【ソフトテニス】バックハンドは「体の邪魔をするのをやめる」と上手くなる!

2020年6月3日

今回は、ソフトテニスのバックハンドが上手くなるポイントを、体の働きから考えてみたいと思います。

バックハンドについては他の記事でも解説していますが、こちらでは別の角度で考えてみます。

バックハンドに限らず、ソフトテニスが上手くなるために大切なことは実践であり、体感です。

理論を理解し、効率の良い実践に繋げて頂ければ幸いです。

 

参考:【ソフトテニス×脳科学】最速でバックハンドが上手くなるコツとは?

 

フォームを意識するのをやめるとバックハンドが上手くなる

ソフトテニスのバックハンドストロークが上手くなるためにはどうすればいいのでしょか?

本章でのバックハンドのポイントはこちらです。

 

Point

・バックハンドの「フォームを意識する」=「体の邪魔をする」

・毎回変わるボールに、体は無意識に合わせてくれている

・全てのショットはフォームではなく反復によって上手くなっている

 

それでは以下で詳しく理解していきましょう。

 

バックハンドの技術は感覚

バックハンドの一般的なアドバイスはどのようなものでしょうか?

 

「バックハンドは打点を前に」

「ラケットを上に振りぬいてドライブを掛ける」

 

皆さんもバックハンドについて、これらのようなアドバイスを聞いたことがあるかもしれません。

つまり、フォームを覚えることで上手くなろうとする方法です。

 

しかし端的に言って、フォームを覚えてもソフトテニスは上手くなりません。

サーブもフォアハンドも、技術の中核となっているのは感覚です。

ソフトテニスの感覚とは、反復練習によってボールの打ち方が何となく感じられることです。

 

 

形だけを見れば、バックハンドは打点が前で、上に振りぬいてドライブを掛けるかもしれません。

しかしこれは、練習を通じて結果的に身に付く動作に過ぎません。

形としては間違いではありませんが、それを感覚でできるようにするのが練習です。

 

フォームはソフトテニス上級者が感覚で行っている動きを、後から形について説明したもの。

本人が感覚で行っているのに、それを頭で理解してもできる訳ではありません。

 

このフォームについての考え方は、以下のような体の働きからも実感できます。

 

気を付けの姿勢から体を前に倒していきます。すると倒れる前に足を踏み出してバランスを取りたくなります。

 

「早めに足を前に出すことを意識しないと、体の重心の移動に対応ができない」

このように感じる人はいないでしょう。

体の内側からの自然な要請として、足を前に踏み出して倒れないようにしているはずです。

 

バックハンドのフォームも、反復練習によって身に付く自然な体の動きです。

「バックハンドを打つと何となくこうなる」という、体の内側から感じられる動き。

バックハンドに優れたプレーヤーの、内側に備わっている感覚、その機能を身に付けなければ上達には繋がりません。

繰り返し練習を実践することで脳がボールと体の動きのパターンを学び、それが直観をもたらします。

 

バックハンドの「フォームを意識する」=「体の邪魔をする」

フォームを意識するということは、自分の体の動きの邪魔をしているということです。

打ち方を頭で考えることでスイングは不自然になります。

 

レベルに違いはあっても、ソフトテニスの練習をするとボールが狙ったコースに向けて打てるようになります。

初心者の頃と比べれば誰でもスイングはスムーズになり、ボールコントロール能力が上がっているでしょう。

 

「フォームが身に付いたから打てるようになったのでは?」

こう考えるのはソフトテニスの現実のプレーと矛盾します。

 

ソフトテニスで打つボールは毎回変わります。

似たボールはあるかもしれませんが、軌道やバウンドが完全に一致するボールはまずあり得ません。

ボールの動きだけでなく、ショットには風向きや相手プレーヤーの動きまで含まれます。

 

毎回違うボールなのに、ソフトテニスを始めた頃より上手く打てるようになっている。

しかし多くのプレーヤーは毎回同じフォームを意識しています。

上達にフォームが必要なら、全てのボールに対して、毎回違うフォームで精密な調節を行っているはずです。

これを意識的に行っている人は一人もいないでしょう。

 

上達の原因がフォームではないとすると、何でしょうか?

