本記事では、睡眠に関する脳科学の実験からソフトテニスの上達法を考えてみたいと思います。
睡眠と脳の関係を調べるうちに、脳が持つ途方もないポテンシャル(潜在能力)が垣間見えます。
勉強をしてから寝ると睡眠中に脳内で学んだことが整理される、ということは誰しも聞いたことがあると思います。
寝ている間のことなので体験的にはっきり分かりにくい現象でしたが、実験で確認してみると、その効果は明らかです。
ソフトテニスとの理論的な繋がり、またその実践方法までしっかりと解説します。
睡眠に関する実験から分かったこと
睡眠と学習の関係を調べるために行われた、面白い実験があります。
まずはこちらの数字をご覧下さい。
1 9 4 9 1 9 4 9 4 1 9 9 4 1 □ |
右下の赤枠の中に入る数字を答える問題です。
このような問題を大量に出題して、考える時間を8時間被験者に与えます。
被験者は3つのグループに分けられました。
Aグループ | 朝に問題を見せて、8時間考えて、問題に答える |
Bグループ | 夜に問題を見せて、8時間睡眠をとって、朝に答える |
Cグループ | 夜に問題を見せて、徹夜で8時間考えて、朝に答える |
朝に問題を見て8時間考えたAグループの正答率は「約20%」。
夜に問題を見て徹夜で8時間考えたCグループも、同じく「約20%」。
面白いのは、問題を見てから寝たBグループです。
こちらの正答率は「約60%」でした。
前述の通り、Bグループは問題を意識的に考えていません。
問題を見てから睡眠を取っただけのグループなのですが、明白に成績が良いという結果になっています。
本人が意識的に8時間考えた場合よりも寝た方が問題の正答率が上がるというのは、脳の働きそのもののイメージが変わる出来事ではないでしょうか?
「睡眠は大事」「一夜漬けは良くない」と言われてきたことが、明らかな数値として示された一つの例だと言えるでしょう。
もう一つ、睡眠に関連した興味深い実験をご紹介します。
睡眠を取った方が試験の成績が良くなるという現象は、睡眠時間が3時間以上くらいからその効果が認められるようです。
そこで以下の2つのグループに分けます。
・勉強をした後に3時間寝るグループ
・勉強をした後に起きているグループ
試験結果はやはり「勉強をした後に寝るグループ」の方が高くなりました。
さらに起きているグループにもう一つグループを加えました。
・勉強をした後に部屋を暗くして、ただ椅子に座っているグループ
このグループの場合、睡眠を取っていないにも関わらず試験の成績が向上したそうです。
しかし部屋を暗くしても新聞を読んだりテレビを見たりすると、成績の向上は認められなかったようです。
この実験の結果が示していることは「学習効果の向上は、必ずしも睡眠が必要なわけではない」ということです。
(学習において睡眠のような効果が認められたというだけで、健康上睡眠は必要だと思われます)。
学習を進めている要因は何なのでしょうか?