【ソフトテニス×脳科学】沈んで、入る!「ショルダーカットサーブ」のコツ!
今回は、ソフトテニスの「ショルダーカットサーブ」上達のコツを解説しています。
カットサーブは柔らかいボールを使っているソフトテニスならではのテクニック。
強く回転が掛けられたサーブは独特の軌道を描き、バウンドに強烈な変化を与えます。
インドアでは特にバウンドが低くなるために有効で、ダブル前衛でも必須の技術となっています。
カットサーブの主流は「アンダーカットサーブ」。
今回取り上げる「ショルダーカットサーブ」は、アンダーカットに比べると使いやすいサーブです。
Contents
ショルダーカットサーブとは?
まずショルダーカットサーブとはどのようなものなのか、確認しておきましょう。
本章のポイントはこちらです。
Point
・ショルダーカットサーブは、肩辺りの高さで打つカットサーブ
・カットサーブは打つ高さによってかかる回転の種類が変わる
・アンダーカット=横回転、ミドル~ショルダーカット=縦回転が基本
それでは詳しく見ていきましょう。
サーブの種類
ソフトテニスのサービスには、大きく分けて「オーバーサーブ」と「アンダーサーブ」の2つがあります。
オーバーサーブはボールを投げるような動作でボールを打ちだす、ファーストサーブで主流となっているサーブ。
アンダーサーブは下から打つサーブで、回転を掛けてバウンドが低いショットが打てるサーブ。
カットサーブというと、膝あたりの低い打点で打つ「アンダーカットサーブ」で打つことが多いでしょう。
「ショルダーカットサーブ」は、アンダーよりも高めの打点で打つカットサーブです。
今回は腰くらいの高さ、「サイドカットサーブ」と呼ばれるショットも含めて考えていきます。
サイドカットサーブは腰~肩あたりのエリアの、アンダーカットよりも高い打点でのサーブです。
体の横でボールを構えて、強いバックスピンを掛けるスイングです。
ストロークの場合にはアンダー、ミドル、トップの3つの高さに分かれます。
この分け方に倣えば、ミドル~トップくらいの幅でのサーブを想定しています。
ショルダーカットサーブの特徴
ショルダーカットサーブの特徴は、「スピードが速く、落ちるサーブ」であること。
スピードがある分相手にとっては準備する時間が短く、また沈むような軌道を描くため、確率が高いことが魅力でしょう。
このようなショルダーカットサーブの性質は、縦回転が掛けやすいことに関係しています。
横回転が掛かっているアンダーカットサーブとは球種が変わっています。
スライス系のショットでも、強い縦回転が掛かるとボールは沈むような軌道を描きます。
サーブは「ベースラインより後ろから、ネットを越えて、サービスコート内に入れる」という条件があります。
そのためネットを越えてからボールが落ちるような軌道で打てれば、高確率で入るサーブになるでしょう。
・アンダーカットは「横回転」
・ショルダーカットは「縦回転」
このように整理ができます。
ちなみに、確率が上げやすいショルダーカットサーブですが、バウンドはアンダーカットほど低くするのは難しいでしょう。
カットサーブの回転が変わる仕組み
カットサーブの特徴を押さえるだけでプレーには十分ですが、仕組みを考えてみましょう。
カットサーブのスピンの種類が変わるのは、「腕の動きが円運動であること」に関係します。
腕を動かすときには、肩や肘などの関節が支点となって動きます。
カットサーブのスイングであれば、自然と肩を中心として弧を描くような軌道を描くでしょう。
円には全ての方向が含まれています。
そのため、円周上のどの位置を取るかによって「縦方向」「横方向」と方向が変わります。
バックスピンを掛けるとき、スイングは自然とラケットを振り下ろすような動きになります。
この時、スイングの軌道は以下のように整理ができるでしょう。
・体の前で打つとき→ラケットは「横の動き」
・体の横で打つとき→ラケットは「縦の動き」
体の横、腰あたりの高さで打つショルダーカットサーブは、自然に縦回転が掛かりやすいスイングになります。
以上の内容は練習を積めば実感として掴めることなので、実践を重視しましょう。
ソフトテニスの技術で重要なのは「感覚」です。
参考:【ソフトテニス×脳科学】高確率で入るサーブの種類&コツ!
