本記事ではソフトテニスの一般的な練習方法見直すことで、上達に本当に必要なものを考えていきます。
一般的なソフトテニス理論で誰もが上達できるのなら良いのですが、実際には多くの方が伸び悩んでいるのではないでしょうか。
既存の価値観を疑うことは新たな一歩に繋がる可能性があります。
現状の外側へと目を向けることができるからです。
これまでのソフトテニス理論としっかりと向き合い、これから本当にソフトテニスが上手くなるにはどうすればいいのか考えてみましょう。
従来のソフトテニスの練習方法は間違い?
一般的に共有されているソフトテニスの練習方法を、一度見つめ直してみましょう。
「もっと腰を落として」
「ボレーは振らない」
このようなアドバイスを受けたことがある方は多いのではないでしょうか?
あるいは、現在ご自分がプレー中に意識していることかもしれません。
ソフトテニスの一般的な練習方法ということは…?
上記のようなアドバイスは目新しいものではなく、長くソフトテニス界で言われてきたことだと思います。
昔から言われてきたソフトテニスのアドバイス。
ということは、そのアドバイスは間違いである可能性が高いでしょう。
「皆が言っているということは正しいということでは?」と思うかもしれません。しかし考えてみてください。
これまでのソフトテニスの練習は、望むような効果が得られなかった人が多いはずです。
正確な人数を調べた結果は分かりませんが、多くの方が経験的に納得できることだと思います。
またソフトテニスに関する相談などを見てもその傾向が見て取れます。
全ての部活・クラブで同じ練習方法が取られている訳ではありませんが、上達のための理論は共通していることが多いです。
以上のことをまとめれば「従来のソフトテニスの練習法」=「一握りの人しか上手くならない練習法」だということです。
上手くなりたいと思って実践した人の多数が、思うような効果を実感できなかった方法論。
これが、ソフトテニスの練習法について、事実に即した評価ではないでしょうか。
ソフトテニスの練習法を客観的に分析しよう
科学や医学の分野であればどうでしょうか?
「何人かのうちの一人には効果がありました。たいていの場合は思うような効果を実感できません。結局は本人次第ですね。」
このような方法は「効果ナシ」と判断されるのも当然と言えるでしょう。
多くの人が思うような上達を実感してこなかったソフトテニスの世界で、これまでずっと皆が常識として実践してきた方法。
それは「間違っていることが長年かけて証明されてきた方法だ」と判断されても仕方がありません。
もちろん、従来の練習法で上手くなった人も一部にはいます。
ですが全体の人数に比べると低い割合にとどまります。
トッププレーヤーたちは、過去のソフトテニス理論で強調されてきたこととは別の原因によって上手くなったと考えられます。
先ほどの「もっと腰を落として」「ボレーは振らない」などのアドバイス通りではなく、ソフトテニスの正しい上達のルートを独自に通った人たちです。
上級者に上達をもたらした本当の要因が、ソフトテニスが本当に上達するために大切なことです。
参考:ソフトテニスが上達しないで下手になる方法!?前衛・後衛それぞれの注意点!
ソフトテニスの正しい練習方法の見分け方
ソフトテニスが上手い人が過去に行った練習だからと言って、それで誰もが上達するとは限りません。
ソフトテニスが上手い人がしている練習というのは、単なる相関関係です。
その練習メニューが原因で上手くなったのか、それとも別の要因が働いているのかは、明らかではありません。
何が原因となってソフトテニス上達という結果を生み出したのか、因果関係を見るようにします。
実際に上手くなった人の説明には説得力を感じますが、ここには注意が必要です。
皆さんは自転車に乗れるし、日本語も話せることでしょう。
では他の人が自転車や日本語が上達できるように説明ができますか?
