本記事では、ソフトテニス上達の2つ目のポイントを解説します。
『ブレイン・テニス』でお勧めしているポイントは3つで、今回はそのうちの2番目に当たります。
それぞれのポイントを実践することで相互に繋がり合って効果が高まります。
イメージの力がソフトテニス上達の鍵
ソフトテニス上達の2つ目のポイントは「イメージトレーニング」です。
イメージトレーニングという言葉は一般的ですが、その根拠や具体的な実践法はあまり知られていません。
そこで今回はソフトテニスの「イメージトレーニング」についてその効果と実践方法を解説します。
イメージトレーニングとは?
イメージトレーニングの具体的な方法を見る前に言葉の説明をしておきます。
■「イメージトレーニング」とは?
実際に体を動かして練習するのではなく、頭の中で理想の動作を思い描く(イメージする)ことでパフォーマンスの向上を目指す心理的なトレーニング方法
「現実に体を動かして練習するのではない」というところで効果に疑問を持つかもしれません。
しかし実際にはイメージトレーニングはスポーツ上達のために非常に重要です。
現に多くのアスリートたちがイメージトレーニングを実践し成果を上げています。
体を動かして行う練習も大切ですが、高いパフォーマンスにはイメージの働きが不可欠です。
心理実験では実際の練習よりもイメージトレーニングの方が効果あるという結果も示されています。
イメージトレーニングの効果
現実には練習をしていないのになぜスポーツが上手くなるのでしょうか?
人間は現実(物理的)に体験していないバーチャルな空間に臨場感を感じ影響を受けます。
人間の脳は「現実」と「仮想」、「リアル」と「バーチャル」を区別しません。
「現実の世界と映画の中の世界の区別くらいできている。だから現実とバーチャルの区別もできている」。
このように思えますよね?
確かに本人の意識としては現実とバーチャルを違うと感じますが、脳は2つを区別していないのです。
このことは日常の例からも確認できます。
■イメージの例
・ホラー映画に恐怖を感じて心拍数が上がる
・物語に感動して涙を流す
本人は現実の出来事ではない(フィクション)と知りながらも、体は現実のものとして反応します。
脳内に描かれるリアルなイメージによって現実のパフォーマンスは向上します。
イメージトレーニングでスポーツが上手くなることはこのような理屈で説明できるのです。
イメージの世界には現時点の自分のレベルは関係がありません。
世界トップクラスの選手の映像を見ることも、自分の理想のプレーを想像することも自由にできます。
イメージの上での自由なプレーは現実の身体活動に確かな影響があります。
イメージの世界には物理的な制約がなく、現実に影響を及ぼす。
これが人間のイメージが持っている力です。
・ソフトテニスの上達にイメージトレーニングが効果的
・イメージには物理的な制約が働かず臨場感のあるイメージは現実の体に影響を与える
・理想的なイメージを思い浮かべることで現実のプレーのレベルが上がる
参考:【男子前衛編】ソフトテニス動画まとめ!【上松選手・九島選手】
参考:【女子前衛編】ソフトテニス動画まとめ!【島津選手・半谷選手】
ソフトテニスのイメージトレーニングの方法
ここからはイメージトレーニングの具体的な方法を解説します。
イメージには「映像」と「セルフイメージ」の2つの面があります。
本章の前半ではイメージを「映像」として捉えたイメージトレーニングの方法について。
後半で「セルフイメージ」について解説します。
スポーツでのイメージというと映像としての意味合いが強いですが、少し広い意味で「思考」として考えてみます。
脳が自分自身について作っている自己イメージも能力アップには欠かせない要素です。
ソフトテニスのイメージトレーニングの方法
イメージトレーニングのポイントは以下の2つです。
■ソフトテニスのイメージトレーニング
①ソフトテニス上級者の動きを繰り返し見る(映像でもOK)
②自分の理想のプレーをリアルにイメージする
イメージトレーニングという言葉は主に2つ目の、自分のプレーを頭の中で思い描く意味で使われていると思います。
ですが始めは上級者の動きを見ることをメインにすると良いでしょう。
始めから自分が理想のプレーをしているところをイメージしようとしても、リアリティ=臨場感が出にくいからです。
「臨場感」という言葉はキーワードです。
例えば自分が全日本の決勝で試合をしているところをイメージするとします。
ところが全日本の試合を見たことがなければ、その場面をリアルに思い浮かべることはできません。
まずは見るところから始めましょう。
ソフトテニスのハイレベルなプレーを映像などで脳に焼き付けてイメージの基礎を作ります。
動きを覚えようとする必要はありませんし、ボールを打つ時に意識して真似をする必要もありません。
見るだけでもスポーツは上達します。
自分が理想と思う選手の動きを繰り返し見ましょう。
それだけで脳内ではその選手の動きがシミュレーションされます。
そしてプレーを見ることに加えて、自分が理想のプレーをしているところをイメージします。
ボールを打つ感触や周囲の歓声、五感を使って臨場感豊かにイメージしましょう。
想像の世界でも、臨場感があれば人間はイメージした方向に自然と移行します。
脳はフィクション=物語の世界にも同調し、リアルな影響を受け取ることができます。
ソフトテニスのセルフイメージ
イメージは主に頭に思い描く映像のような意味で使われます。
上記のイメージトレーニングも映像としての意味合いで説明しています。
ソフトテニスが上手くなめにはもう一つ「セルフイメージ」としての面も押さえておきましょう。
セルフイメージとは「自分はどのような人間で、何をなし得るか」というような脳内の自己像のことです。
自己肯定感や自己評価という言葉に近い意味合いです。
人間のパフォーマンスは本人のセルフイメージに対応したものになります。
自己イメージが高ければ高いほどそれに相応しい能力が獲得され、目標達成へと進むことができます。
自己イメージが高いとは「自信がある」状態に近いものです。
ソフトテニス上達にも高いセルフイメージが不可欠です。
「私はソフトテニスが上手い」という自己能力に対する高い自己評価を脳内に作り上げる。
すると脳はイメージに相応しい行動を取り、能力を獲得していきます。
ソフトテニスの上達には練習という行動が必要ですが、それもイメージによって生み出される結果です。
先に自信を持つことで後から能力の獲得が促されます。
イメージの世界は無限です。
想像の世界の中では世界一のプレーヤーになることも簡単です。
そして強く思い描いたイメージは物理空間でのプレーとして再現されます。
・イメージには「映像」と「自己イメージ」の2つの面がある
・リアルなプレーのイメージは現実のプレーのレベルを上げる
・自己イメージを上げるとそれに相応しい行動が喚起され能力が身に付く
参考:【男子後衛編】ソフトテニス動画まとめ!【船水選手・内本選手】
参考:【女子後衛編】ソフトテニス動画まとめ!【林田選手・高橋選手】
まとめ
●ソフトテニス上達2つ目のポイントは「イメージトレーニング」
●臨場感が強いイメージは現実のパフォーマンスに影響を与える
●イメージトレーニングの2つの方法
①上級者の動きを見る
②自分の理想のプレーをイメージする
●イメージは映像だけでなく「自己イメージ」も大切
●人間のパフォーマンスは「自己イメージ」に対応したものになる
●ソフトテニスの自己イメージを上げれば、脳機能が上達のために貢献してくれる
●イメージ=想像の世界は無限。無限のイメージの世界を現実に再現できるのが人間の強み