人間が何かを学ぶとき、その役割の中核を担うのは脳です。
ということは、脳の仕組みが学習の仕組みに直結していることになります。
これはあらゆる分野に当てはまることで、ソフトテニスも例外ではありません。
つまりソフトテニス上達の仕組みを知るには、脳の仕組みから考える必要があります。
今回のテーマは「脳の気持ちになって考える」です。
ソフトテニスのコツが分かる「脳の気持ち」とは?
ソフトテニス上達のコツは、脳の視点から物事を考えてみると分かりやすくなります。
ある物事が上手くなる働きは脳が司っているからです。
脳は成人でおよそ1400g程度で、体重のおよそ2%の重さだといわれています。
脳の2%という割合は大きいとは言えないでしょう。
一方で、体全体のエネルギー消費量における脳の割合はどうでしょうか?
脳が占めるエネルギー消費量は全体の20%と言われます。
重さが2%程度であることを考えると、大量のエネルギーを消費する器官であることが分かります。
体あっての脳とは言え、脳が大きな役割を担っていることは間違いありません。
人間にとって非常に重要な器官である脳。
今回のテーマは、この「脳の気持ち」になって考えてみることです。
脳は私たちの頭、頭蓋骨の中で生涯を過ごします。
骨に覆われた真っ暗闇の状態で、外界に直接触れることはまずありません。
しかし、私たちが感じている現実を生み出しているのは脳の働きです。
つまり、外界に直接触れることがない脳が私たちの「現実=臨場感を感じている情報の世界」を生み出しています。
ではどうやって脳は私たちの「現実」を作っているのでしょうか?
答えは「体から入ってくる情報を使って現実を作っている」です。
脳は外側の世界に直接触れられないため、体を通して情報を集めています。
ここまでの話をまとめると以下のようになります。
・脳は人間にとって特に重要な器官
・脳は外の世界の情報を体を通してキャッチしている
参考:ソフトテニスの試合で勝つために重要な「セルフトーク」とは?
ソフトテニスの上達を「脳の気持ち」になって考える
ここからは、ソフトテニスの上達を頭の中の暗闇にいる「脳の気持ち」になって考えてみます。
まずはソフトテニスの上達とは具体的にどういうこと整理しておきましょう。
様々な要素がありますが、ここでは「ボールコントロールの向上」をソフトテニスの上達とします。
ボールコントロールとは、ボールのコースや回転、軌道などを意図通りに打つことができる技術です。
簡単に言うと、自分が思ったようにボールが打てる技術のことです。
ここまでの話を繋げると、こうなります。
「脳の気持ちになってソフトテニス上達を考える」とは「頭の中の暗闇にある脳がボールコントロール能力を学習し、技術を向上させる方法を考える」こと。
真っ暗な空間に収まっている脳にボールコントロールを学習させるには、体を通してボールの情報を送り込むことが必要です。
ボールの情報とは、スピードやコースやスピード、回転などのこと。
このような情報を脳が受信していなければ、落下位置を予測して正確にショットを打つことはできません。
ボールコントロールができるのは、ボールに合った体の動きができているときです。
ソフトテニスではボールの落下地点に行き、ボールを正確にインパクトすることでラリーが可能になります。
このように見ると、ラリーの動きの基準となるのはボールです。
そして基準であるボールに体の動きを合わせるためには、ボールの情報を脳がキャッチしなければなりません。
ではどうすれば、ボールの情報を脳が正確にキャッチするのでしょうか?
それはボールをよく見て意識を集中させることです。
「相手が打ったボール」「インパクトの瞬間のボール」「自分が打ったボール」と、常にボールに意識を向けるようにします。
すると、ボールの描く起動が脳内で正確に学習されます。
ある出来事の結果を元に原因を改善する方法を「フィードバック」と言います。
ソフトテニスを脳が学習するためには、このフィードバックを使うことが不可欠です。
ソフトテニスのフィードバックとは、自分が打ったボールという結果から、次のプレーを改善するというプロセスです。
そのためにプレーヤーが行うべきことは「自分が打ったボールをよく見ること」です。
頭の中に収まっている脳にっとっては、五感をボールに集中することが情報を受け取る手段です。
自分が打ったボールに一喜一憂せず、淡々とボールだけに意識を集中しましょう。
脳が自然とフィードバックを受け取ることができます。
打ったボールを見ないということは、自分のショットの結果を受け取らないということ。
これではフィードバックを活かすことができません。
これは勉強に例えると、テストを受けたのにその結果を受け取らないことと同じです。
テストの結果を受け取らなければ、次のテストまでに修正することができませんよね。
脳は体を通じてボールの情報をキャッチするしかありませんから、ボールをよく見ないと修正のしようがないのです。
「自分ではなく脳に情報を送ろう」と思う方が、この仕組みを正確に活かすことができるでしょう。
フォームなどに意識を向けるのをやめ、ボールにしっかりと意識を向けてください。
覚えようとする必要はなく、脳が自然と高速で学習します。
参考:ソフトテニスは「フィードバック」と「自動調節」で上手くなる!
参考:【ソフトテニス×脳科学】サーブ・ボレー・ストローク…コントロール向上の秘策!
まとめ
●脳は頭の中の真っ暗闇で生涯を過ごし、外の世界の情報は体に頼っている
●ソフトテニスの上達=ボールコントロールの向上
●ボールコントロールの向上のためには、脳がボールの情報を正確にキャッチすることが必要
●ボールをよく見て意識を集中すると、脳にボールの情報が送られ、ソフトテニスが上達する