ソフトテニスの練習理論は次元で考えるとスッキリと整理することができます。
スポーツの多くが次元と符合する性質を備えていますが、ソフトテニスは特にぴったりと次元に対応しています。
次元を理解するとソフトテニスの上達の理論がクリアに理解できるということです。
旅行に行くときも、どこにあるかも分からない場所より、明確な目的地が設定されている方が移動がしやすいですよね?
ソフトテニスを整理して理解すれば、より明確なイメージとして目標が作られ、上達しやすくなります。
「次元(じげん)」という言葉自体は皆さんご存知のことだと思います。
次元は簡単に言うと「空間の広がりを表す軸や方向のこと」です。
具体例で確認するほうが分かりやすいので、以下で1つずつ説明します。
ソフトテニス上達に繋がる「次元」について理解しよう!
このパートでは次元について一通りの説明をしています。
ソフトテニスと次元の関係についてはこの次のパートから説明していますので、読み飛ばして頂いても結構です。
次元は0次元→1次元→2次元という風に、1ずつの数字で区切って理解されることが多いですね。
(実際には小数点以下もあるのですが、ここでは分かりやすく省略します)
0次元から4次元まで、それぞれの次元の特徴を順番に理解していきましょう。
0次元=「点」
0次元は「点の世界」。
紙に鉛筆で点を打つと、小さくても広さがあります。
これは正確には点ではありません。
厳密な0次元の点は、広さも長さもないものとして考えられます。
1次元=「線」
1次元は「線の世界」。
点をいくつも並べると、次第に線になっていきますよね。
そのようなイメージで、0次元から1次元へと次元が上がります。
こちらも線と言っても長さがあるだけで、幅はないものと考えます。
2次元=「平面」
2次元は、「平面の世界」。
アニメやコンピュータの世界を「2次元」と呼んだりしますが、これは立体ではない画面の中の世界を指しているからです。
正確な意味での2次元は、面積はありますが厚みがありません。
面積を計算するとき、(たて)×(横)の2つの長さで計算しますが、これも2次元と関係します。
㎡(平方メートル)の2も同様です。
縦方向の横方向の2つの軸で考えるのが2次元です。
3次元=「立体(空間)」
3次元の世界は「立体」です。
紙を積み重ねると四角柱の、箱のような形になりますね。
平面にもう1つ軸をプラスした状態が3次元の立体のです。
体積の計算をするとき(たて)×(横)×(高さ)の3つの長さで計算をするのも、3つの方向があるからです。
㎥(立法メートル)についている3も、3次元と関係しています。
私たちは体感的には3次元の世界に生きているように感じることが多いでしょう。
4次元=「立体(空間)」+「時間」
4次元は、3次元に「時間」を加えた世界。
日常の感覚では3次元の空間を生きているようにも思えますが、3次元だけでは私たちの生活は上手くいきません。
自然と時間という軸が関わっています。
例えば「待ち合わせ」を考えてみましょう。
同じ場所にいても、時間がずれていると会えません。
時間も空間と同じように考えることができます。
参考:時間を味方につける!ソフトテニスが上手くなる「超時間術」!
ソフトテニスは「次元」が上がると上手くなる!
ここまで次元について簡単にご説明しました。
次元が高いということは、低い次元に対して特権的な優位を得るということです。
例えば、4人のプレーヤーが同じテレビゲームをしているとしましょう。
4人のうち3人は2次元の平面上=画面の「縦と横」にしか動けません。
しかし4人のうちの1人だけ、3次元の空間=画面の「縦と横」+「前後」も動けるものとします。
前後に動く1人のプレーヤーを、他の3人は攻撃することができません。
一方、3次元でプレーする人は、残りの3人に干渉することができます。
2次元と3次元では、3次元が特権的に有利になっていますね。
これが次元の働きの前提です。
ここからはソフトテニスと次元の関係に移ります。
先ほどの次元の説明と、ソフトテニスのプレーは対応しています。
基本的にはボールの軌道と次元との対応です。
次元が上がるとソフトテニスのレベルは別次元に上がります。
次元とソフトテニスのレベルを対照しながら確認していきましょう。
0次元=点
【ソフトテニスLv.0】
0次元は点の世界を表していました。
点はソフトテニスではボールのこと。
0次元ではボールが動かずに、ある地点に存在しているだけの状態です。
ボールを打ってもいないので、レベルは0です。
1次元=線
【ソフトテニスLv.1】
1次元になると、線の世界になります。
ボールが一方向に向けて動くことができます。
ソフトテニスのプレーで言えば、一方向にシュートが打てる状態です。
一つのコースの一本打ちや、乱打ができるレベルです。
試合で相手に勝つのはまだ難しいでしょう。前衛の動きで言えば、クロスしか取れません。
これがレベル1です。
2次元=平面
【ソフトテニスLv.2】
2次元は平面の世界です。
2次元ではシュートボールの左右への打ち分けができます。
1次元が一方向のシュートボールだったのに対して、方向が増えるイメージです。
前衛で「平面が強い」などと言うことがありますが、これも左右=横の動きのことですね。
シュートに対してのボレーが対応できるレベルです。
試合で勝つことがあるかもしれませんが、上級者にはまだ敵いません。
こちらがレベル2です。
3次元=立体
【ソフトテニスLv.3】
3次元は「立体」=「空間」の世界でした。
左右に加えて上下という軸が加わります。
2次元までの「シュートボールの打ち分け」+「ロブ」が使えます。
後衛ならば立体的な「展開」ができる。
前衛ならばボレーに加えて「上も追える」、つまりスマッシュも打てる選手です。
3次元のプレーは、上級者のイメージそのものではないでしょうか?
こちらがレベル3になります。
4次元=空間+時間
【ソフトテニスLv.4】
4次元は、「空間+時間」の世界です。
縦・横・高さという3つの軸に加えて、時間軸が加わります。
Lv.3までの立体的な展開に加えて、「予測」や「タイミングをずらす」という、時間的な優位に立つことができます。
相手の次の動きを直観し、後衛が前衛をかわす。
前衛がコースを読んでボレーやスマッシュを決める。
ボールコントロールもスピードやコースだけでなく、ライジングでタイミングをずらすなどの技巧が取り入れられます。
「速さ」ではなく「早さ」と言われるような世界です。
4次元のプレーは一流プレーヤーのイメージそのものです。
これがソフトテニスレベル4。
5次元=???
【ソフトテニスLv.5】
4次元までの「空間」+「時間」の世界に、さらにもう1つの軸が加わっているのが「5次元」の世界です。
ソフトテニスの場合は4次元までで、「立体的な試合展開」と「時間的な優位に立つこと」が含まれていました。
次元が上がるごとに、1つ下の次元に対して特権的な優位を得ることが高い次元には期待できます。
4次元のトッププレーヤーに対して、文字通りの「異次元のプレー」を可能にする5次元テニスとは…?
参考:ライジングは「4次元テニス」!?ソフトテニス後衛の理論と練習メニュー
まとめ
●ソフトテニスのレベルと次元は対応している
●高い次元は低い次元に対して特権的に有利になる
●次元が上がるとソフトテニスが強くなる!