【ソフトテニス】前衛ボレーのコツ「ラケットは振らない」は正しいのか?

2020年5月26日

今回は、ソフトテニスで前衛のボレーが上手くなる方法を解説しています。

タイトルにもあるように、特に「ボレーは振らない」というアドバイスに焦点を当てています。

ボレーについて誰もが聞いたことがあると思われるこちらのアドバイスは、果たして正しいのでしょうか?

前衛のボレーが本当に上手くなるために必要なこととは何なのでしょうか。

正しい知識を身につけて実践を行うことで、ソフトテニスの上達は加速します。

 

前衛の「ボレーは振らない」は正しいのか?

ソフトテニスの前衛ボレーのコツは、「ラケットを振らないこと!」とよく言われます。

皆さんもこのようなアドバイスを聞いたことがあるのではないでしょうか?

一見正しそうなのですが、正確とは言えないと思います。

 

詳しい説明の前に、本章のポイントをまとめておきます。

 

Point

・全日本クラスの選手でもボレーを振ることがある

・ボールによってラケットを振っていい場合と振ってはいけない場合がある

・正しいボレーのスイングは、ボールに合ったスイング

 

ボレーを打つときはコンパクトな打ち方の方が上手くいく場面が多いことは事実です。

インパクトの瞬間だけ力を入れて反発で飛ばすような打ち方です。

 

しかし本当に身に付けるべきことは、ボレーの形を覚えることではありません。

ボレーの技術の本質をつかむためには、ボールの動きに合わせる感覚を身に付けることです。

 

「形を覚えること」「ボールに感覚で合わせること」

これらは外目には同じボレーのように見えますが、技術のレベルにははっきりとした差があります。

本当にボレーが上手くなるポイントについて、順番に確認してみましょう。

 

ポイント①前衛選手の現実のプレーから考える

「ボレーは振らない」という前衛についての理論を、実際の選手のプレーから考えてみましょう。

 

ソフトテニスのボレーには「ランニングボレー」「ハイボレー」など、いくつかの種類があります。

ラケットを振らないことが強調されるのは、ランニングボレーについてでしょう。

これは、相手のシュートボールに対してネット前についてボレーする場面です。

 

確かに、ランニングボレーでラケットを振るのは難しいと思います

相手後衛との距離が近くボールにスピードがあるので、そもそもスイングする時間的な余裕がありません。

 

一方で、ハイボレーはラケットを大きくスイングします。

ハイボレーは浮いた球を打つことが多いので、しっかりとラケットを振って威力を出します。

 

ランニングボレーと同じノーバウンドのボールを打ちながら、ハイボレーはラケット振る。

「ボレー=振らない」と一括りに捉えると、これらの違いが正確に説明できません。

 

 

正確に言えば、ランニングボレーでもラケットをスイングする例は実際にあります。

例えば2016年の天皇杯で優勝した星野慎平選手(当時早稲田大学/ペアは船水颯人選手)。

星野選手はランニングボレーでラケットを大きくスイングする場面が多くあります。

時にはディフェンスボレーでもラケットを振り、正確にボレーを決めます。

 

ボレーは振らないと言いながらも、自然とハイボレーは大きくラケットを振って打っている。

全日本のチャンピオンになるような前衛選手でも、通常のボレーを振る場面がある。

「ボレーではラケットを振らない」というアドバイスは、現実のプレーとずれがあるように感じられます。

 

ポイント②ストロークとの比較で考える

ストロークとの比較で見ると「ボレーは振らない」ことを考えるヒントになります。

ベースライン付近からストロークを打つときは、ラケットをしっかりと振らなければ威力のあるボールは打てません。

 

しかしネット前のバウンドが低いボールへの対応などは、自然とコンパクトなラケットワークを行います。

これはカットサーブのレシーブを想像すると分かりやすいでしょう。

バウンドの低いカットサーブを返すときにベースラインで乱打をする時のようなスイングをすると上手く打てないことは感覚的に分かります。

 

ネット前などで使われるコンパクトなストロークの動きは、ローボレーの動きと基本的に同じです。

つまり「ノーバウンドで打つボレー」なのか、「ワンバウンドで打つストローク」なのかでスイングの線引はできません。

 

・ボレーは振らない時もあれば、振る時もある

・ストロークはラケットを振る時もあれば、振らない時もある

 

実際のプレーと照らし合わせて考えると、「ボレーは振らない」というアドバイスと実情が合っていない点が浮かび上がります。

 

以上が①実際の前衛選手のボレー②ストロークとの比較での説明でした。

これらの事実を前提にして、次章でボレーが本当に打てるようになる理論を解説したいと思います。

適切な理論を理解していれば実践もよりハイレベルになるでしょう。

 

参考:ソフトテニスの戦術を試合で活かすためのポイント

 

前衛のボレーで本当に大切なこと

「ボレーは振らない」が正確ではないとすると、前衛のボレーで本当に大切なことは何なのでしょうか?

