本記事では、体感としてイメージの効果を感じられる方法をご紹介しています。
スポーツが上達するためにイメージの働きは非常に重要で、本サイト上でも繰り返し触れている点です。
本稿では特に、理論的な説明だけでなく実感としてイメージの力を体験できる内容を目指しました。
体感としてしっかりと納得することで、ソフトテニスでイメージトレーニングがより効果的に行えることでしょう。
イメージはソフトテニス上達の鍵
イメージトレーニングはスポーツが上手くなるためによく勧められていますが、どのような効果があるのでしょうか?
ソフトテニスのフォームとイメージ
ソフトテニスが上手い人はフォームが綺麗です。
ですがフォームを学べばソフトテニスが上手くなるというわけではありません。
フォームを意識せず自然な体の動きに任せて打つ方が、結果的にスムーズで綺麗なフォームになるのです。
フォームはソフトテニス上達の原因ではなく結果です。
「フォームを意識しないでどうやって打つのか分からない」という声もありそうですが、そもそも私たちは体の動きを正確に意識できてはいないはずです。
日常生活で歩くときや自転車に乗るとき、バランスの取り方や手足の動きを一つずつ意識しなければ動けないでしょうか?
むしろ逆で、体の動きを言葉にして考える方がスムーズな運動ができないものです(この理屈はいわゆる「イップス」にも関係します)。
ではどうやって効率的な動きを身に付ければいいのでしょうか?
ポイントは「脱力」と「イメージ」の2つのポイントがあります。
体の力を抜くことで体幹部や手足が連動し、しなやかな運動ができるようになります。
脱力も重要なので押さえておきたいところですが、今回はイメージの方に焦点を当てていきます。
頭の中に理想のフォームが焼き付いていると、体の動きが自然とイメージに近づこうとするのです。
イメージは「言葉・映像・情動」の3つから成る
イメージと言うときには、頭に思い描く映像のことを指す場合が多いでしょう。
しかし本稿で言うイメージはもう少し広い範囲、つまり頭の中に思い描いていること全般を意味しています。
「思考」や「想像」などの言葉に近い意味です。
イメージが重要な理由は以下の2つ。
・イメージの世界は無限であること
・イメージは現実(体や行動)に影響があること
想像力は人間がもつ重要な能力の一つです。
人間以外の動物は恐らく、目の前で起きている瞬間のみを生きていることでしょう。
人間だけが物理的な現実を離れた「ここではないどこか」を想像することができます。
この想像=イメージが、私たちの可能性を開く鍵となります。
人間の想像力は物理的な制約の外へと広がる
動物のように今この瞬間だけを生きることは、「過去への後悔」や「未来への不安」が小さいというメリットもあります。
【無敵のメンタル】ソフトテニスの試合で勝つ「メンタル理論」でも、今この瞬間に意識を向けることで心を落ち着ける方法を紹介しています。
一方で現実を離れた世界をイメージできることは、過去の延長線上にない可能性へと意識を向けられるということです。
現代の私たちが生きている世界は、飛行機やコンピュータなど数百年前にはありえなかったもので溢れています。
このような世界の変革を引き起こす原動力が人間のイメージの働きだと言えるでしょう。
人間が「こうなったらいいな」「こういうものが欲しいな」と想像力を働かせることで行動が促され、願望実現の道を歩んできたからこそ社会に変化が引き起こされています。
理想のイメージがパフォーマンスを高めてくれる
スポーツのパフォーマンス向上のためにも、理想の自己イメージを絶えず強化することが重要です。
一流選手のプレーを見たり、自分が理想のプレーをしているところを思い描いたりします。
脳はイメージと現実を明確には区別しておらず、映像でのイメージトレーニングだけでもスポーツ上達の効果があると考えられます。
人間は映画を見て恐怖で心拍数が上がったり、感動して涙を流したりします。
一流選手のプレーを見ることは、脳にとってはそれ自体が身体パフォーマンス向上のための学習なのです。
・イメージは物理的な制約がないにも関わらず現実に影響する
・脳にとっては臨場感の高い空間が「現実」
・スポーツのリアルなイメージは現実のパフォーマンスを変える
参考:ソフトテニスの試合で勝つために重要な「セルフトーク」とは?