それは体が無意識に、ラケットスイングをボールに合わせてくれているからです。

繰り返しボールを打つことによって脳はショットのパターンを自動的に学習します。

 

バックハンドが上手くなるためにフォームは必要ありません。

繰り返し練習することで、体が無意識的にボールに合わせてくれます。

無意識はボールに合わせて体の動きを常に調節してくれています(アフォーダンス機能)。

しかし決まったフォームで打とうとすると、その働きを妨げることになります。

これが「フォームを意識することは体の邪魔をすること」という言葉の意味です。

 

 

バックハンドがフォアハンドに比べて難しく感じられるのは、バックハンドに慣れていないからです。

フォアハンドも何度も練習して、初心者の頃より上手くなっています。

 

「フォアハンドを左手(逆利き手)で打ってみてください」と言われると、利き手と同じようにはいきません。

フォームを覚えることで打てるのであれば、左右どちらの腕でも打てるはずですよね?

 

ソフトテニスのトッププレーヤーが打ち方を解説しているのも、感覚を言語化しているのでしょう。

コツを掴むためのヒントにはなるかもしれませんが、言葉に捉われて動きが不自然になるのは本末転倒です。

 

このことは、皆さん自身が何となくできていることに置き換えると実感が湧きます。

 

小さな子供に、自転車に乗る方法を聴かれたらどう答えますか?

「何度も乗っていると自然に分かるよ」としか言えません。

日本語を勉強している人に「どうしてそんなに日本語が上手いのですか?」と聞かれたらどうでしょうか?

「日本で生活をしているうちに慣れた」のような答えになるでしょう。

 

自転車や言葉を以下のように説明したとすれば、それは感覚を後付けで言葉にしたものに過ぎません。

 

「自転車に乗る時はペダルを漕いで推進力を維持しながらバランスを取る」

「日本語はヘッドファイナル言語で、語順の基本パターンはSOV、つまり主語を文頭として結論となる動詞が文末に来る」

 

ソフトテニス上級者のプレーに対する解説は、自分が自転車や日本語を説明することと、置き換えてみるといいでしょう。

自分が体感で行っている技術の説明を聞くことで「相手は上手くなれるだろうか?」と一度考えてみてください。

 

 

バックハンド上達に慣れ感覚が大事だというのは、説明を雑にしている訳ではありません。

感覚で行うべきことは、感覚に任せる方が上手くいきます。

バックハンド上達に必要なことは、感覚を磨く練習方法を実践することです。

 

無理に頭で考えて技術を身に着けようとすると、スイングは不自然なものとなるでしょう。

やはり上達の原因となっているのはフォームではなく反復練習だということです。

フォームを意識しているとスイングの妨げになりますが、それでも体が無意識に修正してくれているので上手くなっています。

 

体の邪魔をしても、ソフトテニスは上手くなっている。

体の邪魔をするのをやめて、全面的に体のサポートに回ればどうなるでしょうか?

自然な上達のプロセスに乗ることで圧倒的なスピードでの上達が可能になります。

 

ソフトテニスはフォームを意識するから上手くなるのではありません。

フォームを意識しているにもかかわらず、上手くなっているのです。

フォームを無視すればさらに上手くなるのは自然なことです。

 

従来のソフトテニス理論に照らせば極論とも言えますが、体の自動調節によってしかボールが打てない以上、こう考えるのが理に適います。

 

練習を重ねたフォアハンドと、普段あまり打っていないバックハンド。

これら2つの技術に違いがあるのは自然なことだと言えるでしょう。

その差はシンプルに、反復練習の回数の差です。

 

フォアハンドは初心者の頃から何度も練習しますが、バックハンドはある程度経験を積んでから練習します。

フォアに比べてバックが上手く打てないので、ついフォームを考えてしまいます。

フォームを考える程スイングは複雑になりますから、ますますバックハンドは難しいものに感じられます。

 

参考:ソフトテニスの【極意】上達の3つのポイントまとめ!