難しいと思います。
自分ができることと、その学習のメカニズムを説明できることは別のことだからです。
本当に上手くなるソフトテニス上達法は、本人の体験談ではなく、客観的な根拠が求められることになります。
それは以下の条件を満たしていることが望ましいでしょう。
■ソフトテニス理論のポイント
①誰にでも効果がある=再現性
②筋道だっていて矛盾がない=論理的整合性
一つずつ見ていきましょう。
条件①誰にでも効果がある=再現性
ソフトテニスの正しい練習方法は、誰が行っても効果があるものでなければなりません。
個人差はもちろんありますが、人の心や体の仕組みのベースには共通しているところがあります。
人が学習する仕組みに合ったソフトテニスの練習方法であれば、誰もが上手くなれるはずです。
ある練習方法でソフトテニスが上手くなる人が出てきたとしても、それがごく小さな割合であれば、その練習の効果には疑問があります。
これまで広く実践されてきたソフトテニスの理論には、再現性があるとは言い難いのは、前章に書いた通りです。
過去の方法も、誰もが上手くなるために行ってきたことで、その時点で取りうる最善の方法だったのだろうと思います。
ですが現在は、誰にでも手に入れられる本やインターネット上の情報から、再現性の高い方法が学べます。
100%全員が上手くなるのは難しいことですが、十分に可能です。
そもそも練習をしない人が上達しないのは当然ですが、練習を行った場合に大きく差が出る場合は、方法に原因があるでしょう。
ソフトテニスが上手くなるか否かがあらかじめ決まっているはずはありません。
皆が上手くなれる方法を理想として、そこから逆算して現在の状況を見直すと、発見があると思います。
条件②筋道だっていて矛盾がない=論理的整合性
ソフトテニスの上達法は、根拠があるものが望ましいでしょう。
人が正しいと思っている常識の中には、考えてみると正当性が疑わしいものがおおくあります。
ソフトテニスの方法論も昔から言われている常識的なことだから、と鵜呑みにはしない方が良いでしょう。
結論だけでなく、データ(事実)と、筋道だった説明があるものが望ましいです。
具体例で練習方法を分析してみると?
具体的な例で検証してみましょう。
先ほどから挙げている「腰を落として打つ」「ボレーは振らない」という2つのアドバイスです。
再現性で言えば、実践した人が全員(または高い割合で)上手くなっていること。
論理的整合性は、人間の脳や体の仕組み、あるいは物理法則などに照らして、理論的に正しい方法であること。
厳密に判断していると実践ができなくなますから、一つの目安程度に捉えるといいでしょう。
【例】「腰を落として打つ」について考えてみよう
「腰を落として打つ」ですが、ソフトテニスは腰を落とさなくてもストロークやボレーが打てます。
腰高で強烈なショットを打つ選手は、国内外問わず多くいます。
もちろん、腰を落としては打てないということではありませんが、状況によって使い分けられているのが実状です。
また、ショットを決定するのは、ラケットとボールが接触するインパクトです。
重心を下げてスイングを行う、という意図だと思いますが、ラケットのヘッドスピードが出ていればボールは飛びます。
膝を曲げて重心を下げることと、ボールを前に打ち出すことには、因果関係が認められないでしょう。
確かに、重いものを引いたり押したりするときには、重心を下げなければ、姿勢が保てません。
ソフトテニスではそのような動きは必要ないですし、仮に必要であれば自然と腰を落として重心を下げてしまうものです。
【例】「ボレーは振らない」を考えてみよう
次に「ボレーはラケットを振らない」という点について。
全日本トップクラスの選手でも、ボレーでラケットを振ることはあります。
そもそも、ハイボレーは誰でもラケットを振って打つものです。
通常のランニングボレーはラケットを振らず、ハイボレーはラケットを振る。
ノーバウンドのボールを一概に「振らない」とするのは、プレーを正しく説明していないでしょう。
ボレーはラケットを振らないというのは、ソフトテニスの現実のプレーに反するように思われます。
では、ボレーの打ち方をどう考えるのが理に適うでしょうか?
ボレーのラケットワークは「ボールに合った打ち方をする」という説明で解決することができます。
ソフトテニスのショット全般が、ボールに合ったスイングを基礎としています。
ランニングボレーは相手の打球が速く、スイングすると間に合わないのでラケットは振れません。
この場合でもタイミングが合うのであれば、スイングして良いと思います。
ハイボレーの場合は、頭上に緩いボールが上がっている場面なので、時間的にラケットを振る余裕があります。
また反発でボールを飛ばせないため、自分でスイングしてボールをヒットする必要があります。
そしてこれらのことは、直感によって判断して行うことです。
相手が物を投げて渡そうとするとき、下からそっと投げてくれると受け取りやすいです。
しかし、振りかぶって投げる振りをするたけで、「ビクッ」と体がこわばります。
物を投げられてもいないのに、相手の動作からその勢いと体への影響を直観的に感じ取っているわけです。
ボレーのラケットワークについても、反復練習によって身に付く直観で判断を行います。
参考:【ソフトテニス】練習メニューより重要!上手くなるために大切なものとは?
参考:前衛・後衛に共通する「ソフトテニスが上手くなる」ことの本質とは?
まとめ
●「従来のソフトテニスの練習法」=「一握りの人しか上手くならない練習法」
●ソフトテニス上達の相関関係ではなく因果関係を見る
●正しいソフトテニスの上達法を見分けるためには以下の2つのポイントを押さえていること
①誰にでも効果がある「再現性」
②筋道だっていて矛盾がない「論理的整合性」