【ソフトテニス】打つ瞬間に「力を入れる」「ラケットを握る」は正しいのか?

2020年3月16日

ソフトテニスで「打つ瞬間だけラケットのグリップを握る(=力を入れる)」というアドバイスがあります。

後衛のストロークでも、前衛のボレーでもよく耳にするこのアドバイスには効果があるのでしょうか?

確かにテークバックの段階から「ぎゅっ」とグリップを握りしめてスイングをすると、体はスムーズに動きません。

その意味では一見正しいアドバイスに思えます。

今回はこの「打つ瞬間だけ力を入れる」ことについて考えてみましょう。

 

ソフトテニスの「打つ瞬間だけ力を入れる」とは?

始めに本章のポイントを記しておきます。

 

Point

・力を入れるためには、先に力を抜いてリラックスする

・インパクトでラケットのグリップを握る場合と、握らない場合がある

・直観的にラケット面の操作を行う対応力を身に付ける

 

ソフトテニスでスピードのあるボールを打つに「打つ瞬間だけ力を入れる」ということが言われます。

前衛のボレーならば「ラケットのグリップを握る」という表現のことも多いでしょう。

 

結論から言うと、これらのアドバイスを言葉通りには実践しない方がいいと考えられます。

ソフトテニスが上手くなるためには、感覚でボールに合ったスイングをすることが大切です。

 

ソフトテニス上級者のプレーは、結果として「打つ瞬間だけ力が入っている」という状態にはなるでしょう。

しかし、それを意識してプレーするのはまた別の話です。

順を追って見ていきましょう。

 

体の仕組みから考える

まずは、体の力を引き出す仕組みから考えてみましょう。

ソフトテニスの優れたスイングをは、人の体が持っている力を引き出すことでもあります。

 

人が体を動かすときには、動作に必要な筋肉が収縮しています。

人間は筋肉が緩んでいる状態から緊張させることで力を入れることができます。

 

力を入れる時に大切なのは、先に力を抜くことです。

始めから筋肉が縮まっていると、そこからさらにパワーを生み出すことはできません。

先にリックスして力を抜いておくことで、より大きなエネルギーを生み出すことができます。

 

リラックス状態→力を入れる

 

このギャップが大きいほど力を発揮できます。

心身のパフォーマンスが最大化!ソフトテニス上達の3つ目のポイント

 

ソフトテニスのスイングも、まずリラックスした状態で作ることが大切です。

まず脱力しておくことで全身が連動したスムーズな動きが使えます。

結果としてスイングスピードも速くなるでしょう。

 

力を抜くことの効果は、簡単な方法で実感できます。

 

それは「全身に力を入れた状態でラケットをスイングする」方法です。

テークバックの時からグリップを握り、全身の筋肉に力を込めた状態でスイングします。

始めから力を入れていると体はスムーズに動きません。

 

力を抜いていることで、スムーズなスイングができる。

必要がない部分の力を抜くことは非常に重要です。

打つ瞬間だけ「ラケットのグリップを握る」や「力を入れる」という理論の裏には、このような体の仕組みが関係しているようです。

 

ストローク・ボレーのスイングから考える

先にリラックスした状態を作る方が、スイングがスムーズにできることが分かりました。

 

では、打つ瞬間に力を入れるというのはどうでしょうか?

意識して力を入れることが、プレーの改善に繋がるのかというと疑問があります。

 

例えばストロークのスイングは「テークバック→インパクト→フォロースルー」と連続しています。

スイングの中に一連の流れがあるため、それぞれの動きはお互いに関係しています。

 

ストロークでインパクトの瞬間だけ意識的にグリップを握ると、前後のスムーズな動作の妨げになりかねません。

スイングの目的はボールに力を伝えて正確なショットを打つことです。

インパクトの瞬間にギュッと力を入れなくても、スイングスピードがあればボールに力は伝わります。

 

前衛のボレーの場合「グリップを握る」だけでもボールが飛びます。

ボレーは相手プレーヤーとの距離が近く、ボールにスピードがある状態で打つからです。

相手が打ったボールが失速していない場合、スイングしなくても反発でボールは飛んでいきます。

この時はボールに押し負けないように、グリップを握って支えることにもなります。

 

しかし、ボレーでもストップボレーで落とす場合にはグリップは緩めて打つことが多いでしょう。

同じノーバウンドのショットでも場合によって変わります。

 

「打つ瞬間に力を入れる」のは、ストロークやボレーなど、場合によって違っているようです。

 

参考:ソフトテニスの前衛ボレーの「弾き」とは何か?ショットが加速するテクニック!

 

打つ瞬間に「力を入れる」「(ラケットの)グリップを握る」ことは正しいのか?