イメージの力を体感する方法
人間にとってイメージの働きが非常に大事なことを確認してきました。
本章ではイメージによる現実への影響力を実感するワークをご紹介していきます。
ワーク①イメージのレモンを食べる
皆さんの手のひらの上にレモンが乗っていることをイメージしてください。
見た目だけでなくレモンの感触や甘酸っぱい香りなど、五感を使ってリアルに想像しましょう。
そのレモンをまな板の上に置いて、包丁でざっくりと半分に切ります。果汁が溢れ、レモンの香りが一層強まります。
では皆さんが切ったレモンを齧ってみてください。口いっぱいにレモンの甘酸っぱい果汁が広がります。
このイメージが上手くいくと、本当にレモンの味や香りが伝わるような感じがします。
実際には食べていないにもかかわらず、口の中にはだ液が出てきます。
イメージの世界の影響が現実の体に伝わっている証拠です。
ワーク②イメージ前屈をする
立位体前屈をします。立った状態で体を床に向けて折り曲げます。
イメージで体はすぐに柔らかくなります。
前屈法②イメージ(映像)を使う方法
前屈を2回行います。1回目は普通に体を曲げて、どこまで曲がったのかを覚えておいてください。
2回目の前屈では以下のイメージを思い描いてから行います。
自分の体がゴムになっていると想像してください。
筋肉も骨も全身がゴムでできていて、グニャグニャと簡単に曲がります。
ゴムでできた柔らかい体は熱を帯び、溶けそうなほどに、さらに柔らかくなっています。
グニャグニャに柔らかくなった体のイメージでもう一度前屈をしてください。
前屈法①「グニャグニャ」と言いながら前屈する
こちらは体を前に倒す時に言葉を使う方法です。
先ほどの①と同様に2回前屈を行います。
1回目:普通に体を曲げます。
2回目:「グニャグニャ」と言いながら前屈します。
声に出してもいいですし、頭の中で唱えるのでも構いません。
以上がイメージ前屈の方法です。
個人差はありますが、いずれのイメージを使ったときにはより深く曲がったのではないでしょうか?
ワークによって映像と言葉という違いはあるものの、自分が思い描いたことが自分の体に影響することが簡単に実感できます。
ぜひ実践して体感してみてください。
理想のフォームを手に入れるイメージトレーニング
脳機能で理想のプレーを実現!ソフトテニス上達の2つ目のポイントでも書いた通り、イメージトレーニングには主に2つの種類があります。
・ソフトテニス上級者のプレーを見る(映像でもOK)
・自分が理想のプレーをしているところをリアルにイメージする
2つはどちらも効果がありますが、まず行うべきなのは一つ目の「上級者の動きを見る」ことです。
理想のフォームを身につけるとは、形ではなく効率の良い動きを身につけることだということです。
そしてそのような効率的な運動を身につけるためには、理想のイメージを脳内に描くことが重要です。
また冒頭でも触れた通り、脱力もスムーズな運動に大切であることにも触れておきます。
自分で理想のプレーをリアルにイメージするには、まずトッププレーヤーの動きを見ることから始める方が確実です。
映像でも構いませんので、まずは自分が「こんな風なプレーがしたい!」と思う選手の動きを繰り返し見てください。
映画で恐怖や感動を感じるように、映像で見たものは自分の体の動きに影響します。
実際に打つ時にはフォームを真似しようとする必要はありません。
イメージがしっかりと作られていれば、体はそのイメージの方へと自然と向かいます。
・イメージが体に影響することは簡単に実感できる
・体感が伴うことで納得ができ実践の励みになる
参考:ソフトテニス史上最強!?超一流前衛&後衛の動画でイメージトレーニング!
参考:時間を味方につける!ソフトテニスが上達する「超時間術」!
まとめ
●イメージは現実の体や行動に影響を与える
●イメージの力を実感する方法
ワーク①イメージしたレモンを食べる
ワーク②イメージして前屈する
1.体がゴムになったイメージをして前屈
2.「グニャグニャ」と言いながら前屈
●理想のフォームを手に入れるイメージトレーニング
①ソフトテニス上級者の動きを見る
②自分が理想のプレーをしているところをリアルにイメージする