本記事では、ソフトテニスで現状を打ち破るための練習メニューについて考えてみたいと思います。
練習メニューそのものではありません。
ソフトテニスが本当に上達するための練習メニューの「条件」や、その「見つけ方」を解説していきます。
ここで紹介している方法は、勉強など他の分野にも応用することができるものです。
今の練習メニューの効果はどのくらい?
「変化なきところに進化なし」
皆さんはこんな言葉を聞いたことがありませんか?
この言葉に見られる考え方が、今回ソフトテニスの練習メニューを考えるために通底しているものです。
■練習メニューのポイント
・飛躍的な成長を成し遂げる
・現状の外側へと踏み出す
これらを現実のものとするためには、「変化」を引き起こすことが必要不可欠です。
これまでと同じことを続けても、辿り着くのはこれまでの延長線上になるでしょう。
これまでと違う成果を得るためには、これまでと違うことをしなければなりません。
ソフトテニスで飛躍するための変化については後程詳しく見ていきましょう。
本章でまず行いたいことは、現在行われているソフトテニスの練習メニューについての分析です。
以下の2つのステップに分けて行いましょう。
ステップ①は「個人レベル」。
現在、皆さんご自身が行っている練習メニューを見つめ直します。
ステップ②は「集団レベル」。
ソフトテニスでこれまで広く常識とされてきた練習メニューについて、今一度考えてみます。
ステップ①「自分の練習メニュー」の効果を分析する
始めに押さえておいて頂きたいことがあります。
それは「現在の自分のプレー」=「これまでの自分の練習メニューの結果」であるということです。
今まで自分が行ってきた練習で、どれくらいの効果があったのか、一度立ち止まって整理してみるといいでしょう。
「自分は上手くなろうと思って練習している。今の実力には納得していない」
本人にはこのように感じられていても、練習を原因として今のプレーが結果として現れています。
理科の実験でも、行った手続きの結果が現象として現れます。
実験に取り組む態度というよりは、正しい方法で実験のプロセスをこなしたかどうかが結果を決めるのです。
自分がどう思っているかではなく、客観的な事実と向き合うことがソフトテニス上達の近道です。
今の実力に納得していないのならば、なおさら正確な分析が重要になります。
ソフトテニスが上手くなる練習とは、効率の高い練習です。
反対に、ソフトテニスが上手くならない練習は効率の低い練習です。
いくら熱心に練習を行っていても、効率が低ければ上達はしません。
正しい練習のイメージを掴むためにこんな例で考えてみましょう。
自転車に乗れない子供が、これから乗れるようになりたいと思っています。
その子は一生懸命に「人体の仕組み」や「自転車の仕組み」の本を読んで、自転車には乗る気配がありません。
自転車に乗れるようになりたいのなら、自転車に何度も乗って練習をするべきですね?
効率の低い方法で練習すると、本人の意欲と関係なく成長が難しくなります。
ソフトテニスの場合は自転車の例ほど極端ではありませんが、練習の効率については冷静に見つめ直すべきだと思います。
現在の自分の実力に不満がある場合、これから何らかの変化を起こしてみるのもいいでしょう。
ステップ②「一般的なソフトテニスの練習メニュー」を分析する
多くの人が行っているソフトテニスの一般的な練習方法について、その効果を考えます。
先ほどの「自分の練習メニュー」は、それを行っている本人にしか分かりません。
しかし一般的な練習メニューについては、誰にでも考えることができます。
ソフトテニスプレーヤーが共通して持っている常識や練習方法を対象にすればいいからです。
一般的な練習メニューを見つめ直すにも、考え方の基本は先ほどと同じです。
つまり、多くのソフトテニスプレーヤーの上達の度合いが、広く実践されている練習メニューの効果です。
「どのような練習で、どのくらい上達しているのか?」
正確なデータはありませんが、現在伺い知れる範囲で考えていきましょう。
一般的なソフトテニスの練習メニュー
ソフトテニスで広く行われている練習は、打ち方=フォームを指導する方法であるように思われます。
日本全国の何パーセントかは分かりませんが、ヒントはいくつかあります。
■ソフトテニスの一般的な練習法
①ソフトテニスの教本に書かれている練習方法がフォームを中心とした理論であること
②ソフトテニス指導現場やインターネット上の質問・解答がフォームを中心とした内容になっていること
これらはソフトテニスに関係する全ての情報を網羅はしておらず、正確性に欠けるものではあります。
本稿においては、ひとまず「一般的なソフトテニスの練習方法はフォームを重視するもの」と仮定して話を進めたいと思います。
一般的なソフトテニスの練習の効果
自分が行っている練習の結果は、今の自分のプレーそのものでした。
多くの人が行っている、ソフトテニスの常識的な練習方法の結果とは何でしょうか?
