ソフトテニスの練習とは「ゲシュタルト」を作ること!

2020年2月18日

今回は、ソフトテニスの練習を脳の仕組みに照らして考えてみたいと思います。

仕組みを知らなくても、効率よく練習をすればソフトテニスは上手くなります。

その意味では実践こそが重要だと言えるでしょう。

しかし、正しく実践を重ねるためには正しい理論が必要です。

今回のキーワード「ゲシュタルト」を知ると、物事の学習のプロセスが見えてくるはずです。

 

ソフトテニスの練習で作りたい「ゲシュタルト」とは?

「ゲシュタルト」という言葉は耳慣れないという方が多いかと思います。

ゲシュタルトは「部分と全体が双方向に繋がる統合された全体像」です。

 

一つ一つの部分の集まりの合計より、全体が大きくなると考えます。

一般に足し算ではなく掛け算と言い表されるようなものです。

 

ゲシュタルトを理解しよう

ソフトテニスが上手くなる時というのは、このゲシュタルトが作られたときです。

一つ一つの練習から、それらを足し合わせた合計を遥かに超えるような全体像が学習された時、一気にレベルが上がります。

 

ゲシュタルトが具体的にどのようなものか、具体例を通して確認すると理解しやすいでしょう。

 

【パズル】

パズルは1つのピースを見ても、何を描いているものか分かりません。

それぞれのピースを組み合わせることによって、全体の絵が浮かび上がります。

パズルは、ピースと全体の絵とが双方向に関係しているゲシュタルトの例です。

 

【小説(言葉)】

小説もゲシュタルトの例の一つです。

小説を最後まで読むと、途中の場面では謎だったものが「そういうことだったのか!」と後から納得できることがあります。

ある文章が他の文章と繋がることで、より大きな全体像を作っています。

 

また言葉の1つ1つの文字には意味がないのに、組み合わせによって無限の内容を記述します。

言葉はゲシュタルトそのものです。

 

【学校の教科】

学校の国語・数学などの教科にも、ゲシュタルトを見ることができます。

学校の教科で考えると、地理を学ぶと歴史の理解が深まったりします。

あるいは英語を学ぶことで、日本語がどのようなものかよく分かる、といったこともあるでしょう。

それぞれの教科は無関係のものではなく、繋がっています。

広く物事を学ぶことで知識が双方向に繋がり、より大きな全体像を理解することができるでしょう。

 

以上がゲシュタルトの身近な例です。

具体例を見ると、その言葉が表すものが実感できたるのではないでしょうか?

 

点と点を結んで線になるように、ゲシュタルトを作ることは、学びのネットワークを形成することです。

そしてゲシュタルトが脳内に作られた瞬間こそが、学習が飛躍的に進む瞬間なのです。

 

ソフトテニスのブレイクスルーはゲシュタルトが作られたとき

ある物事を学んでいるとき、急激な成長が引き起こされるタイミングがあります。

この現象は「ブレイクスルー」と呼ばれたりします。

そしてブレイクスルーの時に起きていることが、「脳がゲシュタルトを発見する」ことなのです。

 

ソフトテニスのブレイクスルー

ソフトテニスも、練習を継続するうちに一気に上達するタイミングがあります。

時間に比例して段々と上手くなるのではないことを、ぜひ覚えておいてください。

実際の学習は、あまり練習の効果が感じられない期間が続いたあと、一気に上達の波が訪れます。

直線的に進むのではなく、S字カーブを描くようなプロセスです。

 

本人には効果が感じられない期間(サイレントピリオド)でも、脳内では学習が進んでいます。

この仕組みを知らない場合に、効果が感じられない期間にやめてしまいがちです。

 

ブレイクスルーを体感するためには、「効率」「継続」の2つの要素が必要です。

効率が低いと上達が難しいですし、効率が良くても継続しなければ効果が感じられません。

 

参考:ソフトテニス上達はある日突然?効率的な練習で「ブレイクスルー」を体感しよう!

 

ソフトテニスのゲシュタルト

ソフトテニスが飛躍的に上達するのはゲシュタルトが作られた瞬間です。

一つ一つの練習がある日相互に結び付き、プレーの全体像を脳が発見します。

 

ソフトテニス上級者が正確なプレーができるのは、反復練習によってソフトテニスのゲシュタルトが学習されているからです。

これはプレーヤー本人が自覚していなくも、頭の働きとして無意識に起きていることです。

このメカニズムを知っておくと、高い再現性でソフトテニスの飛躍的な上達が可能になるでしょう。

 

次章では、ソフトテニスでゲシュタルトを作る具体的な方法を見ていきましょう。

 

こちらでは勉強面のゲシュタルトについても解説しています。

参考:【中学生・高校生】成績が上がるテスト勉強のコツ!

 

ソフトテニスが上達するときの「ゲシュタルト」

脳内でゲシュタルトが作られたとき飛躍的に学習が進むことが分かりました。

ソフトテニス上達におけるゲシュタルトとはどのようなものでしょうか?