ボレーは正しくは「ボールによって振ってもいい場合と、振ってはいけない場合がある」です。

 

前章でも触れた通り、本当に上手くなるためには「ボールに合った動きができる感覚」を身に付けることが必要です。

最適なボールの打ち方が、何となく感じられる状態です。

 

ボレーのポイントをまとめると、以下のようになります。

 

Point

・前衛は相手プレーヤーとの距離が近く、ボールが到達するまでの時間が短い

・シュートボーに対するボレーは時間に余裕がないが、ラケットを振らなくても反発で飛ぶ

・浮いたボールなどは時間的な余裕があるため、スイングボレーで打てる

 

ここからは、ボレーの理論を整理してみます。

 

理論①前衛のポジションから考える

ボレーにはラケットを振ると間に合わない場合がありますが、それぞれはどのような時でしょうか?

前衛というポジションの特徴から、ボレーのスイングについて考えていきます。

 

・前衛はネット付近でプレーするため、相手選手の打点からの距離が近い

・ベースラインでワンバウンドのボールを打ち合う場合に比べて、ボールが失速しない

 

前衛がボレーする時には、上の2つのような理由で時間的に余裕がない場面があります。

相手が打ったボールがふわっと浮いた球だったりすると余裕があります。

しかしシュートボールをネット前でボレーする時には、ボールの到達時間が比較的短くなります。

 

時間が短いということは、それだけラケットをスイングする余裕がなくなるということ。

この場合はラケットをスイングしては間に合いません。インパクトの瞬間だけ力を入れてボールを弾きます。

反対に言えば、タイミングを合わせて正確にインパクトができるなら、ボレーもスイングして良いと言えます。

実際にランニングボレーでスイングボレーで決める選手もいるため、プレーとしては可能です。

 

理論②ボレーの性質から考える

時間的に間に合わない場面でボレーを振ろうとすると、タイミングが合わず正確なインパクトができません。

威力のあるボールを打つためには「スイングスピード」「正確なインパクト」の両方が必要です。

 

ボレーでラケットをスイングしない場合、「スイングスピード」を出すことができません。

ですがラケットを振る時間がないほど球速があるボールは反発で自然と飛んでいきます。

 

スイングできないほど速いボールに対しては「正確なインパクト」が特に重要です。

ボールに当たる瞬間だけキュッとグリップを握ってボールに力を伝えます。

この時は「ラケットを振らないボレー」が求められる場面です。

 

ボールが速くスイングが間に合わない場面では、ボレーは振らない方が正確に打てるでしょう。

ボレーの一場面を捉えて、「ボレー」=「ラケットを振らない」という形で覚えると、ボールに合わせたスイングの妨げになります。

本当に大切なことはボールに対応してスイングを使い分けられることです。

 

前衛ボレーの「本当のコツ」とは?

ここまでの内容をまとめるとこのようになります。

「時間的に自分がスイングしてもタイミングが合い、正確インパクトができるならば、ボレーは振ってもいい」

 

ボレーの技術の本質

ボレーで大切なことは「ラケットを振っても間に合うのか、ラケットを振っていると間に合わないのかを判断すること」です。

このスイングを見極めるのは「直観力」。

 

直観的にボールに合わせた動きをするのは、ボレーだけの話ではありません。

ソフトテニスの全てのプレーは、「ボールに対して適切な体の動き・ラケットの動きが直観的に分かる」ことが大切です。

サーブやストロークもボールの動きに合った体の動きによってコントロールができるようになります。

 

直観的に分かると言うと曖昧に思えるかもしれません。

ですがこのような能力は皆さんご自身が日々実際に使っているものです。

例えば自転車に乗るときは、直観的にバランスを取り、ハンドルを操作しています。

カーブでハンドルを切るタイミングやその角度を瞬時に、かつ正確に判断できます。

 

人間の体にはこのような直観的な働きがもともと備わっています。

この本来持っている自然な機能をソフトテニスにも活かせば、上達は格段に速くなります。

 

ボレーが本当に上手くなる練習方法とは?

脳には反復練習によって自然と学習する性質が備わっています。

繰り返し練習を行ううちに脳内では新しいネットワークが作られ、技術が上がっていきます。

新しいネットワークが作られるときとは、簡単に言うと「慣れる」とき。

反復練習によって身に付く慣れが、ソフトテニスで身に付けたい感覚であり技術です。

 

ボレーの直観力も反復練習によって磨かれていきます。

フォームを意識して覚えようとする必要はありません。

今この瞬間のプレーに集中して、感覚でのプレーを身につける練習です。

 

ソフトテニスのプレー中には「ボールに集中」するようにしましょう。

ボールに集中することで、ボールのスピードやコースなどの情報を脳がキャッチします。

繰り返し練習を行うとボールの動きのパターンが直観的に掴めるようになり、ボレーの最適なスイングが感じられるようになるでしょう。

 

フォームやコースを考えているとき、意識はプレーそのものから離れています。

ボレーが上手くなるためにはボールに意識を向けるようにしてみてください。

続けるうちに自然と技術が上がります。

 

参考:【ソフトテニス×脳科学】前衛が加速度的に上手くなる練習法!

参考:脳が最速で学習する!ソフトテニス上達の1つ目のポイント「集中」

 

まとめ

●ボレーは振ってもいい場合と、振ってはいけない場合がある

●ボールに対して適切なスイングが直観的に分かることが大切

●直観的な判断は、人間がもともと持っている自然な機能