【ソフトテニス】ハイブリッド!?前衛ストロークのポイント【応用編】

2020年2月25日

 

今回は、ソフトテニスの前衛ストロークのポイント、その応用編です(【基本編】はこちら)。

前衛の戦術の【基本編】【応用編】でも書いたことを繰り返すと、前衛のネットプレーでの役割は主に以下の2つです。

 

①ボレー・スマッシュを打つこと

②相手にプレッシャーをかけること

 

このようなネットプレーが前衛の役割として重視されますが、試合ではそれ以外のプレーも必須です。

ルール上、各ペア(シングルスの場合プレーヤー)はサーブとレシーブのいずれかを打つところからラリーが始まります。

また前衛プレーヤーがベースラインまで下がってプレーする場面も、試合ではしばしば見られます。

前衛のストロークで一歩先んじたプレーをするにはどうすれば良いのか、考えてみましょう。

 

前衛ストロークのポイント

基本編での前衛ストロークは、ネットに付くまでのラリーという位置づけで解説しました。

今回の応用編では、前衛を単なるネットプレーヤーとは考えません。

 

ベースラインでも高いパフォーマンスが可能なオールラウンドプレーヤーをイメージしています。

【応用編】でご紹介する、試合での前衛ストロークのポイントは2つ。

 

①陣形を自由に認識する

②高い自己イメージ(フレーム)を作る

 

今回の内容は、すぐに試合で実践することはお薦めしません。

これまでの雁行陣(前衛・後衛と分かれるオーソドックスな陣形)から、その現状の外側へと向かうための一つの考え方として捉えてください。

 

①陣形を自由に認識する

前衛・後衛という枠にとらわれず、ソフトテニスの陣形を自由に認識します。

 

そもそもソフトテニスに前衛・後衛はありません。

ルールにその記載がないからです。

 

試合の戦術における選択肢として「後ろでストロークのラリーする後衛」「前でボレー・スマッシュを打つ前衛」という役割を設定しているにすぎません。

突き詰めれば「私は前衛」「私は後衛」という認識があるだけで、そこには実体がないということです。

 

現にダブル前衛と呼ばれる戦術が出てきた当初は画期的で、それまでの雁行陣の戦術が通用しない状況が続きました。

ダブル前衛が活躍し始めた背景には、ルールが改正され、サービス時にペアが前に立てるようになったこともあるでしょう。

 

ですが、ダブル前衛がルール上できなかったわけではありません。

もともと可能だった陣形ですが、それを取らなかったのは自分で自分の思考や行動を制限していたから。

 

イメージの限界が私たちの限界を決めます。

 

ルール上前衛・後衛という区分はなく、それぞれのプレーヤーのプレーにも制約はない(ネットタッチなどを除きます)。

ということは「自分は前衛だと思っているプレーヤー」がベースライン付近でプレーするとき、前衛らしいプレーをする必要はないということです。

 

ネットに付くまではストロークを繋いで、前に出てから攻めるのも一つの形です。

一方で「前衛」が後ろで攻撃的なラリーをするのも自由です。

 

実際に早稲田大学出身で天皇杯優勝経験もある星野選手は、自分のセカンドサービス時は後ろでラリーをします。

機を見て強烈なシュートボールでパッシングを打つ場面も珍しくありません。

 

現在早稲田大学所属の上松選手も、相手がダブル前衛の場合などは後ろでプレーします。

シングルスで全日本2位に入るストローク力があるからとも言えますが、陣形としては可能だということでしょう。

 

②高い自己イメージ(フレーム)を作る

こちらは①の陣形を自由に認識することと表裏一体です。

先ほど、ルール上陣形は自由で「自分は前衛だ」という認識があるのに過ぎないと書きました。

 

ポジションが認識に過ぎないとすれば、その枠組み=フレームを自分の好きなように書き換えることも可能です。

前衛という基本の自己イメージを否定する必要はありません。

前衛のスペックは含みつつ、さらに進んだ自己イメージを作るのがお薦めです。

 

「後ろに下がっている時の自分は後衛。ペアはダブル後衛として機能する」

「自分はどのポジションでもハイレベルなオールラウンダーだ」

 

このように、前衛としてのプレーを維持しながらも、ワンランク上のプレースタイルをイメージします。

「認識を変えたところで現実のプレーを変えなければ意味がない」と思われるかもしれません。

ですが、現実の自分のプレーを変えるためには、まずは行動を引き起こすためのイメージ=思考の働きが不可欠です。

 

 

人は自分のステータス(社会的地位)に応じた振る舞いを無意識にしてしまう傾向があります。

本人が抱いている自分に対するフレームが、その人の性格や態度となって現れます。

本人がステータス通りに振る舞おうと意識している必要はありません。

人脳は、無意識のうちに自己イメージと現実を整合させる働きがあります。

 

『スタンフォード監獄実験』と呼ばれる心理実験をご存知でしょうか?