参考:【ソフトテニス×脳科学】「フォーム無視」は「ブロークン・テニス」ではない!?

 

バックハンドのコツは体に任せて無意識で打つこと

バックハンドが上手くなる方法は単純で、体に任せることです。

脳は反復練習によって自動的に学習する訳ですから、その働きを最大限に活かすことがバックハンド上達の最短距離です。

 

バックハンド練習のポイントはこちらです。

 

Point・バックハンドの反復練習を行う

・ボールをよく見て、ボールだけに意識を集中する

・上手く打てなくても気にせず、体の自然な動きに任せてスイングしてみる

・スイングのパターンが脳内で学習され、バックハンドが感覚で打てるようになる

 

以上のポイントは前章の理論通り、体の無意識的な働きをバックハンドに最大限活かすための練習です。

 

バックハンドの練習は無意識に任せる

バックハンドが上手くなるためには、何度もバックハンドを打つことです。

サーブもフォアハンドも、上手くなったショットは全て反復練習の賜物です。

 

ソフトテニスではフォアハンドを重視して、バックハンドの技術が磨かれない傾向が見られます。

 

初心者の頃から何度もフォアハンドを練習し、それゆえバックハンドと技術に差がつくと、フォアに回り込んでますますバックを打たなくなる。

 

これがバックハンドを難しくしているサイクルです。

 

上手く打てないと、フォームを意識して身に付けようとします。

フォームは体の自動調節機能を妨げ、バックハンド上達の糸口は掴めなくでしょう。

 

バックハンドが上手くなるためにはぜひこちらを実践してみてください。

 

「体に任せる」こと

 

「無意識に任せる」「脳に任せる」でも構いません。

共通しているのは、自分で意識してスイングを調節しようとしないということです。

 

スイングを意識して行うのではなく、体の自然な動きに任せて行います。

これはバックハンドだけでなく、前衛・後衛のあらゆるショットに通じる感覚です。

 

自転車に乗れるようになるには、何度もバランスを崩しながらトライ&エラーを経験することです。

子供はできなくても何度もチャレンジしますが、成長し大人になるにつれ、失敗について頭を使うのでしょう。

もちろん、失敗から学び、次回の対策を考えるのは良いことです。

意識して考えるべきものなのか、反復練習による感覚に任せるべきものなのかを、使い分けられるのが理想的です。

ソフトテニスの精密なスイングの修正は、体の自動的な調節機能に任せるしかありません。

 

「バックハンドでミスショットを打つのは、上手くなるために必要なステップ」

 

このようにニュートラルに捉えて、淡々とショットを繰り返しましょう。

歩くことも、自転車に乗ることも、そして日本語を話すことも、脳が学んでくれました。

 

先ほど確認した通り、無意識は毎回変わるボールに対してラケット面を合わせる働きをしています。

この機能を最大化するために、ただボールだけに意識を向けましょう。

ボールという一点に集中することで考える働きを抑え、無意識の自動調節に身を任せます。

 

人間は、心臓の鼓動や食物の消化を常に無意識に任せています。

ソフトテニスのプレー中にもそれらは行われ、また体のバランスなども自動的に保たれています。

常に様々なことを無意識に任せながら、ラケットスイングだけ意識で介入しようとするので不自然な動きになります。

 

プレーヤーが意識的に行うのは方向の設定です。

 

「どのようなプレーヤーになりたいか?」

「どのようなショットが打ちたいか?」

 

自分が目指したいプレーの行き先設定を行い、後は無意識の自動操縦に任せます。

 

