本記事では、前衛と後衛を入れ替えて行う練習メニューをご紹介します。
普段の練習メニューに取り入れることは難しいかもしれませんが、遊び感覚でやってみると意外に練習効果があります。
練習メニュー「前衛・後衛入れ替えゲーム」の効果
「前衛・後衛入れ替えゲーム」のやり方は簡単。
名前の通り、普段前衛をしている人が後衛をして、普段後衛をしている人が前衛をします。
ポジションを入れ替えてのゲームは一見遊びのようですが、遊びの効果はあなどれません。
真剣に上手くなりたい方こそ、遊びの感覚は大切です(ソフトテニスが756倍上手くなる上達法とは!?)。
遊びは創造的なものだからです。
繰り返し同じ練習をするのも大事ですが、過去の延長から抜け出すためには、変化をつけることも大切です。
いつもと違うコースや違う練習メニューを試してみると、これまでなかった「新しい発見」があるものです。
過去から続けてきたものと、これまでと違う何か、これら両方をバランス良く見つめることが理想です。
練習メニュー「前衛後衛入れ替えゲーム」を行うことで、以下の2つの効果が期待できます。
①試合相手や自分のペアの視点が身につく
②幅広い技術(ゲシュタルト)が身につく
一つずつ確認してみましょう。
効果①試合相手や自分のペアの視点が身に付く
普段と違うポジションでプレーを行うことで、普段と違う視点が身に付きます。
「相手の立場に立って考える」ことは大切で、それは想像することでもある程度は可能です。
ですが最も確実に相手の立場が分かるのは実際に相手が体験していることを自分も体験することです。
前衛・後衛というポジションも現実に体験してみることが一番リアルです。
後衛→前衛に変わった場合と、前衛→後衛と変わった場合に分けて考えてみましょう。
■後衛→前衛の場合
後衛は普段、相手前衛につかまらないようにラリーをします。それは後衛側の視点です。
後衛をしている人が前衛のポジションに立った時、前衛から見た後衛のプレーが分かります。
つまり、普段のプレーで相手前衛から自分がどのように見えているのかが実感できます。
「これをされると嫌だな」
「これはあまり効かないな」
前衛の目線で感じられることがあるはずです。
これは自分のペアの前衛の視点を体験することでもあります。
自分の配球がペアにとってどのようなものかを感じることができます。
「浅いボールだと動きにくい」とか「後衛がラリーしないと勝負ができない」など、ペアの気持ちをより理解しやすくなります。
自分のプレーにフィードバックができる訳です。
■前衛→後衛の場合
本来のポジションが前衛の場合、相手の後衛のボールを取ることが基本のプレーになります。
前衛から後衛になることで、後ろでラリーする側の視点を体感することができます。
「ボールを打つ時には前衛がどう見えるか?」
「ストロークをどこに打ちたくなるか?」
ベースラインでラリーを行う時の体感が得られます。
本職の前衛に戻ってプレーするとき、相手後衛から自分がどう見えているのかが感じられるようになります。
またペアの後衛の役割を自分が経験する訳ですから、ダブルスでのチームワークにも役立つでしょう。
次に、2つ目のポイントです。
②幅広い技術(ゲシュタルト)が身につく
人間の知識や技能は、全体像=ゲシュタルトが作られると部分のレベルが高まります。
ソフトテニスが上達するとは「ゲシュタルト」を作ること!でも解説しましたが、広く学ぶことで、一つ一つの知識や技術がお互いに繋がりを持ちます。
推理小説で途中に読んだ内容は、最後まで読んで全体像を理解することでより深い理解が得られます。
全体のストーリーを知ることで、文章の繋がりが見えるからです。
ソフトテニスでも、ボレーの技術を身に付けることでストロークも上手くなります。
サーブ、ストローク、ボレーなどの技術は分けられるものではなく、お互いに繋がりを持つものだからです。
前衛と後衛の両方を経験し技術を磨くことで、本来の自分のポジションのレベルアップが望めます。
・前衛・後衛というポジションを入れ替えることで視点が変わる
・ソフトテニスは対人競技で、試合には相手プレーヤーの視点が不可欠
・技術の幅が広がると一つ一つの質も上がる
参考:ソフトテニス史上最強!?超一流前衛&後衛の動画でイメージトレーニング!
前衛・後衛両方の技術を身につける
先ほどのゲシュタルトの説明にもあったように、ストローク技術もボレーの経験がある方が完成度が上がります。
個別の技術を別にしても、オールラウンドなプレーを身に付けることは大切です。
前衛・後衛というポジションに関わらず、多彩な技術が求められる試合展開があり得るからです。
後衛が前衛のプレー=ボレー・スマッシュを身につける場合。
後衛選手でも前に走らされたときは、そのまま前に詰める方がプレーしやすい場面があります。
このときはダブル前衛の形になるため、後衛プレーヤーもボレーやスマッシュができる方がいいでしょう。
前衛が後衛のプレー=ストロークを身につける場合。
前衛はレシーブを打つため、ストローク技術は普段のプレーでも求められます。
また、ネット前に出る余裕がない場合は前衛プレーヤーもベースラインでラリーをします。
ネットプレーがメインとは言っても、常に雁行陣の形でラリーができるとは限りません。
前衛でもストロークの技術がある方が理想的です。
シングルスの試合でも同様に、前衛・後衛の両方の技術を持っていることが望まれます。
そもそもダブルスの前衛・後衛というポジションの記載はルール上ありません。
プレーヤーが動きうる範囲の中で、1つの選択肢として雁行陣を選択していることになります。
ということは、ポジションに捉われないオールラウンドなプレーを行うのも自由です。
本職のポジションと同じレベルに至るのは難しくても、普段と違うポジションの練習はプレーの幅を広げてくれます。
・試合では「後衛が前に出る場面」、「前衛が後ろでプレーする場面」があり得る
・前衛、後衛という枠に捉われないオールラウンドなプレーも選択肢
参考:最短距離で上達!ソフトテニスの練習メニューの「公式」とは?
参考:ソフトテニスの練習メニュー「乱打+α」は楽しい&上達する!
まとめ
●「前衛・後衛入れ替えゲーム」で身につくことは2つ
①相手プレーヤーや自分のペアの視点が身につく
②幅広い技術(ゲシュタルト)が身につく
●いつもと違うポジションの練習は、自分の本来のポジションの練習にもなる
●幅広い技術や戦術を身につけておくことで自由なプレーができる