本記事では、ソフトテニスのスマッシュが上達する練習メニューをご紹介します。
脳科学の成果を活かして最速でスマッシュ技術を磨いていくメソッドをぜひ実践してみてください。
ソフトテニスのスマッシュの技術を理解しよう
始めにスマッシュの技術について整理しておきましょう。
スマッシュの技術は感覚
ソフトテニスの「技術」=「感覚」です。
スマッシュが上手くなるということは、スマッシュの感覚を身につけるということ。
感覚は才能とは違います。
自転車が感覚によって乗れるように本来人間の体は直観的な動きができるものです。
上級者が感覚で行っていることについて、外側の形=フォームを覚えても、ソフトテニス上達には繋がりません。
ボールに合った動きができればスマッシュが打てる
ソフトテニスのプレーの基本は「①ボールのところに行くこと」と「②ボールを打つこと」の2つに分けることができます。
言い換えれば①フットワークと②スイング。
どちらもボールに合わせることが高い技術の要素です。
①ボールの軌道を予測して、落下地点に移動する。
②ボールに合ったタイミングでスイング
このような流れを反復練習によって感覚でできるようになるのがスマッシュの上達です。
学習は脳のメカニズムに合わせて進むので、その最短ルートは脳科学に基づく方法だと言えるでしょう。
・スマッシュの技術の本質は感覚。ボールに合った動きが直観的にできることが大切
・スマッシュ上達にはボールに合ったフットワーク&スイングを身に付けること
・脳は繰り返しによって自動的に学習する
参考:【ソフトテニス×脳科学】ボレー&スマッシュの「タイミング」を掴むコツ!
脳科学を活かしたスマッシュ上達のポイント
次章でご紹介する練習メニューの効果を最大にまで高めるポイントをお伝えします。
このポイントを押さえておくだけでも、ソフトテニスのショットを脳が学習しやすくなります。
①ボールに集中してスマッシュを打つ
②スマッシュのイメージトレーニングをする
一つずつ見ていきましょう。
ポイント①ボールに集中してスマッシュを打つ
ボールに集中してスマッシュを打ちます。
スマッシュの技術はボールに合わせたスイングですから、ボールに意識を向けることでボールを感じるようにします。
上達のコツは自分が打ったボールをよく見ること。
ショットの結果を脳が受け取りフィードバックが働くので、学習=上達が効率的に進んでいきます。
ポイント②イメージトレーニングをする
スマッシュが上手くなるためにはイメージトレーニングが有効です。
スポーツは見るだけでも上手くなります。
トップ選手の動きを見るだけで、脳内ではその動作がシミュレーションされます。
イメージトレーニングにはこちらの2つの方法があります。
・スマッシュが上手い選手の動きを見る
・自分が最高のスマッシュを打っているところをリアルにイメージする
始めはソフトテニス上級者の動きを見てイメージを作ります。
優れたプレーのイメージが鮮明になってきたら、自分が理想のプレーをしているとことろを臨場感豊かに描きましょう。
ボールを打つときには、ボールだけに集中しましょう。
イメージトレーニングはボールを打たない時間に、準備として行ってください。
あらかじめイメージを高めておき、ボールを打つときにはボールだけに集中する。
そうすれば、脳内に焼き付いたスマッシュの動きが現実のプレーとして再現されていきます。
・ボールに集中してスマッシュ練習を行うことで、ボールに合った動きが身に付く
・集中状態でスマッシュを打つことで、脳はプレーのパターンを自動的に学習する
・スマッシュの理想のイメージを作ると現実の動きがイメージへと近づく
参考:脳機能で理想のプレーを実現!ソフトテニス上達の2つ目のポイント「イメージ」
脳科学を活かしたスマッシュの練習メニュー
ここまでのポイントを押さえておくだけでも、スマッシュ上達にはかなりの効果があるでしょう。
今回はさらに、スマッシュ上達の具体的な練習メニューを見ていきます。
■スマッシュの練習メニュー
1.スマッシュを打つ練習
①手投げのボールでスマッシュを打つ
②上げボールを追ってスマッシュを打つ
2.スマッシュの動作の練習
①キャッチボールをする
②タオルでイメージ素振りをする
3.スマッシュのフットワークの練習
①上げたボールを追って、手でキャッチする(ボールは打たない)