 

ソフトテニスのゲシュタルトの正体

それは「ボールの動きと体の動きがネットワーク化された状態」です。

プレーヤーの実感としては「自分の体がどう動いたとき、ボールがどう飛ぶかのパターンが、感覚として分かる」ようになります。

 

個々のショットを異なるものとして打つのではなく、一つの共通のパターンとして感覚されている状態です。

パターン学習ができれば、プレーヤーはボールの落下地点に素早く移動し、ショットを正確にコントロールできます。

 

誰もが始めに経験する、ソフトテニス初心者のプレーを例にとってみましょう。

初心者の頃はボールの落下地点が正確に予測できません。

しかし特に覚えようとする必要もなく、練習を重ねると何となくボールの軌道が分かるようになります。

 

これはソフトテニスのボールの動きを何度も経験することで、脳が「ボールの動きのパターン認識」を行った結果です。

自分で「パターン化しよう」と思う必要ははなく、脳が無意識的に行ってくれます。

 

パターンを発見することは、全体像=ゲシュタルトを体感することに他なりません。

個別のボールの動きからボールの動きの全体像=ゲシュタルトを発見することで、全てのボールに対応できるようになっています。

 

ソフトテニスではパターン認識による感覚が不可欠です。

ソフトテニスでプレーヤーが打つボールはコースやスピンが毎回違っていて、1つとして同じものはありません。

トップ選手たちは、毎回違うボールを正確に打っていることになります。

 

ボールが毎回違う以上、打ち方も毎回変わらなければなりません。

ソフトテニスの上達には決まったフォームが重視されがちですが、同じフォームでは正確にショットが打てないのです。

ボールの動きに合わせて打ち方を調節することでボールコントロールが可能になります。

 

ショットの調整はフォームを意識すのではなく、感覚で行うこと。

感覚での調節を行うベースとなるのが、一つ一つのボールの動きをパターンとして感覚するゲシュタルトです。

 

ボールを打つことを繰り返し経験していると、ボールの飛び方のパターンを脳が学習し始めます。

「自分がラケットをどう振ると、ボールがどう飛んでいるか?」という情報を脳がデータとして集めます。

効率良く練習をしても、始めのうちは頭の中での情報が無秩序なままです。

効果が感じられない期間を越えて継続すると、ある時一つ一つのプレーがお互いに関連のあるパーツとして統合されます。

 

継続によってプレーの情報が統合された、この瞬間こそが「ブレイクスルー」

過去の練習によってプレーのパターンが正確に学習され、感覚で最適なラケットスイングが分かるようになります。

 

効率よく練習を続けた場合、3か月ほどで訪れることが期待できます。

この感覚は非常に強烈なものです。

一瞬前の自分と、プレーの感覚が完全に変わっているのが体感としてはっきりと分かります。

 

ソフトテニスのゲシュタルトを作る練習法

脳がソフトテニスのゲシュタルトを作る方法は簡単です。

それは本サイト内で繰り返しお薦めしている「ボールに集中する」練習方法です。

 

脳がボールの情報をパターン化し全体像=ゲシュタルトを作る。

そのためには、脳がボールの情報を正確にキャッチしなければなりません。

 

脳内にボールの情報を送りこむ方法が、ボールをよく見て集中することなのです。

フォームやコースを考えているとき、意識は目の前のプレーから離れています。

あえて言えば、これはプレー中に妄想をしているような状態。

プレー中に別のことを考えていては、脳がプレーのパターンを学習することを妨げます。

 

プレーヤーが行うことは、ボールをよく見て集中すること。

ボールだけに集中して反復練習を行えば、脳は五感を通してボールの情報を受け取ります。

脳にデータが送り込まれれば、ボールの動きと体の動きが自然とネットワーク化されていく。

その結果、感覚でボールがコントロールできるようになります。

 

意識して「パターンを理解しよう」「スイングを調節しよう」と考えなくて構いません。

パターン学習は、自転車に乗れるようになったように脳が無意識に行ってくれます。

ボールだけに集中し、脳の自動的な学習機能に任せる方が、結果としてソフトテニスの上達は早くなります。

 

今回の内容はボールの動きをパターン化するという意味でのゲシュタルトでした。

これは正確なボールコントロールの感覚です。

 

ソフトテニスのゲシュタルトには別の側面もあります。。

ストローク・ボレー・スマッシュなど、各ショットの繋がりとしてのゲシュタルトです。

 

ソフトテニスではショットを別々のものとして捉えますが、実はお互いに繋がり合っています。

幅広い技術を身に付けることで、それらが統合され高め合う関係にあるということです。

先ほど例に挙げた、地理と歴史を両方学ぶと理解が深まる、というような関係ですね。

 

フォアストロークが上手ければ、フォアボレーも上手くなりやすい。

「バックストロークとバックボレー」「スマッシュとサーブ」などのショットも、それぞれの技術が繋がると、足し算ではなく掛け算で上達します。

 

ソフトテニスの理論を理解して、ぜひ効率の良い練習方法を実践してみてさい。

ゲシュタルトも体感することが大切です。

 

参考:船水選手・上松選手・広岡選手…ソフトテニスが上手い人はなぜ「なんでもできるのか?」

参考:精密なショットのメカニズム!ソフトテニスは「パターン認識」で上手くなる!

 

まとめ

●ゲシュタルトは「統合された全体像」のこと

●学習が進むときは脳内でゲシュタルトが作られたとき

●ソフトテニスのゲシュタルトが作られた瞬間に劇的に上達する!

●ソフトテニスのゲシュタルトは2つの側面がある

①ボールの動きと体の動きのネットワーク

②ストローク、ボレー、サーブなど各ショットがお互いに繋りを持つ技術