本記事では、ソフトテニスのサーブの戦術を解説します。
サーブはソフトテニスのプレーにおいて唯一自分から打てるショットです。
ポイントの始めはサーブ次第で有利にも不利にもなります。
技術面も非常に重要ですが、練習したサーブの技術を活かすための戦術を考えてみましょう。
サーブの技術&戦術の基本
始めにソフトテニスのサーブについて、その技術と戦術の基本を確認しておきましょう。
サーブの技術の基本
ソフトテニスは試合展開も大切な要素ですが、まず身に付けたいのが技術でしょう。
ソフトテニスのサーブ技術で大切なのは感覚です。
ボールをどう打てばいいのかが、直観で何となく分かる。
このようなボールコントロールの感覚がサーブの技術です。
サーブの感覚を身に付けるためには、こちらの2つの練習が効果的です。
■サーブの感覚を身に付ける練習
①サーブのイメージトレーニング
②ボールだけに集中して繰り返しサーブを打つ
サーブが上手い選手の動きを繰り返し見る、イメージトレーニングを行います。
他の人の動きを見ているだけでも、脳は自分がその動作を行っているようにシミュレーションを行います。
現実にボールを打つときにはボールだけに集中しましょう。
ボールをよく見てサーブの練習を繰り返すと、脳は自動的にサーブの動きを調節してくれます。
イメージを作る→集中する
これはソフトテニスのショットに共通する上達のプロセスです。
今回の内容は戦術がメインですが、ベースとして技術を身に付けておく方が良いでしょう。
サーブ戦術の基本
サーブの戦術で最も大切なものは経験です。
経験が重要であることは、ソフトテニスの戦術全般に当てはまります。
戦術というと頭で考えるものというイメージがありますが、必ずしもそうではありません。
試合でのラリーは、サーブを打った瞬間からボールもプレーヤーも動き続けます。
ラリー中は戦術を頭で考えながらプレーはできません。
目の前の試合展開に合わせて直観的な判断を行います。
その直観のベースとなるのが、過去のゲームの経験なのです。
今回こちらの記事で解説しているのは、サーブの基本的な考え方です。
実際には相手プレーヤのスタイルや、試合の状況によって変わるものです。
サーブで狙うコースやスピードなどの大まかなイメージとしてご活用ください。
・サーブで最も大切なのは技術=感覚
・戦術は経験によって身に付く直観的な判断が重要
・理論と直観のバランスを保つ
参考:「脳が自動で戦術を学ぶ」!?ソフトテニスの試合に活かせる練習メニュー!
ソフトテニスのファーストサーブの戦術
本章では、ソフトテニスのファーストサーブの戦術を考えます。
ソフトテニスのファーストサーブは威力よりも確率を重視することが一般的です。
個人的にはエース級のサーブで積極的に攻めるのも良いと思うのですが、この話は別の機会に譲ります。
ファーストの確率を重視する理由は、セカンドサーブの場合、レシーブで攻められやすいからです。
セカンドレシーブで攻めるのはサーブの威力以外の理由があると思われます。
セカンドレシーブで攻める理由とはメンタルです。
■レシーバーのマインドセット
「ファーストサーブ=守る(返す)」
「セカンドサーブ=攻める」
やや極端ですが、ソフトテニスのレシーブにはこのようなイメージがあるようです。
「セカンドレシーブ=攻める」というセオリーは、試合の意識として共有されているのでしょう。
レシーバーの姿勢はサーブの威力そのものよりも、サーブに対する認識に従うことが多いと思われます。
人は事実ではなく、本人が持っている信念に基づいて行動します。
ガラスで作られた偽物のダイヤであっても、「本物のダイヤモンドだ」と信じている人は大切に扱います。
ファーストサーブを高確率で入れれば、その後のラリーで優位に立ちやすくなります。
・ファーストサーブは威力よりも確率を重視するのが一般的
・レシーバーは「セカンドレシーブ=攻める」という意識が強い
・ファーストが入ると心理的に優位に立ちやすい
ソフトテニスのセカンドサーブの戦術