ショルダーカットサーブのグリップ&打ち方
ショルダーカットサーブの「グリップ」と「打ち方」について説明していきます。
本章のポイントはこちらです。
Point
・カットサーブのグリップは「イースタングリップで短く持つ」
・ショルダーカットは、腰~肩辺りの高さで、ボールの下をこするように打つ
・カットサーブの技術の本質は、反復練習によって身に付く感覚
ショルダーカットサーブの「グリップ」
グリップは【ソフトテニス×脳科学】切れ味抜群!カットサーブ上達のコツ!で説明している、アンダーカットサーブの握り方と同じになります。
カットサーブのグリップの基本は「イースタンで短く持つ」こと。
イースタングリップは包丁握りとも言われる、ラケットを縦に握るようなグリップです。
ストロークやボレーを打つウエスタングリップから、90°ずらした握り方です。
ウエスタンはラケットを地面に置いて、ラケット面が手のひらと並行になるような持ち方をします。
ボールとラケット面が厚い角度で当たるため、しっかりと力が伝わり、ボールを飛ばしやすいグリップです。
イースタンはそこから90°ずれているので、ラケット面がボールに対して0°に近い。
インパクト時のラケット面が一番薄いグリップになるでしょう。
ソフトテニスでのイースタングリップは、「回転を掛けやすいグリップ」と言えそうです。
カットを掛ける時にはボールに力を伝えて飛ばす必要がありません。
ガットとの摩擦で回転をかけ、サービスコート内にコントロールする打ち方です。
そのためグリップは短めに持つ方が打ちやすくなります。
グリップの名称ソフトテニスで一般的なものを使用していますが、違う名前が使われる場合もあります。
実際のショットで使い分けられればOKだと思います。
ショルダーカットサーブの「打ち方」
前章の終わりにも触れましたが、ソフトテニスの技術の本質は「感覚」です。
感覚も、何度も経験を積むことで脳が学習した能力の1つ。
立って歩くことも、自転車に乗ることも、体の直観的な働きがなければ上手くいきません。
カットサーブの打ち方も参考として説明しますが、感覚を大事にする方が上達は早くなります。
ショルダーカットサーブの打ち方は「体の横、腰~肩あたりの高さで、ラケットを振り下ろすようにバックスピンを掛ける」です。
実際に打つときにはフォームは気にせず、体の自然な動きが使えるようにしましょう。
参考:ソフトテニスは「考えない」方が上手くなる!?センスが覚醒する練習法!
参考:【ソフトテニス】ラリーを制する!サーブの戦術【基本編】
ショルダーカットサーブの「練習メニュー」
ここからは、ショルダーカットサーブの練習メニューを見ていきましょう。
始めに練習メニューをまとめます。
・ボールの軌道を逆算でイメージする
・ボールの軌道をイメージしておくと、体は無意識にイメージを再現しようとする
・ショルダーカットサーブを打つときには、ボールだけに集中する
基本的に本サイト内で解説しているストロークやボレーの練習方法と変わりません。
それぞれのショットの練習メニューが共通しているのは、ショットの技術自体が共通しているからです。
その共通点は「ボールを打つこと」。
「自分の体がどう動くと、ボールがどう飛ぶのかのパターンが体の感覚として感じられること」。
これがソフトテニスの技術のコアです。
ボールに合った体の動きを磨くことで、全ショットに共通する感覚を身につけることができます。
ソフトテニスのトップ選手たちはストロークもボレーも上手いですが、それぞれの動きを個別に覚えている訳ではありません。
体の動きとボールの動きのパターンが感覚として身に付いているから、オールラウンドなプレーができています。
皆さんがショルダーカットサーブを練習する時にも、ボールを打つ感覚を磨くことを前提にすると上手くいくでしょう。
練習メニュー①ショルダーカットサーブの軌道を逆算でイメージする
実際にボールを打つ前の準備として、狙いたいポイントからボールの軌道を逆算でイメージしておきましょう。
イメージの目的は、ある物事を行う前に頭の中でイメージとして体験しておき、本番で力を発揮することです。
試合でのパフォーマンスを上げるイメージトレーニングもありますが、ここではショットの準備として行います。
ショルダーカットサーブのイメージは以下のように行います。
「自分がサーブで打ちたいところから、ボールの軌道を逆算でイメージする」。
人間は未来の目的地に向けて行動を起こします。
旅行で考えて見ても、途中の道筋は目的地を先に設定することで決まります。