実際にスマッシュを打つ練習だけでなく、コーディネーション系の練習も入れてあります。
スマッシュの動作のもとになるシンプルな動きを体に覚えさせることで、より完成度の高い技術となるでしょう。
練習メニュー1.スマッシュを打つ練習
ボールを上げてもらって実際にスマッシュを打つ練習です。
こちらは最も基本的なスマッシュの練習で、部活の練習メニューとしても行っていると思います。
練習①手投げのボールでスマッシュを打つ
手投げのボールでスマッシュを打つ練習です。
手投げの上げボールのいいところはボールをその場で打てることです。
ボールだけに集中して気持ちよくラケットを振りましょう。
練習②上げボールを追ってスマッシュを打つ
ラケットでボールを上げてもらい、ボールを追ってからスマッシュします。
基本的なスマッシュ練習の形です。
フットワーク&ラケットワークの両方が求められますから、慣れないうちは先の「手投げ」も行ってみてください。
練習メニュー2.スマッシュの動作の練習
実際にボールを打つことはせず、スマッシュの動作を体に馴染ませる練習です。
運動機能のトレーニングは一見遠回りなようですが、ソフトテニスのプレーにしっかりとした土台が作られます。
練習①キャッチボールをする
キャッチボールはソフトテニスの上達に効果的です。
ボールを投げる動きは運動連鎖が含まれており、ソフトテニスのスイングと共通点があります。
サーブやスマッシュの練習には特に効果が期待できるでしょう。
「スマッシュの練習なのにキャッチボール?」と思う方もいるかもしれませんが、全国大会上位のソフトテニス部でも実践されています。
硬式テニスのプロコーチもボールを投げることを勧めています。
■キャッチボールの種類
「通常のキャッチボール」
相手と向き合ってキャッチボールをします。
ボールをよく見てリラックスして行ってください。
「遠投」
より大きなエネルギーを生み出せるように遠くにボールを投げる練習をします。
ボールが遠くに投げられるということは上手に運動連鎖が使えている証拠です。
「フライ練習」
ボールを高く投げて、それをキャッチする練習です。
ボールとの距離感、立体的なボールの軌道を感じられる練習になります。
スマッシュを追う感覚が養われます。
練習②タオルでイメージ素振りをする
タオルでスマッシュの素振りを行います。
タオルならスマッシュの動作を簡単に練習できます。半分に折るくらいがちょうどいいでしょう。
何も持たずにシャドーピッチングのように腕を振ってもいいですが、タオルがあるとラケットを振る感じに近づきます。
タオル素振りでさらに効果的なのは、タオルを振るときにイメージを使うこと。
「ボールを完璧にインパクトし、気持ちよくスマッシュを打っている」このような理想のスマッシュのイメージを、臨場感豊かに思い描きます。
練習メニュー2.スマッシュのフットワークを練習する
前衛スマッシュのフットワークを中心に練習する方法です。
ボールを打たずに練習をすることで、よりシンプルに動作を練習することができます。
練習①上げたボールを追って、手でキャッチする(ボールは打たない)
この練習はスマッシュの足の運び=フットワークの練習になります。
ボールを追って実際にスマッシュを打つと動作は複雑になります。
そこで動きをシンプルにして、ボールの落下地点まで移動するフットワークの練習をします。
ボールをキャッチするときは頭の上で、利き手と逆の手をあげてキャッチします。
そのあとボールを利き手に持ち替え、投げ返すといいでしょう。
ちょうど野球選手がフライをキャッチして、送球するような要領ですね。
この練習によってスマッシュの落下地点に入って打つ準備の練習ができます。
以上がスマッシュの練習メニューです。
通常のスマッシュ練習と組み合わせて行うとより効果が上がるでしょう。
まとめ
●スマッシュの技術の本質は「感覚」
●ボールに集中して繰り返し練習することで、脳が自動的にプレーを学習する
●イメージトレーニングを行うことで上級者のスマッシュの動きをコピーできる
●スマッシュの練習メニュー
【1.スマッシュを打つ練習】
①手投げのボールでスマッシュを打つ
②上げボールを追ってスマッシュを打つ
【2.スマッシュの動作の練習】
①キャッチボールをする
②タオルでイメージ素振りをする
【3.スマッシュのフットワークの練習】
①上げたボールを追って、手でキャッチする(ボールは打たない)