがあります。
ソフトテニスがどんなに下手でも、それを理由に退場にはなりません。
しかしどんなに上手い選手でも、マナーが悪くルールに反する場合、その選手は退場=プレー資格なしとみなされます。
試合の勝敗以上にフェアネスの精神を重んじることが、スポーツのルールにあらかじめ組み込まれていると考えられないでしょうか。
ポイント②偶発的なポイントを喜ばない
ソフトテニスの偶発的なポイントとは、主にネットインの場合ですね。
ネットインの多くはスピードのあるボールがネットすれすれを通るような、ナイスボールで起きるものでしょう。
その意味では、自分の高いパフォーンマンスの結果と見ることもできます。
しかしネットインは突然ボールの軌道が変わり、極端に浅いボールになることが多いです。
相手プレーヤーにしてみれば、予測やフットワークの範疇を越えるようなイレギュラーな出来事です。
以上のような点で、ソフトテニスでのネットインはナイスボールというよりも偶発的な出来事だといえるでしょう。
実力では到底勝てないような相手でも、ネットインのボールはポイントになることからも。
このような場面で喜ぶことも、ネガティブな自己イメージを刷り込むことになるでしょう。
「ラリーが続けばこちらがミスしていた…」
「自分は実力では勝てない…」
このような心理を内側で作り上げてしまうと、パフォーマンスそのものが自然にイメージに引き寄せられてしまいます。
もちろん気にしすぎることもありません。自分のベストプレーは受け入れつつも、さっと流して次のプレーに臨みましょう。
以上が試合中の2つのポイントについての解説です。
高い自己イメージ=自己評価を心がけることでプレーのレベルは上がり、またスポーツマン精神を身に付けることにも繋がります。
自分にとっても、周囲の人にとってもメリットがあります。
自己イメージの高め方!
前章までの内容を活かすために、マインド(脳と心)の働きをもう少し詳しく押さえておきましょう。
マインドの働き
人間が発揮できる能力は、本人の自己イメージ(自己評価)に合ったものになります。
脳は自然と自己イメージと現実の自分を一致させようとする働きがあるからです。
高い自己イメージは意欲を喚起し、高い能力の獲得を促します。
自己イメージが高い状態は、自信がある状態と言っても良いでしょう。
「自分にはできる」という自信を持つことで、その自己イメージに相応しい行動や能力が後から身に付きます。
ソフトテニスは自己イメージを上げなければ良いプレーはできません。
脳がイメージに相応しい現実の自分を無意識に維持するからです。
相手のミスを願うようだと、自己評価を下げてしまいます。
また試合の勝ち負けの以前に、他人のミスを喜ぶことはやめたほうがいいでしょう。
スポーツのフェアネスの精神に照らせばもちろんですし、そもそも人の心のあり方として疑問があります。
人間の心は一つの整合性のとれた(つじつまの合った)世界を維持しようと働きます。
現実の自分の実力では勝てない状況でも、自己評価を下げてはいけません。
そうすると現在の自分に違和感が出てきて、自然と高い自己イメージの方へ移行しようと脳が働きます。
常に自己評価を高められるよう心掛けてください。
ソフトテニスのプレーと自己イメージの関係
エフィカシーの働きを考える際に重要なのが、無意識の働きです。
人間は自己イメージ通りになると書きましたが、それは本人が意識していない場合でもそうなります。
テストの点数を例に考えてみましょう。
今「60点を取ること」が自己イメージになっている場合、80点を取ったとき脳は「やばい!」と感じます。
本人としては点数が上がって嬉しいはずですが、脳にとっては現状維持が重要です。
次のテストで40点を取るなどして、イメージに相応しい自分を実現しようと働きます。
このような働きは実感しづらいことではありますが、事実です。
「テストの点数を上げたい」と考えながらもテスト期間になると勉強が手に付かず、結局いつも通りの点数になってしまう。
このような経験は誰もが持っているものです。
テスト期間に勉強をしないということは、その選択の裏には本人の心理的な働きがあるはずです。
つまり点数を上げたいと思っていても、無意識が自己イメージにあった行動を選択しているということです。
ソフトテニスの試合に話を戻しましょう。
「ミスしてくれ」などと思っていると、自然と自分のパフォーマンスがそれに見合ったものに調節されます。
前述の通り、脳の判断基準は良い悪いではなく自己イメージに合っているか否かです。
本人が試合に勝ちたいと考えていても、自己評価が下がっていると無意識が自己評価通りのパフォーマンスへと勝手に調節します。
自己イメージを上げてスポーツのパフォーマンスを高める方法は様々ですが、最後に基本的な方法をご紹介しておきます。
①上手くいったとき→「自分らしい」と思う
②上手くいかなかったとき→「自分らしくない」と思う
良いプレーをするためには、良いイメージを日々作り上げていくことが大切です。
現在のソフトテニスの実力に関係なく、未来に達成できるという自己能力の評価を上げましょう。
そうすることで試合でのパフォーマンスは高まります。
良いプレーができたときには、これは自分に相応しいプレーだという自己対話を行います。
良くないプレーをした時には、自分らしくないという自己対話を行い、自己イメージを修正することでプレーを改善できます。
参考:ソフトテニスが上手くならない…上達を止めている「スコトーマ」とは?
参考:ソフトテニスの試合で勝つために重要な「セルフトーク」とは?
まとめ
●自己イメージ(自己評価)が高まると能力が高まる
●ソフトテニスの試合でいいプレーをするには高い自己イメージが不可欠
●相手のミスを望んだり、喜んだりすると、自己イメージが下がり良いプレーができなくなる
●正しい自己対話を行い常に高い自己イメージを維持する
①上手くいったとき→「自分らしい」と思う
②上手くいかなかったとき→「自分らしくない」と思う