本記事では、ソフトテニス上達のために重要な脳の仕組みを解説しています。
人間の脳には鏡のように他者の動きを写す神経の働きがあると考えられています。
この脳の仕組みをスポーツのパフォーマンス向上に活かすことができます。
ミラーニューロンを活用すればソフトテニスが上手くなる
脳のメカニズムをソフトテニスに活かす方法を考えていきましょう。
ソフトテニスに限らず、スポーツなどが上手くなるためには上級者の動きを見ることが大切です。
実はこれは体を動かす場合だけではなく、勉強でも同じです。
優秀な人間と時間を共有することで、その人の知識や思考を写し取るように自分のレベルが上がります。
スポーツは上級者の動きを見るだけでも上達します。
動きを見る時に押さえておきたいのが「ミラーニューロン」と呼ばれるものです。ミラー=鏡、ニューロン=脳神経細胞の意味です。
ミラーニューロンとはその名の通り「他の人がしている動作を、まるで自分自身がその動作をしているように感じとって活性化する脳神経」のことです。
つまり、他人の動きを鏡のように写し取って学習する機能を持っているのです。
ミラーニューロンによる学習で優れている点は以下の2つです。
■ミラーニューロンの利点
①自動的に学習する
②学ぶ相手のレベルを問わない
これら2つの点について詳しく見ていきましょう。
ポイント①自動的に学習する
ミラーニューロンによる学習は無意識の自動的な働きで、楽に行うことができます。
「学ぼう」と意識して行う必要はなく、脳内で学習が自動的に行われます。
現に気が付かないところでミラーニューロンは人間の学習に大きく貢献しています。
人間が身につけることは、自分で意識して身につけた知識や習慣だけではありません。
例えば以下の例のように周囲の人の動きや言葉を観察し自分の中に自然と写し取っていることがよくあります。
■ミラーリングの例
・二足で立ち上がること、歩くこと
・言葉を理解して話すこと
・常識などの社会性を身に付けること
自ら意識して学んだ部分もあるとは思いますが、基本的には他者の振る舞いを真似て自然と身に付くものです。
見て学ぶということが実際に私たちの生活を大きく支えています。
本人が「ミラーニューロンの働きを使って周囲の人間から学習しよう」と意識しているか否かは関係がありません。
ポイント②学ぶ相手のレベルを問わない
ミラーニューロンの働きで優れている点の2つ目は、ミラーリングする対象のレベルを問わないことです。
ミラーニューロンは「見ている人」「一緒にいる人」に同調し、自然と学び取る性質があります。
ミラーリングの対象が高度な知識・技能を持つ人物であれば、そのレベルに合わせた学習が行われます。
優れた人物から見て学ぶだけでその分自分も成長していくことができるのです。
スポーツであれば上手い人の動きを見るとその分自分も上手くなります。
イメージの世界には限界がありません。
自分が最高のイメージを作るために、誰からでも自由に学ぶことができます。
これ程に強力な働きであるなら、意識的に活用するほうがいいでしょう。
次章ではソフトテニスでミラーニューロンによる学習効果を最大化する方法を考えていきましょう。
・イメージトレーニングはソフトテニス上達のために極めて大切
・脳にはミラーニューロンと呼ばれる機能がある
・ミラーニューロンは、他人の動作を見るだけで自分がそれを行っているように活性化する
参考:時間を味方につける!ソフトテニスが上達する「超時間術」!
ソフトテニスにミラーニューロンを最大限活かすには?
人の動きを見るだけで自分がその動作を行っているように脳は活性化するミラーニューロン。
この働きによってスポーツが見るだけでも上達していきます。
ソフトテニスにミラーニューロンを最大限に生かすためにはどうすればいいでしょうか?
■ミラーニューロン活用のポイント
・イメージの世界には物理的な制約がなく、自由に思い描くことができる
・臨場感のあるイメージは現実に影響を与える
現実に体を動かして練習することも大切ですが、イメージの重要性はそれ以上と言っても過言ではありません。
イメージトレーニングによる練習の効果が現実の練習以上に高かったという報告もあります。
想像の上ではどんなプレーでも可能で、臨場感のあるイメージに人は同調します。
見ているイメージを脳は自動的にミラーリングするため、プレーを意識的に真似しようとする必要すらありません。
現実に体を動かしていないのにソフトテニスが上手くなると言うと、違和感があるかもしれません。
脳は現実とイメージを区別しておらず、人間にとっては臨場感を感じている世界が「現実」です。
イメージが現実に影響を与える身近な例を挙げてみます。
・ホラー映画を見て恐怖で心拍数が上がる
・小説に感動して涙を流す
・レモンを食べるところを想像すると唾液が出る
いずれの場合も物理空間では何も起きていませんが、リアリティのある映像やイメージは現実の体に影響を与えます。
このイメージの力をソフトテニス上達に使いましょう。
イメージトレーニングの方法は主に2つです。
■イメージトレーニング
①ソフトテニス上級者の動きを見る
②自分の理想的なプレーをリアルにイメージする
イメージトレーニングの方法の1つはソフトテニス上級者の動きを見ることです。
ソフトテニスが上手い人のプレーを見るだけで、自分がそれを行っているかのように脳は活性化します。
トッププレーヤーたちの動きが自分の脳内空間で仮想体験されている状態です。
現実に今行っていないプレーでも、見ることによってコピーすることができます。
トッププレーヤーの動きでイメージが鮮明になったら、今度は自分のプレーのイメージトレーニングも行いましょう。
先にソフトテニス上級者の動きを見ておくことでハイレベルなプレーのイメージが一層リアルになります。
見ている「視覚情報」も、頭の中で思い描く「イメージ」も、脳内で映し出された映像には違いありません。
イメージ上の身体運用に対してミラーニューロンを活性化してシミュレーションを行います。
スポーツが上手い人の動きを繰り返し見ると、その動きが脳内で体感されてイメージが作られます。
そして現実の自分の体の動きは、自然と思い描いたイメージへと近づきます。
人間は未来の目的地を設定することでそのルートが見えるようになり、到達のための行動を引き起こします。
まず上級者の動きを見て、自分の理想のプレーのイメージを鮮明に思い描きましょう。
そうするとミラーニューロンが働きソフトテニスの上達が加速します。
・ソフトテニスが上手い人のプレーを見ると、自動的にミラーリングが行われる
・ソフトテニス上級者の動きを見るだけで、脳内ではそのプレーが仮想体験されている
・イメージの世界は物理的な制約がないが、現実に影響を与える
参考:ソフトテニス動画まとめ!イメージトレーニング【男子後衛編】
参考:ソフトテニス動画まとめ!イメージトレーニング【女子後衛編】
まとめ
●ミラーニューロン=他人行っている動作を見て、それを自分が体験しているように活性化する脳神経の働き
●ソフトテニス上級者のプレーを見ると、自分がそのプレーをしているように脳は学習してれる
●脳は現実とイメージを区別しない
●イメージの世界には物理的な制約がないが、臨場感があると現実に影響を与える
●ソフトテニスの理想のプレーを鮮明に思い描くことで、現実のプレーがイメージへと近づく