「打つ瞬間に力を入れる」

「ラケットのグリップを握る」

前章ではこれらの方法が有効な場合と、そうではない場合があることが分かりました。

 

ではどうすれば最適なスイングが行えるようになるのでしょうか?

 

Point

・ソフトテニスのスイングは体の直観的な判断を使う

・ソフトテニスのショットを決めるのはインパクト

・ボールをよく見て練習を繰り返すことで、インパクトの感覚が磨かれる

 

ショットによって使い分けるために必要なのは感覚です。

つまり「ソフトテニスが上手くなるためには、感覚でボールに合った動きをする」ということです。

打つ瞬間に力を入れるかどうかも、ボールに合った動きになるかが基準です。

そしてその判断は体の感覚で行います。

 

ソフトテニスで本当に大切なこととは?

ソフトテニスのショットはインパクトが最も重要です

スイングの目的はボールを打つことで、ボールに影響を与えられるのはラケットとボールが接触しているインパクトの瞬間だけ。

テークバックやスタンスなどもショットに関係しますが、それは理想のインパクトを生み出すための手段です。

 

打つ瞬間に力を入れれば、インパクトでボールに力を伝えられるでしょう。

そう考えると「打つ瞬間にグリップを握る・力を入れる」という打ち方は理に適っているように思えます。

ですが前章でもご説明した通り、インパクトの瞬間に「意識して握る」とスムーズな動きができません。

 

ソフトテニスで打つボールは毎回違います。

ということはショットは毎回違う打ち方をしなければ打てないということです。

プレーヤーはスイングをボールに合わせて調整し、正確なインパクトを行います。

これは一つ一つ意識して行うものではなく、体の自動的な調節機能を働かせるしかありません。

 

つまり、打つ瞬間に力を入れるのも、体の直観的な判断能力によって行われるべきことなのです。

 

・必要だと感じる時はグリップを自然と握る

・必要ではないと感じる時は自然とグリップを握らない

 

直観は当てずっぽうのことではなく、過去の経験に基づくものです。

反復練習によって磨かれた感覚的で無意識の動きが、ボールに合った正確なインパクトを実現してくれます。

ソフトテニスが上手い人が本当にしていることとは?)。

 

大切なことはインパクトの瞬間に力を入れることではなく、ボールに合った打ち方が直観的に分かることです。

自分がどう打つと、ボールがどう飛ぶのかが何となく感じられる感覚を磨きましょう。

知識としてフォームを覚えるのではなく、感覚として体の動きとボールの動きのネットワークを作ることが、ソフトテニス上達の秘訣です。

 

体の動きと体の動きのパターンを掴むためには、頭で考えるのではなく体で感じることが大切です。

体で感じるというと難しいことのように聞こえますが、むしろ簡単なことです。

皆さんが歩いているときや自転車に乗るときに、感覚でバランスを取ったりカーブを曲がるタイミングを掴んでいます。

人間の脳と体には、感覚で体の動きを調節する機能がもともと備わっています。

 

ソフトテニスの感覚を磨く練習方法

ボールに合わせる感覚を磨くためにはボールをよく見て打つことが重要です。

ボールをしっかりと見ることで、自然と体の動きがボールに合ったものへと調整されていきます。

 

前述の通りボールは毎回変わりますから、ボールをよく見て打たないと合わせることができません。

ボールに合った打ち方をしようとする必要はありません。

ボールに意識を向けて打つことを繰り返すことで、脳がボールの動きをパターンとして学習してくれます。

 

自分が打ったボールもしっかりと見るようにしてください。

打ったボールを見ることで、ボールの飛び方を脳がフィードバックで学習します。

フィードバックとは、結果から原因を改善する働きのこと。

打ったボールを見ることを繰り返すと、過去のショットのデータを元に脳が打球を修正してくれます。

 

始めのうちは効果が感じられませんが、ボールをよく見て打つことを淡々と継続してください。

自分がどう打つとボールがどう飛ぶのかが、次第に感じられるようになります。

この感覚は意識して覚えるものではなく、勝手に磨かれていくものです。

ボールをよく見て繰り返し打つことで、自転車に乗れるようになった時のように、脳は自然と学習します。

 

参考:脳が最速で学習する!ソフトテニス上達の1つ目のポイント

参考:前衛・後衛に共通する「ソフトテニスが上手くなる」ことの本質とは?

 

まとめ

●力を入れるためにはまず力を抜く

●意識して「打つ瞬間に力を入れる」のではなく、感覚で「ボールに合った打ち方」ができるようにする

●ボールに集中することで、体の動きとボールの動きのパターンを脳が勝手に学習する