本記事では、雨天のソフトテニスの試合で安定してボールを打つ方法を解説しています。
屋外スポーツなので雨の日はボールを打たないのが基本ですが、雨上がりの場合などもボールはぬれています。
経験者の方はご存知のように、ソフトテニスはボールが濡れていると普段と飛び方が変わります。
雨の日でも普段通りにストロークが打てる方法とはどのようなものなのでしょうか?
雨の日のストロークについて
雨の日や湿度が非常に高い日は、ボールが濡れてしまいます。
もちろん雨が強いと練習や試合はできないはずですが、実際には多少の雨でも試合を行うケースがあります。
ストロークでボールが「ふく」とは?
濡れた状態のボールを打つと、いわゆる「ボールがふく」ということが起こりがちです。
ボールがふく原因ははっきりとは分かりませんが、経験的には以下のような傾向が見られます。
■ボールが「ふく」原因
①面が薄い(インパクト時に面が下を向きすぎている)
②ドライブ回転が過剰にかかっている
ふいたときにはボールが沈まず、通常より遠くまで伸びます。
ソフトテニスは「ボールがネットを越えて相手コートに入る」ことが求められます。
当たり前のことではありますが、このルール設定によってプレーの性質がかなり決められています。
それがドライブ回転を掛けてボールを打つということです。
ドライブ、つまりトップスピン系の回転をかけると、回転と空気抵抗の関係でボールが沈みます。
ドライブを掛けることで、ネットを越えてから落ちるような軌道のショットを打つことができる。
特にストロークではドライブを掛けたショットが不可欠です。
雨天時や雨上がりでボールが濡れていると、ボールがふいて伸びてしまいます。
ボールがふくのは雨の日に限ったことではなく、ラケット面が薄く当たると晴れの日でも起きることです。
ボールが伸びすぎると狙ったポイントに入らず、ミスに繋がる可能性があがります。
普段からボールがふかないストローク技術を身に付けておくと確実性が上がるでしょう。
雨天でも安定したストロークを打つためのポイント
先ほど確認した通り、ボールがふくのはラケット面が薄く当たってドライブ回転が掛かりすぎた時だと考えられます。
対策としては以下のようなアドバイスが一般的ではないでしょうか。
「面を厚くする打ち方を意識する」
「回転量が少ない打ち方を意識する」
これらは原理として間違いではありませんが、方法として実践が難しいだろうと思われます。
「薄いラケット面」「ドライブ回転の掛かり過ぎ」などの特徴は「原因」ではなく「結果」だからです。
改善のためにはスイングという「結果」を引き起こしている、本当の「原因」の側にアプローチする必要があるでしょう。
ボールにラケット面が厚く当たると、ドライブ回転が掛かり過ぎずボールがふかない。これ自体は正しいと思います。
問題はラケット面を意識してコントロールするという点です。
ソフトテニスのインパクト時に、ラケット面の角度を意識するのは現実的ではありません。
ストロークで打つボールは毎回変わります。
飛んでくるボールのコースやスピード、スピンなどが同じことはまずあり得ません。
そしてそのボールを、自分自身も違うコースへと打ち分けるのがソフトテニスのラリーです。
そのためには毎回違うスイングを行わなければなりません。
毎回変わるボールに対して、毎回違うスイングで正確にインパクトしてボールをコントロールする。
ラケット面の角度を考えて操作しようとすると、ソフトテニスのショットは正確にはできません。
ボールがふかない安定したストロークも、ラケット面を意識する方法では実現できません。
そこで重要なのが感覚です。
体の直観的な働きによって、最適なインパクトを実現する。
これが雨の日でも安定したストロークを打つための方法です。
次章ではその具体的な方法を見ていきましょう。
参考:ソフトテニスの正しいフォーム=言葉の文法?言葉でソフトテニスが見えてくる!
雨の日に安定したストロークを打つ方法
面が薄くドライブ回転が過剰にかかるとボールがふく。
ボールに対して正確なラケット面でインパクトができれば、雨の日でもストロークは安定します。
これは言い換えると「ボールに合った打ち方ができていない」ということです。
正確なショットを打つためには、ラケット面がボールに合った角度&スピードでインパクトします。
ではボールの動きにラケットの動きを合わせられるのでしょうか?
それにはボールのことを知る=ボールの情報を脳が受け取ることが不可欠。
ボールの情報とはスピードやスピン、コースといったボールの振る舞いのことです。
このようなボールの情報が正確にキャッチされていなければ、自分の体の動きを合わせることはできません。
晴れの日と雨の日とではボールの動きは変わりますが、ボールの情報を受け取ることには変わりありません。
普段の練習から正しくボールの動きを察知する練習を行うことで、雨の日も正確なインパクトが可能になります。
ボールを打つときにポイントとなるのがボールを感じることです。
ボールにしっかりと意識を注ぎ、五感で感じ取ります。
感じるというのが分かりにくければ、ボールをよく見るというのでOKです。
頭で考えて操作されたフォームは、今まさに目の前にあるボールに合わせた動きではありません。
フォームを頭で考えているとき、プレーそのものとは別のものに意識が向いています。
ボールだけに意識を集中して体の自然な動きに任せれば、脳が受け取ったボールの情報をもとにスイングを最適化します。
また、自分が打って飛んでいくボールもしっかりと見るようにしてください。
飛んでいくボールを見ると「自分が打ったボールの軌道」を脳がデータとしてキャッチします。
スイングの結果からフィードバックを受け取り、次のプレーが自動的に修正されていきます。
ボールを感じる練習を繰り返すと「どう打つと、どう飛ぶか?」ということが感覚で分かるようになります。
ラケットとボールの動きの関係が脳内で学習され、ボールタッチが磨かれていくのです。
ラケット面でボールを操作する感じが身に付くことで、雨天の試合でも安定してストロークを打つことができるようになります。
「この打ち方をするとボールがふきやすい」
「この打ち方だとボールはふかない」
このようなスイングの判断が直観的に行えるでしょう。
結果を見ればボールとラケット面が厚い角度で当たることにはなりますが、形を意識して行うのとは大きな違いがあります。
フォームを意識してラケット面を厚くしようとすると、細かな調整はできません。
前章で書いた通り、毎回変わるボールの動きに正確なインパクトで合わせることができなくなります。
ボールを感じる練習で身に付けた感覚があれば、雨の日の繊細なインパクトも自然と調節ができます。
このタッチの感覚は晴れの日のプレーにも重要なものです。
ぜひ練習を実践して身に付けてください。
参考:「マニュアル対応」をやめればソフトテニスが上手くなる!
参考:【ソフトテニス×脳科学】「脳の気持ち」になって考える上達のコツ!
まとめ
●晴れの日でもあり得るが、雨の日は特にボールがふきやすい
●ボールがふく時に見られる特徴は2つ
①面が薄い(インパクト時に面が下を向きすぎている)
②ドライブ回転が過剰にかかっている
●「ボールがふく」≒「ボールに合った打ち方ができていない」
●ボールに意識を注ぎ、ボールを感じることで、脳がボールの情報をキャッチし、スイングが最適化される