本記事ではソフトテニスのプレーを「今ここ」と「ここではないどこか」という2つの概念から考えます。
「今ここ」とは、今この瞬間、自分が感じている世界のこと。
「ここではないどこか」とは、今ここ以外のあらゆる世界。過去や未来、目の前の空間から離れた世界です。
これらの2つは人間の心や人生について考えるとき、しばしば用いられる言葉です。
ソフトテニスのプレーについて考えるときには、どのように関係するのでしょうか?
ソフトテニスのプレーにおける「今ここ」「ここではないどこか」
ソフトテニスにおける「今ここ」と「ここではないどこか」は、プレー中とプレー外で違います。
それぞれを以下に整理してみましょう。
■プレー中
今ここ。ボールだけに集中して体の動きに任せてプレーする。
■プレー外
ここではないどこか。上級者の動きを見たり、自分の理想のプレーをイメージして、想像の世界の臨場感を高める。
■プレー中:「今ここ」
ソフトテニスのプレー中はボールだけに集中することが重要です。
ボールに集中するとは、今この瞬間のプレーに集中することでもあります。
つまり「今ここ」に意識を向けている状態です。
ソフトテニスのプレーは現実に今起きていること。
練習によってプレーを学習するにも、試合本番で持てる力を発揮するにも、現在のプレーに意識を向ける方が良いです。
反対に「ここではないどこか」に意識を向けた状態でプレーをするとどうでしょうか?
頭の中で「フォアハンドのテークバックは…」や「前衛が動いた場合はどうするか?」などと考えることは、今目の前で起きているプレーから意識が離れるということです。
本人としては上手くなるためにプレーに関係することを考えているつもりでも、プレー中には雑念です。
プレー以外の考えに注意を向けている訳ですから、上達は難しいでしょう。
ボールに集中し、今この瞬間のプレーにしっかりと意識を澄ましましょう。
■プレー外:「ここではないどこか」
ソフトテニスのプレー中ではボールだけに集中し、今この瞬間に意識を向ける。
それに対してプレー以外のところでは「ここではないどこか」に意識を向けることが有効です。
つまり、目の前に広がっている世界から離れた想像の世界、イメージの世界をありありと感じるということです。
イメージトレーニングの重要性は当サイト内でも繰り返し強調していますが、それだけスポーツの上達において大きな役割を担うものです(【体操】内村航平選手に学ぶソフトテニス上達のコツ!)。
人間はフィクションの映画の世界にも恐怖したり感動したりすることができます。
これは仮想=イメージであっても現実と同じように影響を受けることを示しています。
ソフトテニスが上手い人の映像を見たり、自分の理想のプレーをイメージする。
今の自分ができていないことでも、リアルなイメージは現実の自分のプレーに好ましい影響を与えます。
とは言っても、常に想像の世界に身を任せる訳ではありません。
ソフトテニスのプレー以外の場面でも、「今ここ」に意識を向けるのは良いことです。
今この瞬間の自分に意識を向けることで、過去への後悔や未来への不安などの「自分の心が生み出している悩み」から離れることができるからです。
動物が野生のサバイバルの中にいながら思い悩まないことからも分かる通り、人間は悩みを持つのは「ここではないどこか」を夢想できるからです。
大切なことは、「今ここ」と「ここではないどこか」という意識の働きを自由にコントロールできるようになることです。
「ここではないどこか」を想像(イメージ)できるという利点は活かしながらも、「今ここ」へと意識を引き戻すことができる。
そうすればイメージの力を最大限引き出しながらも、ネガティブな感情からは離れ、ニュートラルな心の状態で力を発揮できるようになります。
まとめ
●ソフトテニスの意識の持ち方
・プレー中:「今ここ」。ボールだけに集中してプレーする
・プレー外:「ここではないどこか」も活用。理想のプレーのイメージを強い臨場感で感じる
●「今ここ」と「ここではないどこか」の2つの意識をコントロールしてバランスを保つ