ライジングは「4次元テニス」!?ソフトテニスの後衛ストローク練習法!

2020年2月14日

今回は、後衛のストローク技術の1つであるライジングの理論と練習メニューを解説しています。

ソフトテニスは「次元」と親和性があります。

プレーのレベルを次元ごとに対応させると、すっきりと整理ができます。

ソフトテニスと次元の関係についてはソフトテニスは「次元」が上がると上達する!で詳しく解説しています。

ライジングは次元でいうと「4次元」のプレー。

ライジングが4次元と言われても分かりにくいかと思いますので、1つずつ整理していきましょう。

 

後衛ストローク技術「ライジング」とは?

本章ではまず、後衛ストローク「ライジング」について基本的なところから確認していきましょう。

ポイントはこちらです。

 

Point

・ライジングは早いタイミングで、ボールの上がり際を打つストローク

・ライジングはテンポを変える技術

・ライジングの難しさは技術そのものの難易度もあるが、慣れの方が大きい

 

それでは順番に確認していきましょう。

 

ライジングとは?

始めに、ライジングとは何かを確認しておきましょう。

ライジングは「相手のボールがバウンドの頂点に達する前に打つショット」です。

ボールの上がり際を、早いタイミングで打つ感じですね。

 

ライジングは技術的には難しいとされています。

普段のストロークと違いボールが上がるタイミングで打つため、技術的に難しい点はあるでしょう。

しかし技術の難易度以上にライジングは普段と違うタイミングで打つから慣れていないというのが大きいのではないかと思われます。

 

ライジングばかり打つ中学校?

個人的な体験ですと、地区にライジングばかり打つ中学校がありました。

ストローク力が抜群に高いという訳ではないのですが、テンポが早いテニスをします。

 

練習試合でその学校を訪れて、その理由が分かりました。

コートの後ろのフェンスが近かったのです(!)。

 

後ろに下がってテークバックすると、ラケットがフェンスに当たるためスイングできません。

その中学校のコートでテニスをするには、環境に合わせてボールの上がり際を打つしかない。

練習を続けた部員たちはライジングが身についていたのです。

必要性があると能力は自然と身に付きます。

 

普段から練習をしている通常のストロークと、慣れていないライジングを比べると、ライジングの方が上手くいかないのは自然なことです。

練習回数が少ないために難しく感じる、というのはバックハンドも同じです(ソフトテニスでバックハンドが上手くなるコツ!脳科学を活かした練習法とは?)。

 

ライジングについては以下の2点を押さえておいてください。

 

・ライジングは早いタイミングで打つ

・ライジングが難しく感じる大きな理由は慣れていないこと

 

次にライジングが4次元テニスになる理由をご説明します。

 

ライジングは「4次元」テニス

ライジングが4次元テニスとはどういうことなのでしょうか?

 

Point

・ソフトテニスは次元と対応して整理ができる

・次元が上がるとレベルが上がる

・ライジングは時間的なコントロールを行う4次元に架かるテクニック

 

ソフトテニスは「次元」が上がると上達する!で解説していることを、簡単にまとめてみます。

 

ソフトテニスと次元の対応

ソフトテニスのプレーと次元を対応させてみます。

基本的には「ボールの軌道」と「次元」の関係ですが、プレーヤーの動きなども含みます。

 

【0次元=点】

ボールがそこに「ある」状態です。

動きはありません。

 

【1次元=線】

同じコースにシュートが打てます。

一本打ちや1コースでの乱打ができるレベルです。

 

【2次元=平面】

クロス、ミドル、ストレートなどのシュートの打ち分けができます。

 

【3次元=立体(空間)】

2次元までのシュートボールに加えて、高さを活かしたロブが打てます。

立体的な展開がある状態です。

 

【4次元=空間+時間】

3次元までの立体的な展開に加えて、時間的な軸が加わります。

相手の動きを予測したり、タイミングをずらしたりするプレーです。

 

次元が上がるにつれて、プレーのレベルが明らかに上がっていることが確認できると思います。

上の次元は下の次元に対して、圧倒的に有利になる性質があります。

 

 

次元とソフトテニスの対応は以上です。

今回は5次元以降のことはひとまず置いて、4次元まででソフトテニスを考えてみます。

 

次元におけるライジングの位置づけ

始めにも確認した通り、ライジングはボールのバウンドの上がり際を打つ技術。

通常のストロークよりタイミングが早いストロークです。

 

この「タイミング」が、ライジングのキーワードです。

ライジングは「テンポで勝負する技術」です。

 

3次元までのテニスはどのコースに打つか、という場所=空間についての話でした。

「どこに」打つのか?をコントロールするということですね。

 

それがライジングでは、同じコースに打つ場合でも「時間」が異なる技術です。

「いつ」打つのか?をコントロールします。

 

ダブルスの試合でのラリーを想像してみましょう。

一方の前衛の選手は、ボレーやスマッシュの動きは正確にできているとします。

つまり、フットワークやスイングがスムーズに行えるということです。

 

しかしこの前衛選手も、タイミングがずれるとボレーやスマッシュができません。

どんなに体の動きが洗練されていても、ラリーの中ではタイミングも必要な要素です。

技術があっても、時間をずらされると理論上は成す術がありません(これは単純化した話で、技術がある前衛はタイミングを合わせる能力も高い場合が多いです)。

 

 

このことは、4次元を考える時に例に出される待ち合わせでも確認できます。

2人の人が同じ場所に集合しても、会えない場合がありますよね?

