なぜボールに集中するとソフトテニスは上達するのか?

今回は、ソフトテニス上達の最重要ポイントをこれまでと別の角度から解説します。
タイトルにもあるようにソフトテニスはボールに集中すると上達します。
上手くなるためには実践が重要。
その意味では今回の内容を理解している必要はありません。
しかし理論を学ぶことで、実践も自信を持って行うことができます。
ボールへの集中について理論的な背景を理解し、実践に役立てください。
Contents
ソフトテニスが上達するとはどういうことか?
ソフトテニス上達のコツは「ボールに集中すること」です。これを実践するだけでソフトテニスは上手くなります。
本章では「ソフトテニスが上達するとはどういうことか?」を整理しておきます。
・ソフトテニス上達のコツは「ボールに集中すること」
・ソフトテニスが上手くなるとは、ボールコントロールの感覚が身に付くこと
・反復練習によってボールに合った動きを脳がパターン学習する
それでは詳しく理解していきましょう。
ソフトテニスが上手くなること
まずソフトテニスが上達するとはどういうことか整理してみます。
目標を正しく理解しておくことで、そこに至るためのプロセスもクリアになります。
ソフトテニスが上手くなることには「技術」や「戦術」などのいくつかの要素があります。
その中で、今回注目したいのは「技術」=「ボールコントロール」です。
試合展開なども大切ですが、狙ったところにボールが打てる技術が最初のステップだと思うからです。
ボールコントロールは簡単に言うと「思い通りにボールが打てる」こと。
そして、ボールコントロールの本質にあるのは感覚です。
「フォームを覚えて技術を身につける」という考え方がありますが、この方法で上手くなるのは難しいでしょう。
フォームは効率の良い体の動きを外から見た時の形であって、スイングの機能面に目を向けられていないからです。
フォームは上級者のスイングについての説明ではあっても、その動きを可能にしている内側の働きはまた別物です。
なので、ボールコントロールの本質は感覚。
思い通りに打つためには、ボールの動きと体の動きの関係を脳が正確に学習している必要があります。
これはボールの軌道をパターンとして直観的に理解し、最適な体の動きができる状態です。
スムーズなスイングも大事ではありますが、それがボールに合っていないと狙い通りのショットは打てません。
ボールに集中するだけで自然に感覚が磨かれる
「ボールに合った動き」と「ボールに合ったタイミング」。
ソフトテニスのショットはこれら2つの意味でボールに合った動きが求められます。
「ボールに合わせよう」と考えるのではなく、反復練習によって磨かれる感覚で行うことです。
感覚と言うと曖昧なようですが、自転車の乗り方なども何となく分かるものです。
ソフトテニスも体を動かすスポーツですから、体の感覚に任せる方が上手くいきます。
その感覚を身につけるために重要なことが、ボールに集中することなのです。
フォームを意識することは一度脇に置いてプレーしてみてください。
また自転車の例で考えてみます。
・自転車に乗る時の体のバランスを、フォームで説明できるでしょうか?
・自転車でカーブを曲がる時の角度を、フォームで説明できるでしょうか?
体で覚えていることは、言葉で説明することが本来難しいものです。
もし説明ができたとしても、頭で考えながら動こうとするとスムーズな動作ができません。
ハイレベルなソフトテニスのプレーの裏には優れた感覚があります。
そのプレーを外側から見たときの、体の動きの説明がフォームです。
トッププレーヤーのフォーム=外側の形だけを真似すると、かえってスムーズなスイングが妨げられます。
上手くなるために本当に大切なことは、トッププレーヤーが身につけているような感覚を正しい方法で磨くことです。
参考:試合で別格の強さを誇る「ソフトテニス・ネイティブ」になる練習法!
なぜボールに集中すると上達するのか?
ソフトテニスが上手くなることはボールコントロールの感覚を身に付けることでした。
ではその感覚を磨くためにはどうすればいいのでしょうか?
・正確なショットを打つためにはボールに合ったスイングを行う
・ボールに集中すると脳がスイングの結果からフィードバックを受け取る
・ボールへの集中状態を習慣化すれば、スイングはボールに合わせて自動的に最適化される
ソフトテニスの技術=感覚を磨く最も効率が良い方法が「ボールに集中」することです。
なぜボールに集中することで、ソフトテニスが上手くなるのでしょうか?
ここからは、脳の仕組みから上達のメカニズムを考えてみたいと思います。
ボールに集中することで得られる効果とは?
ボールに集中することで得られる効果の一つが「フィードバック」を使えること。
この働きによって脳が自動的に体の動きを修正してくれます。
フィードバックとは「ある出来事の結果から、原因となるものを修正して改善すること」です。
普通は「原因があって結果がある」という順番ですね。
フィードバックは「結果を元にして原因の側にアプローチする」流れです。
例えば学校のテストの点数という結果は、自分の勉強という原因によって生じるものです。
しかし返却されたテストの結果によって、原因である勉強の側を分析して改善することができます。
テストからフィードバックを受け取ることで、次に行う勉強を修正することができます。
ソフトテニスもボールに集中することで脳のフィードバック機能が活かせます。
フィードバックは戦術まで含めた全てのプレーに働きますが、分かりやすいのは自分のスイングを自動調節する働きです。
スイングの自動調節機能は「自分が打ったボールをよく見る」ことでスイッチがオンになります。
「打ったボールをよく見る」というアドバイスは聞きなれないかもしれません。
しかしボールコントロールの感覚を磨く上では大切なことです。
打ったボールを見ている時、脳内では何が起きているのでしょうか?
「自分のスイングの結果、どのようなボールが飛んで行ったか」というプレーのデータが脳内に書き込まれていきます。
プレーの情報が送り込まれると脳は自動的に学習し、パターン化していきます。
自分が打ったボールには、自分のスイングという原因があります。
打ったボールを見ることを習慣化すると、ボールの軌道を基にスイングが自動的に修正されます。
ソフトテニスの感覚が身に付くとき
脳が学習を進めると、本人には「感覚」としてソフトテニスの上達が実感できます。
これはちょうど、自転車に繰り返し乗るだけで自然にバランスが取れることと同じです。
ボールの情報を自分で意識して覚えようとする必要はありません。
もともと脳には自発的に学習する働きが備わっています。
自転車だけでなく、歩くこと、足し算や引き算などの計算。
繰り返し練習することで自然に身に付くものは多くあります。
「飛んでくるボール」「インパクトの瞬間」「自分が打ったボール」。
しっかりと集中状態をキープするようにしてください。
打ったボールをよく見ることで脳内ではボールと体の動きがパターン化されていきます。
脳がボールと体の動きのパターンを発見する。
これがソフトテニスのボールコントロールが格段に向上する瞬間です。
全てのショットに共通するパターンが感覚として身に付き、ボールに合わせた最適なスイングが実現されます。
参考:脳が最速で学習する!ソフトテニス上達の1つ目のポイント
参考:前衛・後衛に共通する「ソフトテニスが上手くなる」ことの本質とは?
まとめ
●ソフトテニス上達のコツは「ボールに集中すること」
●ソフトテニスが上手くなる=ボールコントロールの感覚が身に付くこと
●脳は反復練習によって自動的に学習する
●ボールに集中することでフィードバックが得られ、スイングが自然に調節される
●「飛んで来るボール」「インパクトの瞬間」「自分が打ったボール」と集中状態をキープする