【スタンフォード監獄実験】

スタンフォード大学で行われた心理実験。一般市民が監獄そっくりの場所で、看守役囚人役をそれぞれ振り分けられると、被験者の考え方や振る舞いがその役割通りになることが示唆された(近年では実験結果に疑問も上がっているようですが)。

 

脳は一つの整合性の取れた(つじつまが合っている)世界を維持しようとします。

現在の自分のプレーと自己イメージとの間にギャップがある場合、どちらか一方しか選べません。

高い自己イメージを維持すれば、それを実現するための行動や能力が後から身に付きます。

 

参考までに、ソフトテニス史上最強!?超一流後衛&前衛の動画でイメージトレーニング!で取り上げている楊・李ペアの試合映像をご紹介します。

 

雁行陣・ダブル後衛・ダブル前衛を流動的に使い分けてプレーしています。

雁行陣では前衛側の李選手が後ろで楊選手が前という、前後が入れ替わった陣形でも高度なラリーを披露しています。

楊選手と李選手が、ともにハイレベルのオールラウンダーとしてプレーしていることが見て取れます。

上手いから自己イメージが高まるのではなく、自己イメージを上がると上手くなるという因果関係です。

 

赤のユニフォームの選手が楊勝發選手、白のユニフォームの選手が李佳鴻選手です。

 

参考:ソフトテニスで前衛にも後衛にも不可欠な「エフィカシー」

 

前衛ストロークの技術

前章までで、前衛ストロークをマインド理論を中心に解説してきました。

ここからは技術的なポイントについて解説したいと思います。

 

サーブ・ボレー・スマッシュなどの種類に関わらず、重要なのは「ボールに合った打ち方をすること」です。

これは、フォームを覚えて形を合わせるということではありません。

ソフトテニスの技術で大切なのは感覚です。

感覚でボールに対して最適なスイングができるようになるということです。

 

ソフトテニスの試合では、狙ったところにボールが打てる技術があることが基本です。

試合展開などもありますが、ボールコントロールの技術がベースにあって、戦術が活きてるものです。

 

ストローク技術がアップする練習方法

ボールに合った打ち方をする方法は簡単で、それはボールをよく見て打つことです。

ボールをよく見て打つことが習慣になると、正確なインパクトでボールが打てます。

 

感覚を身に付けるためには継続が必要です。

ボールをよく見ることを行って、すぐに最適なスイングができる訳ではありません。

繰り返し練習を行うことで脳内で新しいネットワークが作られ、技術が上がっていきます。

 

ボールを見ると言っても、実際にはインパクトの瞬間のボールをはっきりと見ることはできないでしょう。

大切なのはボールに意識を向けている状態を習慣化することです。

ボールをよく見て意識を集中していると、脳がボールの動きを察知して、正確なストロークが打てるようになります。

 

イメージを現実に再現する方法

ソフトテニスの高い自己イメージを作れば、現実のプレーのレベルが上がる。

これが前章で確認したことでしたが、イメージはプレー中に行う必要はありません。

プレー中はあくまでボールをよく見て集中しましょう。

 

人間は無意識に自己イメージ通りの振る舞いをします。

例えば、「テストの成績を上げたい」と本人が思っていても、勉強をせずに別のことをしてしまうということがあります。

この場合、テストの点数についての自己イメージが低く、無意識が現状維持へと働いています。

 

ソフトテニスのプレーも自己イメージが上がれば、脳は自然とイメージを実現しようとします。

プレーしていないところでイメージトレーニングを行い、現実のプレーはボールだけに集中する。

そうすれば、思い描いたイメージが自動的に現実のプレーとして再現されます。

 

「イメージ」「集中」

これら2つをバランスよく実践することが、前衛が次のレベルへと進む鍵となります。

 

参考:ソフトテニスで一歩先行く?「アルファ前衛」「アルファ後衛」になる方法!

参考:【ソフトテニス】現実を超える!?「バーチャルテニス」を実装する練習メニュー!

 

まとめ

●前衛のネットプレーでの主な役割は2つ

①ボレー・スマッシュを打つこと

②相手にプレッシャーをかけること

●前衛ストロークの応用的なポイントは2つ

①陣形を自由に認識する

②高い自己イメージ(フレーム)を作る

●イメージの限界が自分の限界→現在のフレーム(枠組み)の外側へと自己イメージを高める