本記事では、ソフトテニスの練習時間と上達の関係を解説しています。
どのくらい練習を行うと、どのような効果が現れるかという関係です。
学習の仕組みを知っているか知っていないかは、ソフトテニス上達の度合いに大きく関わります。
なぜなら一般的に思われている学習効果の現れ方と、実際の学習のプロセスとの間にギャップがあるからです。
このギャップは「練習をしているのに効果がない」という感じを引き起こす場合があります。
正しい知識を身につけ、ソフトテニスの練習効果が「突き抜ける」感覚をぜひ実感してください。
ソフトテニスの上達はある日突然
ソフトテニス上達というと「日々練習を重ねて少しずつ上達していく」というイメージがあるかもしれません。
しかしこのイメージは間違いです。
学習を続けると急激にレベルアップする
実際には人間が何かを学習するとき始めは効果が感じられない期間が続き、ある日突然、爆発的に成長するというプロセスを辿ります。
この急激な成長のタイミングは「ブレイクスルー」と呼ばれたりします。
ブレイクスルーが訪れたとき、ソフトテニスは突き抜けるような感覚で上達します。
ちなみにブレイクスルーは革新的なアイディアや科学技術などの出現についても使われる言葉ですが、本稿では飛躍的な成長の意味で使用します。
「学習曲線」とは?
「学習曲線」と呼ばれるグラフがあります。
学習曲線は学習の「時間」と「効果」の関係を表すグラフで、S字カーブを描きます。
直線的に伸びていくのではなく、あるとき急カーブして成長することが分かります。
ある物事を学ぶときに、始めのうちは学習の効果があまり感じられない「サイレントピリオド」という期間があります。
それが閾値=一定量を超えた瞬間、それまでに学んだことが繋がり一気に成長します。
このような学習の進み方は、勉強やスポーツ、音楽など、あらゆる分野に共通しています。
気を付けておきたいことは時間に比例して上達する訳ではないということです。
始めは上達が感じにくい期間が続きますから、後に一気に学習が進むことを知らなければ途中であきらめてしまいがちです。
ソフトテニスの上達も学習曲線のS字カーブを辿ります。
始めのうちは効果が感じられない期間が続き、あるとき急激に学習効果が現れます。
重要なのは、ブレイクスルーが訪れるまで継続すること。
一般的な上達のイメージと現実のプロセスにはギャップがあるということを覚えておいてください。
ソフトテニスの爆発的上達「ブレイクスルー」を引き起こす練習方法
ある物事で突き抜けるような成長を得るためには、継続が大切だということが分かりました。
しかし継続ができたとしても、効率の低い方法では爆発的成長は起きません。
上達は「効率」と「継続」の両輪
ある技能が上達するためには「効率」の良い方法で、「継続」して学習することが大切です。
「効率」と「継続」は車の両輪のようになって初めてその効果を発揮します。
効率だけが高くても一定期間の継続がなければブレイクスルーは訪れません。
一方でどんなに継続しても方法が間違っている(効率が低い)と、やはりブレイクスルーは訪れないのです。
ソフトテニスが上達するには、効率の良い方法で継続する必要があります。
効率の良いソフトテニスの練習方法とは、脳の仕組みに合った練習のこと。
ソフトテニスと脳はこれまであまり関連付けられてこなかったように思いますが、実際には深い関係にあります。
人間が何かを学習するとき、そのプロセスは常に脳の仕組みに沿ったものになるからです。
ソフトテニスの技能を学習する役割を担っているのは「脳」。
ということは、ソフトテニス上達の仕組み=脳の学習の仕組みだいうことになります。
3ヵ月ルールで脳が変わる!
脳のメカニズムに合った練習方法でも、1日や2日では効果が感じられないと思います。
そこから急激な成長の波が訪れるまで継続してください。
頑張って続けるというより、試してみるような気持ちで気楽に行う方が上手くいくものです。
「3ヵ月ルール」と言われたりしますが、なにかを始めてから3ヵ月続けると脳内ネットワークが組み替えられます。
ブレイクスルーが訪れるまでのタイミングの一つの目安としては3か月学習を継続することでしょう。
期間には個人差がありますが、2週間ほど続けると何らかの変化が自分でも感じられることが多いようです。
内側で起きる感覚の変化を頼りにして、効率の良い方法を続けてみてください。
継続しているうちに一見ばらばらだった学びのパーツが、ある日突然繋がります。
この時の感覚は強烈なインパクトがあります。
効率が良い方法でソフトテニスを練習しても、途中でやめてしまうと効果は感じられません。
上達のプロセスをあらかじめ知っておくことには意味があります。
それは「始めのうちは効果が感じられないのが当然」という気持ちで、継続しやすくなることです。
多くの場合効果が感じられない段階でやめてしまいますが、仕組みを理解している場合は違います。
「始めは効果が感じられないが学習は進んでいる。継続すれば、学びのパーツが繋がって自分は劇的に成長できる!」
このような意識を持っていればブレイクスルーまで継続する気持ちが湧きやすくなります。「継続は力なり」です。
参考:最短距離で上達!ソフトテニスの練習メニューの「公式」とは?