 

それは時間が違うときです。

空間上の場所が合っている時でも、時間がずれていると2人の人が会うことはできません。

空間について言えることは時間についても当てはまります。

 

平面のストロークやネットプレーだけのプレーヤーに対して、立体的な展開に対応できるプレーヤーは優位に立ちます。

同様に、時間をずらすテクニックを持つプレーヤーは、持っていない相手に対して圧倒的に有利になります。

そのテクニックの1つが「ライジング」です。

 

参考:「脳が自動で戦術を学ぶ」!?ソフトテニスの試合に活かせる練習メニュー!

 

後衛ストローク「ライジング」の練習メニュー

ここまでは、ソフトテニスでのライジングの有効性を見てきました。

実際にライジングを身につけるための練習メニューとはどのようなものでしょうか?

 

Point

・脳は反復練習によって自動的に学習を進める

・ライジングが上手くなるためにはライジングを繰り返し打つこと

・ライジングが上手い選手の動きを見ると、上達が速くなる

 

ライジングの練習方法は以下の2つ。

 

・ベースラインより前で乱打をする

・ライジングが上手い選手のプレーを見てイメージトレーニングをする(映像でもOK)

 

ベースラインより前で乱打をする

ベースラインから下がらずに乱打をする練習メニューです。

立ち位置に制限を設けることで、乱打で打つボールが自然にライジングになるります。

 

この練習は、先ほどのライジングばかり打つ中学校の例が参考になります。

その中学校はコートのすぐ後ろにフェンスがあって、ライジングでなければ打てない環境でした。

つまり、ライジングを打つ必要性があったから上達したことになります。

 

皆さんは練習や試合の場面で、このような経験はありませんか?

 

相手のショートボールを取るために前に出た後、次のプレーまでに後ろに下がる余裕がなく、ライジングで返球した

 

必要があるときはライジングを打たざるを得ません。

そこで「ベースラインより前で乱打をする」というテーマを設定し、ライジングの必要性を自ら作ります。

 

ライジングが難しいと言われるのは、練習回数が少なく慣れていないからだと前述しました。

そのためライジングのタイミングに慣れるまで練習することが大切です。

始めは難しく感じますが慣れていないことなので当然です。

上手くいかなくても気にせずに続けてみてください。

 

ライジングのイメージトレーニング

イメージトレーニングはスポーツの上達において非常に重要です。

スポーツは見るだけでも上達します。

ライジングが上手くなるには、ライジングが上手い人のプレーを見ることが有効です。

現在の自分ができないプレーでも、イメージの世界でなら体験することができます。

 

人間の脳は「現実」と「イメージ」を区別していません。

イメージが現実に与える影響としては、身近な例からも実感ができます。

 

・映画の世界に恐怖を感じて心拍数が上がる

・レモンを齧る想像だけでだ液が出る

 

「ソフトテニス上級者の動きを見る」「自分の理想のプレーをイメージする」などのイメージトレーニングを行う。

リアリティのあるイメージは現実のプレーに影響します。

 

村上雄人選手のプレーでライジングのイメージトレーニング

最後にライジングのイメージトレーニングの参考になる映像をご紹介します。

ライジングの名手と言えばNTT西日本所属の後衛、村上雄人選手でしょう。

村上選手のストロークの動画がYouTube上でクリアな映像で見られます。

 

ご自身も動画で語られているように、村上選手は他のトッププレーヤーたちと比べて別段球が速いわけではないようです。

何を自分の武器にしようかと考えた結果、村上選手が辿りついたのが「テンポで勝負する」ことだったそう。

先ほどの「必要性」と能力の関係にも繋がる話だと思います。

 

【村上選手のライジング解説&ストローク映像】

 

【村上選手のライジング&船水雄太選手とのライジング乱打対決】

 

参考:【ソフトテニス×脳科学】後衛ストロークを打ち分ける「思考法」!

参考:【ソフトテニス×脳科学】高速ラリーを実現!速いストロークを打つ方法!

 

まとめ

●ライジングは「相手のボールがバウンドの頂点に達する前に打つショット」

●ライジングが打てるようになるには「ライジング」に慣れること

●4次元のテニスは「空間+時間」。タイミングをコントロールするライジングは4次元

●ライジングの練習方法

①ベースラインより前で乱打をする

②ライジングが上手い人のプレーを見る(映像でもOK)

●「理想のイメージを作る」「プレーのテーマを設定する」ことが上達の鍵