本記事では、ソフトテニス上達法の柱となる3つのポイントを上げています。
別の記事で個別にご紹介してきたポイントを、本稿では一挙にまとめて解説しています。
ソフトテニス上達のエッセンスを凝縮した総集編とも言える内容ですので、目を通して実践してみてください。
ソフトテニスが上達するには正しいルートを通ることが重要です。
どれだけ進んでも方向が違っていては目的地には辿り着けません。
ソフトテニス上達の正しいルートは脳の仕組みにあった練習法です。
スポーツも上達は脳の仕組みに沿って進むものだからです。
ソフトテニス上達は「集中」「イメージ」「リラックス」
ソフトテニス上達の3つのポイントをご紹介します。
■ソフトテニス上達の3つのポイント
①ボールに集中する
②イメージトレーニングをする
③リラックスする
ソフトテニスのプレー中に行うのは①ボールに集中することだけです。
ボールという一点に集中することで、脳の学習スピードが上がります。
②リラックス③イメージトレーニングは、プレーの合間など、実際にボールを打っていない時間に行います。
集中・イメージ・リラックス。
これら3つのポイントのうち、どれか1つを実践するだけでも効果があります。
3つを組み合わせて行うと、ソフトテニスの上達効スピードは相乗効果で加速するでしょう。
それでは以下で、各ポイントを詳しく見ていきましょう。
ポイント①ボールに集中する
ボールに集中することはソフトテニス上達の中心です。
人間は対象に集中することで学習効率を高め、潜在的な能力を発揮します。
集中状態に入るとプレー以外の雑念がキャンセルされ、今この瞬間のプレーに没入できるのです。
またソフトテニスが上手くなるためには、ボールに合わせた動きをすることが必要です。
ボールに合わせた動きをするためには脳がボールの情報を正確にキャッチすること。
ボールの情報とは、ボールのコース、スピード、スピン、などのことです。
ボールの動きや性質が直観的に分かることが、正確なショットに繋がります。
人間の能力と深く関係している「集中」。
ソフトテニスの動きの中心となる「ボール」。
これら2つの要素を同時に満たすのが「ボールに集中する」ことです。
ボールに集中することで脳は自動的に学習を始め、体はスムーズに動き、狙ったコースへとボールがコントロールされます。
ポイント②イメージトレーニングをする
スポーツの上達にはイメージトレーニングが極めて重要です。
イメージトレーニングの方法は2つ。
■イメージトレーニング
①ソフトテニス上級者のプレーを見る(映像でもOK)
②自分の理想のプレーをイメージする
スポーツは見るだけでも上達します。
脳にはミラーニューロンと呼ばれる脳神経の働きがあります。
ミラーニューロンは、他人の動作を見るだけでその動作を自分が行っているかのように活性化します。
脳は「現実」と「イメージ」を区別しません。
・小説を読んで涙を流す、ホラー映画に恐怖する
・レモンを食べているところを想像すると現実にだ液が出る
これらの例ではフィクションであっても脳と体が現実として反応しています。
脳は最も臨場感が強い世界を「現実」として認識します。
ソフトテニスが上手な人プレーを繰り返し見る。
そして、自分の理想的なプレーを繰り返しイメージして臨場感を高める。
そうすればイメージの中の動きを現実にしているのと同じ練習効果が期待できます。
参考:前衛・後衛ともにソフトテニス上達に欠かせない脳の中の「鏡」とは?
ポイント③リラックスする
リラックスすることで学習効果を高め、能力を発揮することができます。
分かりやすい例としては、スポーツのホームとアウェイがあります。
プロアスリートであっても、自分が慣れ親しんだ空間から外れるとパフォーマンスが一気に下がります。
また体の力を出すには、まず力を抜く必要があります。
こぶしをギュッと握っている状態では、さらに握ることはできません。
ラケットスイングも、あらかじめ力が入っているとそれ以上に力が入らない。
まず体の力を抜いてリラックスすることが大切です。
深くリラックスするには「逆複式呼吸(ぎゃくふくしきこきゅう)」が有効です。
逆複式呼吸のやり方はゆっくり息を吐きながら体を緩める、これだけです。
なぜリラックスするのに呼吸なのでしょうか?