ソフトテニスのショットについても、ボールを打ちたい目標地点から逆算でそのプロセスをイメージします。
ボールの軌道のイメージを逆算で脳に焼き付けておく。
体はイメージされたショットを実現するためのプロセスの上で自然に動きます。
脳が思い描いた世界の方に、人の体は自然と向かおうとする性質があるのです。
フォームによってショットが決まるという関係を、逆向きに捉えてみてください。
打ちたいショットという未来のイメージを描いておけば、フォームは後から決まります。
イメージの上で準備を行い、後は体の自然な動きに任せて練習します。
先に目的地があって道筋が見えるように、ショットを打つためのフォームは、未来のイメージに向けて体が感じ取るものです。
後に説明している方法と合わせると、脳が自動的にイメージ通りのショットを実現してくれます。
練習メニュー②ショルダーカットサーブ練習
ショルダーカットサーブを実際に打つ練習です。
できれば①のボールの軌道のイメージングと合わせて行いましょう。
イメージングを行わずに、ボールを打つこちらの練習から始めても構いません。
グリップは「イースタンで短め」に。
体の横にボールとラケットを構えて、縦回転のカットを掛けます。
ボールを打つときのポイントは「ボールだけに集中すること」です。
ソフトテニスのショットに共通する感覚を磨くための最良の方法が、ボールに集中することです。
フォームは気にせず、ボールを良く見て打つことを繰り返しましょう。
ボールをよく見て、音を聴き、インパクトの感触を感じ取る。
脳は反復練習によって自動的に学習します。
ボールだけに集中してショルダーカットを繰り返すと、脳にはボールの軌道の情報が五感を通じて送り込まれます。
ボールの情報が何度も送られることで脳内では自然とパターンが発見されます。
脳内で、体の動きとボールの動きのパターンが発見されたとき。
このときプレーヤーは「自分がラケットでボールをどう打つと、ボールがどう飛ぶのか、感覚として感じられる」ようになります。
これがソフトテニスが上手くなるメカニズムです。
ボールの情報やパターンを意識して覚える必要はありません。
自転車に乗る時のように、脳が自然と学んでくれます。
練習の時の行うことは、リラックスして、ただボールだけに集中し、繰り返しカットサーブを打つことです。
ボールが思うように飛ばなくても気にしないようにしましょう。
ボールを見るだけで脳がイメージとのズレを感じ取り、ショットは自動的に修正されていきます。
ショットの結果に捉われず、淡々と、体に任せて練習を繰り返しましょう。
続けるうちに、感覚でカットサーブがコントロールできるようになります。
練習メニュー③イメージトレーニング
ソフトテニスが上手くなるためには「イメージ」の働きが欠かせません。
ショルダーカットサーブの上達にも、イメージの働きを積極的に使いましょう。
前述の通り、人間の体はイメージした方に自然と向かう性質があります。
ソフトテニスが上手い人のプレーを見ると、自然とその動きに近づこうとします。
イメージトレーニングの基本は、いいイメージを作ること。
ショルダーカットサーブのイメージトレーニングでも同じです。
・ショルダーカットサーブが上手い人の動きを見る(映像でもOK)
・自分がショルダーカットサーブを上手く打っているところをリアルにイメージする
最近ではYouTube上にソフトテニスの優れたプレーヤーの動画が多くあります。
見るだけでもソフトテニスは上達します。
トップ選手の動きを見たら、自分が理想のプレーをしているところもイメージしましょう。
ボールを打つ感触や、インパクトで鳴り響く打球音、周囲の歓声など、五感を使って臨場感豊かにイメージします。
参考:脳機能で理想のプレーを実現!ソフトテニス上達の2つ目のポイント
まとめ
●ショルダーカットサーブは、腰~肩あたりの高い打点で打つカットサーブ
●ショルダーカットサーブは縦回転がかけやすい
●軌道の特徴は「スピードが速く、ボールが沈む」→高確率で入る
●カットサーブのグリップは「イースタングリップで短く持つ」
●ショルダーカットサーブは「体の横、腰~肩あたりの高さで、縦のスライス回転を掛けるように振り下ろす」
●ショルダーカットサーブの練習メニュー
①ボールの軌道を逆算でイメージする
②ショルダーカットサーブ練習
③上級者の動きを見るイメージトレーニング
●「いいイメージを作ること」&「ボールに集中すること」がソフトテニス上達の秘訣!