ソフトテニスのセカンドサーブの戦術を考えていきます。
セカンドサーブで第一に大切なのは入れることです。
レシーブで攻められるよりも避けたいのがダブルフォルトだからです。
その上で相手に攻められないサーブを目指しましょう。
セカンドサーブには上から打つダブルファーストの場合と、下から打つカットサーブの場合とがあります。
どちらが良いとは一概には言えませんが、ダブルファーストの方が望ましいでしょう。
上から打つサーブの方が、レシーバーがよりネットから離れた位置でレシーブを打つからです。
ネットから離れた打球ならば、前衛もアタック止めなどのプレーがしやすくなるでしょう。
ただし下から打つ場合でも、回転を掛けてバウンドが低いサーブが打てれば攻められにくくなります。
次にセカンドサーブで狙うコースを見ていきましょう。
■後衛側セカンドサーブ:センターが基本
→相手後衛のバックハンドになりやすく、コースの打ち分けも制限できる
■前衛側セカンドサーブ:センターorクロス
→センターならレシーブで角度をつけたり、パッシングを打ったりしづらくなる
→クロスならバックハンドが狙いやすくなる
もう少し詳しく見てみましょう。
後衛レシーブ(正クロス)側のサーブ
正クロス側のセカンドサーブで狙いたいのはセンターです。
理由は主に2つ。
1つ目の理由は、右利きの選手のバックハンドになること。
フォアハンドが得意なプレーヤーは多いですから、バックハンドで打たせることで攻められなくなります。
ただし、セカンドサーブの場合はフォアに回り込んでリターンする選手も多いでしょう。
相手のタイプや状況によって、次の展開に繋げていくことになります。
センターを狙う理由の2つ目はレシーブのコースを制限すること。
サーブをクロスに打った場合、前衛のサイドパスやクロスへの鋭角なショットが打ちやすくなります。
セカンドサーブを毎回ミドルに打つ必要はありませんが、基本のコースとして使えるようにしておきましょう。
前衛レシーブ(逆クロス)側のサーブ
逆クロス側のセカンドサーブはクロスとミドルの2つのパターンがあります。
■クロスへのセカンドサーブ
前衛レシーブのクロスにセカンドサーブを打った場合。
クロスにサーブが入ると、前衛が右利きとするとレシーブはバックハンドになります。
またレシーブ後の前衛がホームポジションからやや離れた位置になります。
前衛がネット前に着くのを遅らせる効果があると言えるでしょう。
■センターへのセカンドサーブ
前衛レシーブのセンターへのサーブ。
後衛レシーブの場合と同じように、サイドパッシングや鋭角なショットなどの打ち分けが難しくなります。
以上のように、クロスとミドルのそれぞれにメリットがあります。
自分のプレーに合っている方を選んでみてください。
相手のプレーヤーによって狙いを変えるのもいいでしょう。
例えば相手前衛がバックハンドを苦手としている場合はクロス狙いで、左利きの場合はミドル狙い。
このようなコースの打ち分けも有効だと思います。
始めにも書いたように、戦術を活かすためにはベースとして技術が必要です。
狙ったコースにスピードがあるボールが打てれば、相手が読んでいたボールでも返球は難しくなります。
技術と戦術をバランス良く磨くように心掛けると相乗効果でプレーの質が高まります。
・セカンドサーブの優先順位①入ること②攻められないこと
・セカンドでもコースが狙えると攻められにくくなる
・「相手のバックハンドを狙う」「打ち分けしづらいミドルを狙う」などを練習する
参考:勝てないのは「わざと」?こうすればソフトテニスの試合で勝てる!
まとめ
●サーブはソフトテニスの試合で唯一自分から打てるチャンス
●ファーストサーブの一般的なポイントは「威力よりも確率」
●ファーストレシーブは「守り」、セカンドレシーブは「攻め」というイメージが強い
●セカンドサーブの優先事項は「入れること」「攻められないこと」
●セカンドサーブで狙うべきコースは
①正クロス(後衛レシーブ)側→ミドル
②逆クロス(前衛レシーブ)側→ミドル or クロス