なぜソフトテニスは突然上達するのか?
ソフトテニスがある日突然、一気に上達するのはなぜでしょうか?
ブレイクスルーの一つの説明は、継続によって「脳が全体像を理解する」ということ。
一見バラバラに見えるプレーの一つ一つの中に共通のパターンを脳が学習することです。
ソフトテニスにおける全体像の学習は、いくつかに分けて理解することができます。
「技術」の全体像を学習する!
ソフトテニスの全体像の1つは「技術」です。
ここでは技術のことを、「ボールを思い通りにコントロールできる感覚」の意味で捉えてみます。
ソフトテニスの初心者はボールを打つ以前にボールの落下地点を予測することができません。
しかしソフトテニスが上手い人は、相手選手がボールを打った瞬間にボールの落下地点が直観的に分かります。
初心者にはランダムに見えるボールの動きが、練習を積むことである時パターンとして整理されるのです。
技術面でのブレイクスルーが起きるのはこのときです。
「相手が打つボール」や「自分が打つボール」。
効率の良い練習を続けることで、バラバラに感じられていたボールの動きと体の動きの中に脳がパターンを発見します。
始めはどう打った時に、ボールがどう飛ぶのかが感じられません。
もどかしいような時期を超えて練習を継続することで、ある時ふと意のままにボールがコントロールできる感じが掴めます。
これは足し算ではなく掛け算と言われるような、個々の練習成果を足し合わせた合計を超える飛躍です。
パターンを理解するといっても、ボールの軌道やラケットのスイングのパターンを頭で考える必要はありません。
繰り返し練習しているうちにボールと体の動きの関係を脳が学習し、スイングが最適化されていきます。
「戦術」の全体像を学習する!
試合での「戦術」についても、脳による全体像の学習が関係しています。
戦術は試合展開のことで、「試合の場面に応じたプレーを行うこと」だと言えるでしょう。
技術が優れていても、相手の正面に打つだけではゲームを有利に進めることはできません。
ソフトテニスの戦術で重要なのは「経験」です。
コートの図を描いてプレーヤーの動きを上から見ているように考える、というような方法も有効ではあります。
ですが、常にプレーヤーが動き続けるラリーの中で活きるのは、過去の経験によって培われた直観的な判断能力。
ソフトテニスのトッププレーヤーたちの動きを見てもこのことは実感できるのではないでしょうか?
後衛選手が強烈なシューとボールの応酬から、完璧なタイミングで前衛の逆を突いたパッシングを打つ。
前衛選手がラリーの展開を読み切っていたかのようなボレーやスマッシュを決める。
あらかじめ俯瞰的なイメージを作っておくのはいいのですが、プレー中の戦術は直観です。
直観は素人の当てずっぽうとは違い、経験に基づいてもたらされるものだということを押さえておきましょう。
ソフトテニスのゲームも、始めのうちはどこに打てばいいのか判断が難しく感じられます。
100%の答えはありませんが、常により良い選択を求めてプレーします。
ラリーの判断力が上がるのが、戦術の全体像を脳が学習したとき。
「自分がどこにいて、どういうボールが来た時に、どこに返球するのか?」
このような情報が、ゲームの流れを繰り返し経験することによって脳内に蓄積されていきます。
ボールコントロールの場合と同じように、基本的には意識して覚えておく必要はありません。
何度も経験を繰り返しているうちに、それぞれの場面に共通する試合の流れのパターンを脳が発見してくれます。
プレーヤーが行うことは、脳の仕組みに合った効率の良い練習方法を繰り返すこと。
これも始めのうちは効果が感じられませんが、続けるうちに飛躍的な成長が訪れます。
ブレイクスルーが訪れる瞬間を信じて、効率が良いソフトテニスの練習方法を継続する。
これが、技術面・戦術面ともに共通してプレーヤーが行うことです。
参考:ソフトテニスは「フィードバック」と「自動調節」で上手くなる!
まとめ
●学習は一定期間継続すると、あるとき急激に成長する
●急激に学習が進むことをブレイクスルーと呼ぶ
●ブレイクスルーを体感するには効率が高い方法で継続することが不可欠