一般的な練習メニューの効果は、多くのプレーヤーの体験そのものです。
「従来ソフトテニスをプレーしてきた人が、どのくらい上手くなったか?」
「上手くなれるとして、全体のうちのどの程度の割合だったか?」
ソフトテニスの全日本クラスのプレーヤーもまた、これまで練習を行ってきた人たちの一部です。
しかし、多くの人はトップ選手のプレーを見て「どうやったらあんなショットが打てるのか?」と疑問を持っているようです。
全体の割合で見ると、ソフトテニスのプレーで高い技術を身につけられた人は少ないでしょう。
それが、これまで一般的とされてきた練習メニューの効果です。
どれほど多くの人が実践してきている常識的な方法であっても、それが正しいとは言えません。
多くの人が上達を実感できない方法であれば、それはその方法が間違いだということです。
上達の度合いは、以下のような理由で済まされるべきものではありません。
「努力が足りない」
「才能の違い」
本当の理由は、練習の質=効率にこそあります。
練習時間が短めでも上手くなる人は実際にいます。
環境が変わって突然上手くなる人もいますから、もともと備わっている才能の差が原因とも思えません。
練習の方法が正しければ、ソフトテニスは上手くなる。
現状の外側への飛躍を成し遂げる、本当に効果がある練習メニューとはどのようなものでしょうか?
本当に上手くなる練習メニューを実践する方法とは?
これまでの練習の効果に満足していないならば、練習を変えるべき。
これが冒頭で掲げた「変化なきところに進化なし」という言葉に表されることです。
一つの方法を継続することも、物事を学習するためには必要なことです。
いくら効率が高い方法を実践しても、継続しなければ効果はでません。
ただし、一定期間(例:3カ月以上)継続をして効果が感じられない場合、方法そのものを疑ってみる方が合理的。
これまでソフトテニスを継続して練習してきて伸び悩んでいる方は、変化が必要なタイミングかもしれません。
もちろん、ただ闇雲に変えればいいというわけでもありません。
より効率の良い方法を知り、それを実践する。
さらに新しい方法を一定期間の継続をすることで、初めてその効果が現れます。
ソフトテニスに望ましい変化を引き起こす方法とは?
ここからは実践ワークをご紹介します。
冒頭でも説明した通り、以下の方法は勉強方法などにも応用することができます。
ワーク①高い視点から見つめる
物事を高い視点から見つめるようにします。
実はこの方法は、先程の練習メニューの分析にも繋がっているものです。
「現在自分が行っている練習方法は正しいのか?」
「一般的なソフトテニスの理論は正しいのか?」
感覚としては、「疑う」「疑問を持つ」ような状態です。
情報を鵜呑みにせず一度疑ってみることで、その外側にある可能性が見えるようになります。
せっかくソフトテニスを意欲的に練習していても、効果の低い方法をひたすらに行うのはもったいない話です。
なぜ高い視点で見ると良いのでしょうか?