無意識は膨大な処理能力を持ってはいますが、それは理想に向けたものではなく、自動的なものです。

意識の上で適切なイメージの設定を行わなければ、その働きは望ましくない方向に向かうこともあります。

意識の上で物事を成し遂げようとすると無意識の抵抗に遭います。

 

・「勉強しないと!」と思えば、漫画やゲームをするように無意識が促してくれます

・「ダイエットしなければ!」と思うと、無意識は元の体型に戻そうとします

 

意識ではボールだけに集中し、後は無意識に任せましょう。

ボールというテーマが意識によって設定されれば、無意識がボールに合わせてスイングを自動的に最適化します。

これまで抑えられてきた体のポテンシャルが解放されることでしょう。

 

無意識はクリエイティブ

フォームを意識することに慣れているプレーヤーは特に、無意識に任せることには抵抗があるかもしれません。

しかし無意識の働きには大変に優れたところがあるのが事実です。

 

無意識は自動的で、並列処理に長け、クリエイティブ。

「自動的」「並列的」「創造的」という3つの特徴を備えています。

このような無意識の働きは様々な分野で確認できることです。

 

例えば「ひらめき」などは無意識の働きを示す良い例です。

科学の歴史を変えるような発想から、日常の中での小さな発見まで、人は突然ある気づきを得ることがあります。

意識の上でいくら考えても分からなかった問題の答えが、あるとき、ふと舞い降りるような形で訪れます。

この時の無意識の働きは、とてつもなくクリエイティブです。

 

ひらめきが起きやすいのはリラックスしている時だと言われています。

意識の上で懸命に課題に取り組むことを一度手放して、心身がリラックスした時、無意識が回答を送ってくれます。

本人には自覚がなくても、無意識下では処理が進んでいるのです。

 

ただし、ひらめきが起きるのは意識の上でその課題に取り組んでいることが前提です。

ある程度のところまで問題の解決に挑んだら、あとは無意識に課題を委ねます。

これが先ほどの方向性を設定するということです。

課題について自分で考えることと、ある時点で考えるのをやめて無意識に任せることとのバランスが大切です。

 

 

無意識の創造性は、マイナス面を例にとっても実感することができます。

例えば先ほども挙げた勉強の例などは、本人にとっては望ましくない出来事でしょう。

テスト勉強をしないといけないと思いつつ、ついつい別のことをしてしまうことがあります。

 

「勉強しないといけない」ということは「本当はしたくない」ことの裏返しです。

 

このとき無意識は勉強をしなくてもいいように、クリエイティブに勉強を避ける理由を思いつきます。

YouTubeを開いてみたり、突然掃除がしたくなったり。

本人としては「どうして別のことをしてしまうのだろう…」と感じられることでしょう。

 

無意識は自動的に、極めてクリエイティブな働きをします。

この優れた機能をプラスに活かしましょう。

 

 

ソフトテニスはボールだけに集中して意識的な思考を抑えると、無意識の膨大な処理能力が立ち上がります。

無意識の機能は自動的・並列的・創造的の3つでした。

プレー中に体が自然に動き、スイングと状況判断を同時に行い、直観的でクリエイティブな試合展開をする。

ソフトテニスの優れたプレーは、無意識による賜物です。

 

参考:「モンスター」が目覚める!?睡眠から分かるソフトテニス上達のコツ

参考:ソフトテニスは「考えない」方が上手くなる!?センスが覚醒する練習法!

 

まとめ

●バックハンドのフォームを意識することは体の邪魔をすること

●ソフトテニスのバックハンドで大切なのは感覚

●練習によってボールが打てるようになるのは、体が無意識に調節してくれているから

●決まったフォームを意識すると、毎回変わるボールに正しく対応ができない

●ボールだけに意識を集中し、意識の上で考える働きを抑える

●集中状態で練習するとナチュラルな体の働きでバックハンドが打てるようになる