呼吸は精神や生命の状態に深く関わっていながら、意識的にコントロールがしやすいからです。
人間は息を吐くのに合わせて力が入ることに慣れています。
テニス選手がボールを打つときには声を出しますし、ボクサーなども息を吐きながらパンチを打ちます。
深いリラックス状態に入るためには、息を吐くときに意識して力を抜くようにします。
頭のてっぺんから、顔→首→肩→…→つま先と、ゆっくりと息を吐きながら全身の力を抜いていきます。
ボールを打つ時にはボールだけに集中してください。
プレー中は一点に集中することで雑念を減らし、直観による判断に身を任せます。
脱力はボールを打つ前の準備として行いましょう。
厳密には全身が完全に弛緩すると立っていられないため、必要なところ以外が脱力する状態です。
先に必要のない力が抜けていることで、そこから力を出すことができます。
リラックスすることに慣れると、全身が自然に連動したシャープなスイングができます。
試合本番でも落ち着いて自分の力が発揮しやすくなるでしょう。
・ソフトテニス上達の3つのポイントは集中・イメージ・リラックス
・プレー中に行うことはボールに集中すること
・イメージトレーニングをすると現実のプレーのレベルが上がる
・リラックスすることで体の力を引き出せる
参考:ソフトテニスは「考えない」方が上手くなる!?センスが覚醒する練習法!
ソフトテニス上達のポイントを継続し「ブレイクスルー」を体感する!
ソフトテニス上達の3つのポイント集中、イメージ、リラックス。
これらのポイントを実践するとソフトテニスは劇的に上達します。
ただし、ソフトテニスが上手くなるためには一定期間の継続が必要です。
いくら効率の良い方法でも、すぐにやめてしまうと効果は感じられません。
学習曲線と呼ばれるものがあります。
学習曲線は、学習の効果がカーブを描くように現れることを意味しています。
人間が何かを学ぶ際には、継続しているうちにある日突然、劇的に成長するという経過を辿ります。
時間に比例して一歩ずつ進むのではなく、閾値を超えたタイミングで急激な変化が訪れる。
この劇的な成長のことをブレイクスルーと呼んだりします。
ブレイクスルーが起きる時のイメージは、点と点が繋がって線になるような感覚です。
一つ一つの点には意味が見い出せないのに、それらが線で結ばれた瞬間、一つの大きな絵が浮かび上がります。
点を足し合わせた合計を遥かに超える、統合された全体像が脳内で弾き出された瞬間です。
ソフトテニスのブレイクスルーの瞬間。
この時プレーヤーには、スイングとボールの動きがパターンとして感覚されるようになります。
体感としては、どう打てばいいのか直観的に何となく分かる状態です。
上手く打てない時期は一つ一つのショットがランダムに感じられるものです(ボールの落下位置が掴めない初心者の頃を思い出してみてください)。
ボールに集中することによって脳がプレーのデータを集め、自動的にプレーのパターン=全体像を発見します。
ブレイクスルーが訪れるまでの期間は効果を感じにくいですが、脳内では学習が進んでいます。
効果が実感できないからと途中でやめてしまうと、その後に待っている成長の波も訪れません。
あらかじめ学習曲線やブレイクスルーなどの知識を持っておくことには意味があります。
継続的な学習の先に成長が訪れると知っていれば、ブレイクスルーに至るまで続けられるからです。
参考:ソフトテニスの上達はある日突然?効率的な練習で「ブレイクスルー」を体感しよう!
終わりに
今回はソフトテニス上達の最も重要なポイントをまとめてご紹介しました。
本サイト内の解説は一つずつ完結していますが、相互に繋がっているものでもあります。
パズルのピースが組み合わせによって大きな絵を描き出すように、統合された全体像は各パーツの合計よりも大きくなります。
繋がりのある情報に触れることで、より理解が深くなるでしょう。
しかし今回は理論の全体像を理解しなくても、実践さえして頂ければ上達できるポイントをピックアップしました。
他の記事では理論的な背景に重きを置いているものもあります。
適切な理論は実践の質を上げますが、ソフトテニス上達に本当に大切なのは実践と体感です。
その意味では実践のポイントに特化した本稿の内容が最重要だと言えます。
3つのポイントを実践して、今までとは違う世界を体感してみてください。
参考:【ソフトテニス×脳科学】高確率で入るサーブの種類&コツ!
参考:【ソフトテニス×脳科学】サーブ・ボレー・ストローク…コントロール向上の秘策!
まとめ
●ソフトテニス上達の3つのポイント
①ボールに集中する
②イメージトレーニングをする
③リラックスする
●ボールに集中することで雑念がキャンセルされ、脳が最速でプレーを学習する
●理想的なプレーのリアルなイメージは現実のプレーのレベルを上げる
●リラックスすることで身体能力が解放される
●人間の学習は学習曲線と呼ばれるカーブを描く
●効率的な方法で学習を継続すると爆発的な成長=ブレイクスルーが訪れる