皆さんが立体迷路の中にいると考えてみてください。
目の前には壁が立ち並んでいて、進むべき方向は分かりません。
迷路を抜け出すことができる、正しい道筋が見えるのはどのような人でしょうか。
それは「上空から迷路を見ている」ときです。
問題の中に入り込んでいては、解決法を見つけ出すのは難しくなります。
物事を高い視点から見つめると、冷静に正しい判断がしやすくなります。
先ほども、従来の練習方法を立ち止まって分析してみました。
多くの人が言っていることには説得力がありますが、整理してみると間違っていることもあります。
「他にもっといい方法があるのでは?」
このような疑問を持つことが、新しい発見のスタートです。
自分が生み出した疑問は、その答えが知りたいという意欲が湧きます。
クイズなどの問題は、自分で考えて解くことそのものが楽しみ。
本来新しいことを知り、自分で考えることは楽しいものです。
現状の外側へと一歩を踏み出すためには、自ら疑問を持って、高い視点で考えることが大切でしょう。
ワーク②「目標」=「あるべき姿」からバックキャストする
バックキャストとは逆算のこと。
つまりこの方法は「目標から逆算」するということです。
マインドの理論は他の記事でも度々触れていますが、練習メニューを革新するためにも重要になります。
目標を設定すると、達成方法が見えてくる
ソフトテニスで自分が目指したい理想のプレーを目標として設定します。
目標は現在のプレーのレベルは関係がなく、高ければ高い程いいものです。
現在の自分と目標とするプレーのイメージのギャップが、ポジティブな変化をもたらすモチベーションを生み出します。
高い目標を設定すると、達成の方法が後から見えるようになります。
効率の高い練習メニューが後から見つかるということです。
ナビでの道案内を例に考えてみましょう。
ナビの中には日本中、あるいは世界中の地図データが入っています。
ですが、目的地を設定しなけばランダムな情報でしかありません。
必要なルートを発見するためには、始めに行き先を決めること。
未来の目的地を設定することで、バラバラだった情報が意味を持つものとして浮かび上がります。
脳のフィルター機能を活かせば、練習メニューが見つかる
人間は世界をありのままに見ている訳ではありません。
一人一人が自分の心のフレーム(枠組み)を通して、自分にとって重要な情報だけを見ています。
脳にはRAS(ラス)と呼ばれるフィルター機能があります。
ラスによって不要と判断された情報は見えなくなります。
人間は心理的な盲点=スコトーマを持っています。
ラスが集める情報は、自分の自己イメージに合わせたものになります。
本人が「上手くなりたい」と思っていても、自己イメージを変えなければ無意識は現状維持を優先してしまいます。
ソフトテニスの高い目標を設定し、自己評価を上げましょう。
「すでに目標を達成している」あるいは「自分にその能力がある」というイメージを日々強化していきます。
そうすると高い自己評価に合わせて、目標達成のための方法が後から見えるようになります。
これは、行き先を先に決めることでそのルートが見えてくることと全く同じ。
未来になりたいイメージを先に設定してしまえば、必要な情報は後から見つかります。
~あらゆる分野で現状の外側へ~
すでに触れた通り、今回ご紹介している方法はソフトテニスに限ったものではありません。
例えば、勉強を例に考えてみましょう。
現在の自分の知識・教養は、これまでの自分が行ってきた勉強の成果です。
「もっと成績を上げたい」と思いながらも、現実にはなかなか変わらない…
これまでと違う成果を得たいと思うならば変化が必要です。
勉強でこれから変化を引き起こすにも、先ほどと同じプロセスが使えます。
自分のこれまでの行動や成果を高い視点で見つめましょう。
そして、「勉強ができる自分」という目標からバックキャストして考えます。
望ましい変化を引き起こすための方法は、後から目に入ります。
音楽や美術、ビジネスであっても基本は同じです。
まとめ
●今の自分のプレーがこれまでの練習の成果
●高い視点で物事を見つめる習慣を持てば、アイディアが生まれやすくなる
●目標からバックキャストすれば、達成のための方法は後から見つかる
●ソフトテニスが上手くなるための情報は後から見つかる
●人は心のフレームを通して世界を見ている→心理的な盲点(スコトーマ)がある